遺留分の事前放棄

2013(平成25)年9月12日

 

 遺留分については,2008(平成20)年3月26日遺留分に記載しました。

 この遺留分は,遺留分権利者が,被相続人が生きている間(相続開始前)に,家庭裁判所の許可を得て放棄することが出来ます。

 被相続人の生前中の遺留分放棄には,必ず家庭裁判所の許可が必要です。

 遺留分の放棄の許可申立を受けた家庭裁判所は,その申立が遺留分権利者の自由意思に基づくものであるかどうか,遺留分の放棄の理由に合理性と必要性があるかどうか,代償性(遺留分放棄と引き替えに何らかの代償があるか。)があるかどうかなどの点について審理し,遺留分放棄の許可あるいは却下の審判をすることになります。

 却下の審判については,申立人又は利害関係人は即時抗告をなし得ると解されています。

 共同相続人の1人がなした遺留分放棄は,他の共同相続人の遺留分に影響を与えません。

 従って,他の共同相続人の遺留分が増加することにはなりません。

 遺留分の放棄は,所謂相続放棄と違いますから,遺留分を放棄した者も,相続放棄の手続をしない限り,被相続人の死後に相続人となります。

 従って,遺留分放棄をした者も,遺産の相続をすることは可能です。

 また,被相続人に債務があった場合は,その債務を承継します。

 

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