<ζ(4)類似値の導出 >
<ζ(2)類似値の導出 >
<ζ(3)類似値の導出 >
<ζ(1)?類似値の導出 >
の種々の興味深い計算を示されている。
今回それに触発されて、Si(x)値を分子にもつζ(s)類似の値(積分表示)をフーリエシステムを用いて求めてみたい。
積分正弦関数Si(x)は、Si(x)=∫(0〜x) sint/t dt で定義される関数である。
具体的には、次のようなものを求める。
{Si(2π)-Si(0)}/1^s+ {Si(3π)-Si(1π)}/2^s + {Si(4π)-Si(2π)}/3^s + {Si(5π)-Si(3π)}/4^s + ・・・
すなわち、
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^s
である。
ζ(s)=1/1^s+ 1/2^s + 1/3^s + 1/4^s + ・・・
であるから、”ζ(s)類似”の意味がおわかりいただけると思う。
フーリエシステムを用いると、ζ(s)やL(s)のようなゼータ関数の値のみならず、さまざまな級数的な値を導出すること
ができる。「ホームズ彗星」や「スワン彗星」で多くの事例を計算したが、ここでも同じようにして求める。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^sにおいて、まずs=4のζ(4)類似のものから求めたい。
[煤oSi((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^4の導出]
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^4
={Si(2π)-Si(0)}/1^4 + {Si(3π)-Si(1π)}/2^4 + {Si(4π)-Si(2π)}/3^4 + ・・・ ----@
に着目して、まず次の関数(フーリエ級数)
f(x)={Si(2π)-Si(0)}cosx/1^4+ {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^4 + {Si(4π)-Si(2π)}cos3x/3^4 + ・・・ ----A
を考える。フーリエ級数の直交性を用いると、
{Si(2π)-Si(0)}/1^4=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2^4=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3^4=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
となる。さらに右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
{Si(2π)-Si(0)}/1^4=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1^3 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2^3 + ・・]・(sinx/1) dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2^4=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1^3 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2^3 + ・・]・(sin2x/2) dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3^4=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1^3 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2^3 + ・・]・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて、次を得る。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^4
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1^3 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2^3 + ・・]・(sinx/1 + sin2x/2 + ・・)dx ----B
B右辺に対してさらにSin-Cos移動の法則(部分積分)を繰り返していくと、次のような式が機械的に次々に出せる。
この簡潔な変形を味わっていただきたい。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^4
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx/1^2 + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^2 + ・・]・(cosx/1^2 + cos2x/2^2 + ・・)dx
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^4
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1^1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2^1 + ・・]・(sinx/1^3 + sin2x/2^3 + ・・)dx
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^4
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・]・(cosx/1^4 + cos2x/2^4 + ・・)dx ----C
さて、Cに注目しよう。右辺にフーリエ級数の公式
cosx/1^4 + cos2x/2^4 + cos3x/3^4 + ・・={2π^2(x-π)^2 - (x-π)^4 - 7π^4/15}/48 (0 <=x<= 2π)
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}cos(nx)=πsinx/x -π/2- Si(π) (-π<=x<= π) ----D
を用いて整理するとCは次のようになる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^4
=(1/24)∫(0〜π) {sinx/x-1/2-Si(π)/π}・{2π^2(x-π)^2-(x-π)^4 -7π^4/15} dx ----E
目的の積分表示が求まった。
@の形を考えたことで途中フーリエ級数の公式Dが利用できるようになったことに注目いただきたい。
なお、公式Dは一般的な公式
(n=1〜∞){Si((n+a)π)-Si((n-a)π)}cos(nx)=πsin(ax)/x -π/2- Si(aπ) (-π<=x<= π) ----D
においてa=1とした場合のものである。
(ここで用いたフーリエ級数の公式は、例えば「数学公式U」(森口・宇田川・一松著、岩波書店)を参照)
[終わり]
ζ(4)はζ(4)=π^4/90ときっちり明示的に求まる。Eは、どうだろうか。さらに計算を続行できそうだが、かなり
難しくなるので、とりあえずここでおいておく。
E式はフリーの計算ソフトBearGraphなどを用いて数値計算的に検証した。OKであった。
E右辺=1.40786・・ となる。これが目標値。
E左辺の3項まで=1.40799・・
E左辺の4項まで=1.40783・・
E左辺の5項まで=1.40787・・
と、左辺は交代的に急速に目標値に収束していく。
次に、(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^sにおいて、s=2のζ(2)類似を求める。
[煤oSi((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^2の導出]
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^2
={Si(2π)-Si(0)}/1^2 + {Si(3π)-Si(1π)}/2^2 + {Si(4π)-Si(2π)}/3^2 + ・・・ ----@
に着目して、まず次の関数(フーリエ級数)
f(x)={Si(2π)-Si(0)}cosx/1^2+ {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^2 + {Si(4π)-Si(2π)}cos3x/3^2 + ・・・ ----A
を考える。フーリエ級数の直交性を用いると、
{Si(2π)-Si(0)}/1^2=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cosx dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2^2=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos2x dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3^2=(2/π)∫(0〜π) f(x)・cos3x dx
・
・
となる。さらに右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
{Si(2π)-Si(0)}/1^2=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2 + ・・]・(sinx/1) dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2^2=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2 + ・・]・(sin2x/2) dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3^2=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2 + ・・]・(sin3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて、次を得る。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^2
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2 + ・・]・(sinx/1 + sin2x/2 + ・・)dx ----B
B右辺に対してさらにSin-Cos移動の法則(部分積分)を用いると次式が得られる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^2
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・]・(cosx/1^2 + cos2x/2^2 + ・・)dx ----C
さて、Cに注目しよう。右辺にフーリエ級数の公式
cosx/1^2 + cos2x/2^2 + cos3x/3^2 + ・・=(x-π)^2/4 - π^2/12 (0 <=x<= 2π)
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}cos(nx)=πsinx/x -π/2- Si(π) (-π<=x<= π) ----D
を用いて整理するとCは次のようになる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^2
=∫(0〜π) {sinx/x-1/2-Si(π)/π}・{(x-π)^2/2 - π^2/6} dx ----E
目的の積分表示が求まった。
[終わり]
E式はフリーの計算ソフトBearGraphなどを用いて数値計算的に検証した。OKであった。
E右辺=1.38024・・ となる。これが目標値。
E左辺の3項まで=1.38208・・
E左辺の4項まで=1.37953・・
E左辺の5項まで=1.38056・・
E左辺の5項まで=1.38033・・
と、左辺は交代的に急速に目標値に収束していく。
ζ(2)はζ(2)=π^2/6ときっちり明示的に求まる。Eは、どうだろうか。さらに計算できそうだが、一旦ここでおいておく。
次に、(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^sで、s=3のζ(3)類似を求めよう。
これは、奇数ゼータζ(3)と同じような性質をもっているのだろうか?
[煤oSi((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^3の導出]
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^3
={Si(2π)-Si(0)}/1^3 + {Si(3π)-Si(1π)}/2^3 + {Si(4π)-Si(2π)}/3^3 + ・・・ ----@
に着目して、まず次の関数(フーリエ級数)
f(x)={Si(2π)-Si(0)}sinx/1^3+ {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2^3 + {Si(4π)-Si(2π)}sin3x/3^3 + ・・・ ----A
を考える。今度は、sin級数を考えた点に注目せよ。
フーリエ級数の直交性を用いると、
{Si(2π)-Si(0)}/1^3=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sinx dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2^3=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin2x dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3^3=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin3x dx
・
・
となる。さらに右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
{Si(2π)-Si(0)}/1^3=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx/1^2 + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^2 + ・・]・(cosx/1) dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2^3=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx/1^2 + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^2 + ・・]・(cos2x/2) dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3^3=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx/1^2 + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^2 + ・・]・(cos3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて、次を得る。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^3
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx/1^2 + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x/2^2 + ・・]・(cosx/1 + cos2x/2 + ・・)dx ---B
B右辺に対してさらにSin-Cos移動の法則(部分積分)を繰り返していくと、次のような式が機械的に次々に出せる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^3
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}sinx/1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2 + ・・]・(sinx/1^2 + sin2x/2^2 + ・・)dx
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n^3
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・]・(cosx/1^3 + cos2x/2^3 + ・・)dx ----C
さて、Cに注目しよう。右辺にフーリエ級数の公式
cosx/1^3 + cos2x/2^3 + cos3x/3^3 + ・・=ζ(3) + (x^2/2)log2 + ∫(0〜x) (x-t)log(sin(t/2))dt (0 <=x<= 2π)
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}cos(nx)=πsinx/x -π/2- Si(π) (-π<=x<= π)
を用いて整理するとCは次のようになる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^3
=2∫(0〜π) {sinx/x-1/2-Si(π)/π}・{ζ(3) + (x^2/2)log2 + ∫(0〜x) (x-t)log(sin(t/2))dt} dx ----D
目的の積分表示が求まった。
(ここで用いたフーリエ級数の公式は、例えば「数学公式U」(森口・宇田川・一松著、岩波書店)を参照)
Dは、∫の中に∫が含まれるという極めて醜い形をしている!
つまり、(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^3は、本質的にζ(3)の心を宿しているのである。
[終わり]
次に、(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^sで、s=1のζ(1)?類似を求めよう。
ここで?をつけたのは、ζ(1)は発散して収束しないからであるが、形の観点からζ(1)類似としておく。
[煤oSi((n+1)π)-Si((n-1)π)}/nの導出]
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n
={Si(2π)-Si(0)}/1 + {Si(3π)-Si(1π)}/2 + {Si(4π)-Si(2π)}/3 + ・・・ ----@
に着目して、まず次の関数(フーリエ級数)
f(x)={Si(2π)-Si(0)}sinx/1 + {Si(3π)-Si(1π)}sin2x/2 + {Si(4π)-Si(2π)}sin3x/3 + ・・・ ----A
を考える。今度も、sin級数を考える。
フーリエ級数の直交性を用いると、
{Si(2π)-Si(0)}/1=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sinx dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin2x dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3=(2/π)∫(0〜π) f(x)・sin3x dx
・
・
となる。さらに右辺を部分積分する。f(x)はAであるから、簡単な計算により次となる。
{Si(2π)-Si(0)}/1=(2/π)∫(0〜π) ({Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・)・(cosx/1) dx
{Si(3π)-Si(1π)}/2=(2/π)∫(0〜π) ({Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・)・(cos2x/2) dx
{Si(4π)-Si(2π)}/3=(2/π)∫(0〜π) ({Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・)・(cos3x/3) dx
・
・
これらを縦に足し合わせて、次を得る。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}1/n
=(2/π)∫(0〜π) [{Si(2π)-Si(0)}cosx + {Si(3π)-Si(1π)}cos2x + ・・]・(cosx/1 + cos2x/2 + ・・)dx ---B
右辺にフーリエ級数の公式
cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 + ・・=-log(2sin(x/2)) (0 < x < 2π)
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}cos(nx)=πsinx/x-π/2- Si(π) (-π<=x<= π)
を用いて整理するとBは次のようになる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n =2∫(0〜π) {-sinx/x+1/2+Si(π)/π}log(2sin(x/2)) dx ----C
目的の積分表示が求まった。
∫内に、log(2sin(x/2))が含まれている。このことから、(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/nも奇数ゼータの心を
持っているといえる。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/nは、だんだんと項が小さくなっていく交代級数(±が交互に出てくる)級数
であるので、これは収束する。
[終わり]
4つ全てをまとめておく。
右辺の青字の部分に注目していただきたい。これから奇数ゼータか偶数ゼータかどちらの心を宿しているかが明確に
わかるではないか!
次の4つを求めてきたが、/n^2と/n^4の形のものが偶数ゼータの性質をもち、/n^1と/n^3のものが奇数ゼータの性質を
もっていることは上で示唆した。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n=2∫(0〜π) {-sinx/x+1/2+Si(π)/π}log(2sin(x/2)) dx ----@
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^2=∫(0〜π) {sinx/x-1/2-Si(π)/π}・{(x-π)^2/2 - π^2/6} dx ----A
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^3
=2∫(0〜π) {sinx/x-1/2-Si(π)/π}・{ζ(3) + (x^2/2)log2 + ∫(0〜x) (x-t)log(sin(t/2))dt} dx ----B
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^4
=(1/24)∫(0〜π) {sinx/x-1/2-Si(π)/π}・{2π^2(x-π)^2-(x-π)^4 -7π^4/15}dx ----C
/n^2と/n^4のものの明示的な値を求めることは課題として残していたが、導出できたのでそれを示したい。
A、Cの右辺の積分を計算すると、次のようになった。
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^2=π^2・Si(π)/3 -3π/2
(n=1〜∞){Si((n+1)π)-Si((n-1)π)}/n^4={8π^4・Si(π)/15-10π-π^3}/24
このように有限項でのすっきりとした形となった。
ここで Si(π)=∫(0〜π) sint/t dt である。もちろんζ(2)=π^2/6のような究極のところまではいっていないが、明示的な
形といってもよいであろう。(上式はもちろん計算的にも正しい)
/n^1と/n^3の@やBでは、とうていこんな綺麗な形にはできない。∫内に赤字の奇数ゼータの心をもった部分を含ん
でしまっているがゆえである。
今回は、
a/1^s+ b/2^s + c/3^s + d/4^s + ・・・
のようにζ(s)各項の分子が1以外の値をとる場合を見たわけであるが、このような場合にまでフーリエシステムが適用でき
ることを考えると、
例えば、ラマヌジャンのゼータ関数
L(s,Δ)=τ(1)/1^s+ τ(2)/2^s + τ(3)/3^s + τ(4)/4^s + ・・・
のような2次のゼータ(2次の保型形式)にまでフーリエシステムは力を発揮できるのではないだろうか。そこまでは力及ば
ないのだろうか。いろいろと夢想してしまうのだが。
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