■靖国神社■

中鳥居の両脇にある大きな石灯籠。歴史的経緯は別として、靖国は外観的にはふつうよりちょっとゴージャスなただの神社といった感じなのだが、この石灯籠はちと違う。修学旅行とか観光とかで訪れる人たちにはこの石灯籠も忘れずに見て帰っていただきたい。

その灯籠の六角形の台座?にあるレリーフ。向かって右に海軍、左に陸軍の「戦史的名場面」がモチーフになっている。左写真は日露戦争時、ロシアのバルチック艦隊と戦い連合艦隊が勝利を収めた「日本海海戦」の指揮を執る東郷平八郎のレリーフ。

この石灯籠は1935(昭和10)年に保険会社が献納したもの。戦後、進駐軍により軍国主義を彷彿させるものは悉く解体された中、各地の神社内の石碑などは意外によく残されている。狂信的(彼らから見れば)に戦った日本人が拠り所としていた神社仏閣から何かを取り上げるのは危険、と進駐軍その他が判断したからかも知れない、というのは私の持論。

これは第一次上海事変時、鉄条網を破壊すべく爆弾筒を抱え突撃、爆死した3名の工兵、いわゆる「肉弾三勇士」を描いたレリーフ。老若男女誰もが知っていたヒーロー、軍神達の武勲は、いまや尊敬どころか語られることすらない。

境内は都内でも屈指のお花見の名所。さまざまな露店が立ち並び、写真のこのあたりはなぜだか植木市になる。お花見の様子はこちら

「大阪砲兵工廠鋳●(造?)と刻まれた中鳥居。大鳥居は腐食が激しく昭和18年に撤去されたが、この中鳥居は当時から変わらずこの場所にある。

神門。昭和9年に完成。檜造り。扉には1,500mmの菊の御紋が鈍い光を放って取り付けられている。春は花見客と露店で賑わうが、さすがにこの門をくぐった向こうはおごそかな雰囲気が漂う。