養子は実親の相続人になれるか?

平成22(2010)年8月10日
令和2(2020)年10月28日改訂

 

 養子に行った人も,養子の実の親の遺産相続について法定相続分通り相続することができます。

 養子制度は,養子縁組の届出をした日から養親の嫡出子たる身分を取得しますので,養子は養子の養父母が死亡した場合,養父母の遺産について相続することができます。

  さらに,養子は養子の実父母についてもその実子であり,その関係も維持されますので,養子の実父母が死亡した場合は,養子は実父母の相続についても法定相続人として相続権があります。

  結論として養子は,実父母の相続及び養父母の相続について両方とも相続権があることになります。

  ただし,同じ養子縁組でも2020(令和2)年4月1日施行の民法改正により,原則として15歳未満の子供について行われる特別養子縁組(改正前は6歳未満の幼少児童が対象でした。なお,特別養子縁組には家庭裁判所の審判が必要です。改正民法817条の2)により養子となった人は,その実父母についての相続権はなくなります。

 すなわち,特別養子縁組制度は,原則として15歳未満の子に新しい実父母を与えるというのが目的ですので,特別養子縁組の場合は,その審判が確定すると実父母(生みの親)との身分関係が断絶します。

  したがって,特別養子縁組で養子になった人は,その実父母の相続については相続権がありません。

 特別養子縁組をした養子はその養父母の相続についてだけ相続権があることになります。

 なお,特別養子縁組に関しては,
2020(令和2)年10月28日2020(令和2)年4月1日施行の改正民法により、特別養子縁組の養子候補者の上限年齢の引上げ等や特別養子縁組の成立手続きの見直しがなされました。
 でご紹介しています。

以上

 

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