大人用音楽
YUMI'S CD REVIEW
スガシカオ『SMILE』レビュー
Part 3

私は、この度の『SMILE』こそ、スガ史上、最高にPOPな作品だと思いました。

でも、不思議。「Thank You」に始まり、「気まぐれ」で終わる、この濃密重厚な作品が、こんなにPOPに感じるなんて…。私がマニアだから、じゃないですよねぇ…。POP⇒大衆的ってことで間違いないですよね?一般に向けられ発せられていること。そういう意味では、『SWEET』のほうが聴きやすい、わかりやすいということで、POPかもしれないけど、『SMILE』はライブ向きのグルーヴ曲が多い、サビの開け具合が大きい、目線が外に向けられ言葉が発せられていること、そんな印象が強いからだと思います。

一般的ではないけど大衆性がある。特に、「青空」、「サヨナラ」、「気まぐれ」は、広く一般に聴かれてこそ意味を増す。あけてびっくり、見事にシングル曲じゃないですか!そして、アルバムの第一聴の印象は、とっ散らかってるなぁ…、まとまらないなぁ…、『SMILE』が見えなかったのですが、それが聴くほどに濃度を増すのであります。違った曲がくっつくことで、互いの相乗効果ありました。その曲の世界観が広がって、とても大きなものになってしまったのでした。特に「青空」はマジで、この10曲の中で聴けてよかった。とても好きになった。(シングル時では、あまり好きではなかったのです。)

これはスルメアルバムですね。それはライブを4回も見た後でも…。48分30秒、フィジカルな音とサイコロジカルな言葉、つま先から頭の天辺まで、もちろん中心は腰にあって、充満されてしまう、そんなアルバムです。そして、「気まぐれ」の後、また「Thank You」が聴きたくなる…。リピート…。

ここの話に『4FLUSHER』と『SUGARLESS』が出てきませんね。

『SUGARLESS』は、私にとってオリジナルアルバムではないのですよ。そのままB面集+新曲なんです。シングルC/W曲は、全部そのリリース時リアルタイムでヘヴィープレイ、そのシングル曲と対になって存在してた曲だから、それだけで並べられないのです。「夜空ノムコウ」はSMAPの歌だったし、(川村結花ヴァージョンもよく聴いていたけど)、スガヴァージョンは、リリース前にシングル並に方々で耳にした。森高千里の「まひるの星」(スガシカオ提供曲、詞は森高本人)はカラオケで歌ってはいたけど(笑)、「ユビキリ」にはあまりハマらなかった。「8月のセレナーデ」は既にシングル曲で、ここに入るのはどうよ?って思った。アルバム先行シングル曲ではあったのですがね…。「マーメイド」は、私の大事なアルバム1曲目としては6曲中6位(ゴメン)。「ROOM201」は、どこをどうとっても好きになれんのだなぁ…(他にそんな曲はないなぁ…)。詞に救いがないしなぁ。6/8曲が好きになれないなんて…。SOULの王道なのにね。

『SUGARLESS』はいいんです。ここの話題に関係ない。

問題は、『4FLUSHER』。このアルバムは前3部作とは別のスガシカオ番外編、企画盤と言ってました。先日のマイラジでも、新しくファンになったリスナーから、「過去作を聴きたいが、どんな順番で聴いたらいいでしょう?」という問いに、「『SUGARLESS』から過去に溯って聴いていって『CLOVER』までいって、余力があったら『4FLUSHER』を聴いてください。」と答えてました。果たしてそうかな?どう思います?じゃあ、シカオさん的には、『4FLUSHER』は聴きたい人だけ聴けばいいって位置付け?そんなPOPじゃないこと、ダメでしょう。「AFFAIR」と「SPIRIT」が入ってるわけですしね。私だったら先に『4FLUSHER』を聴かせるな。で、びっくりさせて、もっと他の聴きたくなるようにする!(なるでしょう?)で、最後に『SUGARLESS』だな。それで落ち着いてもらう(笑)。

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