< L(1/2)を導出 >
< L(3/2)を導出 >
< L(5/2)を導出 >
テイラーシステムSin級数を用いてL(1/2)、L(3/2)、L(5/2)を求めた。
ここでは、Sin級数を利用し、テイラーシステムから、L(1/2)を求める。「その1」で出した一般式をまず掲げる。
上式でs=1/2とすると、求まる。
s=1/2とすると、次のようになる。
L(1/2)
=(1-2^(3/2))・ζ(-1/2)・(π/2)^1 /1! - (1-2^(7/2))・ζ(-5/2)・(π/2)^3 /3!
+ (1-2^(11/2))・ζ(-9/2)・(π/2)^5 /5! - (1-2^(15/2))・ζ(-13/2)・(π/2)^7 /7!
+ (1-2^(19/2))・ζ(-17/2)・(π/2)^9 /9! - (1-2^(23/2))・ζ(-21/2)・(π/2)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------@
ζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を用いて@を変形して、整理整頓すると次となる。
L(1/2)
=(√2-1/2^1)・ζ(3/2)・2!/{2^3・(1!)^2}
+ (√2-1/2^3)・ζ(7/2)・6!/{2^9・(3!)^2}
+ (√2-1/2^5)・ζ(11/2)・10!/{2^15・(5!)^2}
+ (√2-1/2^7)・ζ(15/2)・14!/{2^21・(7!)^2}
+ (√2-1/2^9)・ζ(19/2)・18!/{2^27・(9!)^2}
+ (√2-1/2^11)・ζ(23/2)・22!/{2^33・(11!)^2}
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------A
@またはAは、まったく優雅な式である。
余談であるがζ(s)のリーマン予想を一般化した一般リーマン予想というのがあって、それはL(χ,s)の本質的零点
はs=1/2+i・αの所にしかない、つまり実軸1/2の線上にのみ存在するという予想がある。(もちろん未解決で
ある。ζ(s)のリーマン予想ですら未解決なのだから!)
L(1/2)はこの実軸1/2上の値であり、その点から私にはL(1/2)は興味深いものにうつる。
さて、収束性を見たい。
まずL(1/2)をL(s)定義式
L(s)=1 - 1/3^s + 1/5^s - 1/7^s + ・・・
から直接に計算してみよう。
L(1/2)=1 - 1/√3 + 1/√5 - 1/√7 + ・・・ --------B
であるが、Bは交代級数であり且つ項の大きさが徐々に小さくなっているので、確実に収束するのであるが、
しかし収束性が極端に悪く、1万項付近で
9997項まで=0.67122752・・
9998項まで=0.66415557・・ 9999項まで=0.67122716・・ 10000項まで=0.66415592・・ となり、なかなか収束しない。Excelで計算した。
さらに、1億項の付近でも
99999997項まで=0.66772681・・
99999998項まで=0.66765610・・ 99999999項まで=0.66772681・・ 100000000項まで=0.66765610・・ となり、まだ少し振動している。交代級数であるから余計に収束の効率が悪いこともあるが、定義式のBは非常に
収束が悪いのである。なお、ζ(1/2)と違い、L(1/2)は現実的に(解析接続を経由せずに)きちんと収束するものである。
このL(1/2)の精密値は、math worldを探索しても載っていなかったので、上の1億項のものから、近似推定する。
観察より、 99999999項と100000000項を足して2で割れば精密値にほぼ一致することがわかるので
(1億項近辺では、偶数項と奇数項ではそれぞれ同じ数値が振動するばかりなので)
L(1/2)=(0.66772681+0.66765610)/2=0.66769145 -------C
と出る。
次にAまたは@の収束性を検証してみた。これは極端に収束がよい。Aの形で検証してみた。右辺は、
2項までの和=0.6538094・・
4項までの和=0.6670280・・
と、急速にCに収束していく(電卓で手計算)。たった4項でこれである!Aは非常に収束がよいのである。
なおExcelで数値計算して得た次の値を利用した。
ζ(3/2)=2.612375348・・
ζ(7/2)=1.126733867・・ ζ(11/2)=1.025204580・・ ζ(15/2)=1.005826728・・
L(1/2)をまとめておこう。
次にL(3/2)を求める。「その1」で出した一般式をまず掲げる。
上式でs=3/2とすると、求まる。
s=3/2とすると、次のようになる。
L(3/2)
=(1-2^(1/2))・ζ(1/2)・(π/2)^1 /1! - (1-2^(5/2))・ζ(-3/2)・(π/2)^3 /3!
+ (1-2^(9/2))・ζ(-7/2)・(π/2)^5 /5! - (1-2^(13/2))・ζ(-11/2)・(π/2)^7 /7!
+ (1-2^(17/2))・ζ(-15/2)・(π/2)^9 /9! - (1-2^(21/2))・ζ(-19/2)・(π/2)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------@
ζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を用いて@を変形して、整理整頓すると次となる。
L(3/2)
=-(π/2)[(√2-1/2^0)・ζ(1/2)・0!/(2^0・0!・1!)
+ (√2-1/2^2)・ζ(5/2)・4!/(2^6・2!・3!)
+ (√2-1/2^4)・ζ(9/2)・8!/(2^12・4!・5!)
+ (√2-1/2^6)・ζ(13/2)・12!/(2^18・6!・7!)
+ (√2-1/2^8)・ζ(17/2)・16!/(2^24・8!・9!)
+ (√2-1/2^10)・ζ(21/2)・20!/(2^30・10!・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------A
さて、収束性を見たい。
まずL(3/2)をL(s)定義式から直接に計算してみよう。すなわち、
L(3/2)=1 - 3^(-3/2) + 5^(-3/2) - 7^(-3/2) + ・・・
であるが、Bは交代級数であり且つ項の大きさが徐々に小さくなっているので、確実に収束する。
100万項も計算すれば十分であり
100万項まで=0.86450265・・ --------B
となる。Excelで計算した。
次にAまたは@の収束性を検証してみた。これは極端に収束がよい。Aの形で検証した。右辺は、
2項までの和=0.8735089・・
4項までの和=0.8647351・・
と急速にBに収束する(電卓で手計算)。たった4項でこれである。一つ上での結果と同様Aは異常に収束がよい。
なおExcelで数値計算して得た次の値を利用した。ζ(1/2)だけはmath worldでの値である。
ζ(1/2)=-1.46035450・・
ζ(5/2)=1.34148725・・ ζ(9/2)=1.05470751・・ ζ(13/2)=1.01200590・・
L(3/2)をL(1/2)と合わせてまとめておこう。
次にL(5/2)を求める。「その1」で出した一般式をまず掲げる。
上式でs=5/2とすると、求まる。s=5/2とすると、次となる。
L(5/2)
=(1-2^(-1/2))・ζ(3/2)・(π/2)^1 /1! - (1-2^(3/2))・ζ(-1/2)・(π/2)^3 /3!
+ (1-2^(7/2))・ζ(-5/2)・(π/2)^5 /5! - (1-2^(11/2))・ζ(-9/2)・(π/2)^7 /7!
+ (1-2^(15/2))・ζ(-13/2)・(π/2)^9 /9! - (1-2^(19/2))・ζ(-17/2)・(π/2)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------@
ζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を用いて@を変形して、整理整頓すると次となる。
L(5/2)
=(1-1/√2)・ζ(3/2)・(π/2)
-(π/2)^2・[(√2-1/2^1)・ζ(3/2)・2!/(2^3・1!・3!)
+ (√2-1/2^3)・ζ(7/2)・6!/(2^9・3!・5!)
+ (√2-1/2^5)・ζ(11/2)・10!/(2^15・5!・7!)
+ (√2-1/2^7)・ζ(15/2)・14!/(2^21・7!・9!)
+ (√2-1/2^9)・ζ(19/2)・18!/(2^27・9!・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------A
さて、収束性を見たい。
まずL(5/2)をL(s)定義式から直接に計算してみよう。すなわち、
L(5/2)=1 - 3^(-5/2) + 5^(-5/2) - 7^(-5/2) + ・・・
であるが、Bは交代級数であり且つ項の大きさが徐々に小さくなっているので、確実に収束する。
1万項も計算すれば十分であり
1万項まで=0.94862217・・ --------B
となる。Excelで計算した。
次にAまたは@の収束性を検証してみた。Aの形で検証する。右辺は、
1項までの和=1.20189013・・
2項までの和=0.95635607・・
3項までの和=0.94935578・・
と急速にBに収束する(電卓で手計算)。たった3項でこれである。L(1/2)、L(3/2)と同様Aは異常に収束がよい。
なおExcelで数値計算して得た次の値を利用した。
ζ(3/2)=2.612375348・・
ζ(7/2)=1.126733867・・
L(5/2)をL(1/2)、L(3/2)と合わせてまとめておこう。
三つを比べると、下にいくほど、収束速度が速くなっていることに気づく。
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