ほんまに映るんだろうかという不安をよそに、15年もののうちのてれび様にはあっけなくプレステからの信号が表示されたのでした。以前少しだけサターンをつないでいた時はわざわざ変換器からアンテナ通してつないでたのだけど、よく考えたらビデオの入力端子につなげばいいじゃんと気づいたのはつい数日前。馬鹿です。
映ったのはよかったものの、そのうち2チャンネルのスイッチが入らなくなったりしたのはさすが15年生。当然チャンネルのスイッチはアナログ。リモコンなし。さすがにがちゃがちゃではないけれど。
ありゃ、「根こそぎフランケン」(押川雲太朗)は最終回じゃなかった。失礼しました。次も最終回ではなさそう。集中3回「ジャスティス」(高港基資)が最終回。もうひとひねり欲しいかなあ。
今回は「むこうぶち」(天獅子悦也+安藤満)がおもしろかった。競馬ねただけに「個人的には」というただし書きは必要かもしれない。馬体やイレコミ具合や踏み込みといった教科書的な意味ではなく、馬の見える人はどうやら実在します。目の光やおしりの肉づきや、あるいはもっと常人には計りがたい理屈で。
休刊の噂をよそに出ていた4号。次号予告とか巻末の笠原倫のコメントとか見るとなにやらあれな気配はあるけれど、それはともかく。
「トンネル抜けたら三宅坂」(藤代健+森高夕次)のおもしろさは、すけべ小学生+世間をいつわる先生+その婚約者なAV会社専務+どこかトロそうなAV女優…と登場人物がいちいちひとくせあるあたりなのかな。そいでもってアクションが派手だから見てて楽しい。青年誌がゆえによりシュールでブラックな味わいの「アストロベリー」(金田一蓮十郎)、「清純派コミック」という目次欄のあおりはさすがに違うでしょう。そもそもこのタイトルどういう意味だ。
読切で「C−mode」(永野あかね)が掲載。このひとのまんが、ひょっとしたら初めてみるかなあ。絵はわりと好み。おはなしはH系コメディ。
かじりはじめたperlを使って、日記のインデックスを吐き出すスクリプトをごにょごにょと。こりゃ便利だ。何が便利かって自分の好きなようにいじくれる(当たり前だ)。好きな結果が出力できる、では決してないのもまた当然として。
こういうことするのは、むかしほんの少しだけawkを使って以来。その前はポケコンで少しだけbasic。なんか目的を果たすとすぐ放擲するから、いつまでたっても覚えないのでした。
特別編で完結の「超・学校法人スタア学園」(すぎむらしんいち)。意外なほどきれいなしめくくり。6年間お疲れさまでした。
4号集中でスタートした「L・Pアラシ」(能田茂+天王寺大)は、ひたすらつっこみを入れながら読むのが正しい読み方と見た。初回は7回。いつのまにか定着した「すべてに射矢ガール」(ロクニシコージ)に続いてみんなが(みんなってだれだ)息をひそめて観察しているのは、たぶん「柘植文の全力!かちわりホームラン」(柘植文)だろう…というのはうそ。このふたつは系統違うや。どっちかというと系統図上はかたぎりわかなにさかのぼるかな。いや全然作風は違うけど。今号は3個所に載ってます。
おや今号は読切が載ってない。えんえんと下ネタ寄り駄洒落を連発する「メグミックス」(倉島圭)、最初はなんじゃこりゃと思ったけどなんだか最近洗脳されてきているような。いかんいかん。その前に載ってる「恋愛ジャンキー」(葉月京)もいつの間にか毎回読んでいる。絵が好みをそれほど外れていない、というのも大きいか。
こみちあは楽しうございました。あ、こみちあ行っててよかったというような収穫もあったし。こみちあ後のいつのまにか飲み会になってた食事も楽しうございました。飲み過ぎたけど。
ビジュアルノベルシリーズ第2弾で、先月やった「雫」と同形式。買ったのはこっちのほうが少しだけ先だった。
こちらは雰囲気的には日本的伝奇ものといったところで、好みからいえば「雫」よりこっちかな。前作ほど絵が気にならなかったし(これは慣れただけかな)。一本一本のシナリオがもう少し長いほうがいいかなと思ったけど、全体的にはけっこうおもしろかったと言っていいでしょう。ただ、最後にUFO飛ばして伝奇SFにしちゃったのはどうだったかなあ。道具立てとしても違和感あったし、全体のしめくくりとしても、登場人物たちのためにはすんなりハッピーエンドにしてあげればよかったのにと思ったです。
「青空」との類似はそれほど感じなかった。正確に言うなら、細部での類似はあったけど大きく見れば似ていないと思う。同じマルチエンディングでも、こちらは謎解き部分からぜんぜん別の結末だし。はてどれがほんとうの結末なんだろ(あるいは、ほんとうの結末にしたいのだろう)ととまどうくらい。やっぱり最後に持ってきた初音シナリオなのかなあ。
「雫」もそうだったけど、おまけシナリオ(柏木家の食卓)はおかしかった。あくまで本編の登場人物の位置づけがあってのおかしさだから、このタイプで単独のゲームを起こすのはむつかしいかな。でも、そういうのがあったらやってみたいかも。
しまった外した。この本の善し悪しとは全く関係なく、この手のこまっしゃくれた女の子が主人公のおしゃれまんがは合わないのです。読んでいて本に申し訳ないと思うくらい。も少し確かめてから買えばよかった。
「サークルコレクション」(小坂俊史)の欄外コメントに笑う。このひと、いまわの際にギャグ飛ばすタイプだな。すばらしい。
「ラブミーてんだい!」(有間しのぶ)が毎回楽しい。男女的少女・ゆゆこのキャラがたってる。このひとの絵は基本的に好き、というのももちろんある。「Xmas珍プレー好プレー」(日高トモキチ)が何号か前の結婚ネタほどおもしろくなかったのは、クリスマスは結婚(式)ほどフォーマルなものではないからに違いない。フォーマルなイベントほどなんか起きるとおかしいのだ。バラエティよりもニュース番組とか。不謹慎ながらお葬式とか。
「エブリデイズ」(長崎さゆり)は今回は老いらくの恋。こういう題材もこなすのね。単行本に渋い竹書房だけど、これは切に単行本化を希望しますのことよ。どこかほかの出版社からでももちろんOK。
気がつくと、夜がずいぶん静かになっていました。もうすぐ冬。
こみちあ前夜ということで、サークル配置をチェックする。こりゃ買わねばならぬ的サークルが8つ続いているところがH列方面に2個所もあるのはなんでだろう。配置図にサークル名が狭くて書き込めないぞ。これだけ固まってると書き込む必要もないが。
リニューアルして平とじに。平とじは中とじよりずっとばらしやすいうえに積みやすいので、個人的にはうれしい。
2号前に読切で登場した「レンラルラバー」(中田ゆみ)が連載化。設定的には読切向きかなと思わないでもないけど、どうやって話を広げていくか楽しみ。このひと、ひょっとして連載は初めてかな。新連載はあとふたつ「LOVE GAME」(大島永遠)と「マジカル▼ふにゃっと」(小石川ふに)も始まってます。
女の子はどうしてじぶんが太ってると思うんでしょう、な読切の「ぷにふに」(久藤清雅)。かわいい目の絵とほのぼの目な内容が合っていてなかなかいい感じ。ストライクゾーンだったら高めでも低めでも気にすることはないと思うけどなあ。やわらかいほうが気持ちいいし。あれ、デブ専ってひょっとしてそういう理由なのかな。読切ではもうひとつ、「PERFECT」(電光石火轟)が不必要に熱血でおもしろかった。これ読んでいちど原哲夫のエロまんがを見てみたいような気がしたり。
「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)は今回特別編というか縮小編というか4ページ。代わりに載ってる読切「八月の約束」はたぶん再録。ほかに「CITRON」(すえひろがり)「REFRESHMENT」(まぐろ帝国)「わらべうた」(鬼魔あずさ)「フィフティー・ストーム」(単ユキモト)「太平洋沖伊良湖水道漂流日記」(まいとしろう)と読切が5つ。伊良湖水道って太平洋沖とは言えないんじゃないかしらん。ももえはマタンゴ。ゆんゆんとか言ってるのはやっぱりあれか。
連載再開「幽玄漫玉日記」(桜玉吉)。白骨温泉はいちどスキー帰りに寄ったことがあるけど、いい感じのところでした。白く濁った湯につかってると芯まであったまる感じで。で、描かれなかったおぞましい経験はどんなだったんだろう。そういう経験はなかった、わけではないような気もする。気のせいかな。
いまさらなんだけど、「敷居の住人」(志村貴子)ってほんっとに説明セリフがないのね。実際の会話のまんまのセリフと、くるくる切り替わるシーンと。映像的と呼べるのかな。しかしちあきはちっとも幸せにならんねえ。
ゲーム専門学校ねたの「オールナイトライブ」(鈴木みそ)は今回たいへんおもしろいというか興味深い。おもしろがっている場合じゃないのかそれとも。まんがとかアニメの専門学校はいったいどうなってるんでしょう。ギャグまんがのようでギャグまんがではない「サルぽんち」(鈴木マサカズ)、これを人間版に翻案するとどうなるかと考えるとけっこうおもしろい。
読切「ミズトカゲのいる沼」(安井誠太朗)はだんだんまんが的文法を解体する方向に向かっているような。来月号で「てきぱきワーキン▽ラブFX」(竹本泉)が最終回とのこと。なんだか永遠に続くような気がしていたので不意を突かれた感じ。
「こっこさん」(こうの史代)は今回1枚絵はないけど、4ページ目〜8ページ目の雰囲気がとてもいい。どうやったらこんな柔かい線が描けるのだろう。「ひまじん」(重野なおき)は連載化した模様。不精な女の子が主人公というのはサボキャンと同じパターンだけど、明日香ほどすごくはない。ほこりが積もっていようが床が見えるし。「メールお待ちしてまぁ〜す!」(中野きゆ美)はきれいなしめくくりで最終回。単行本にはならんか…。
引き続き大統領選挙。200票そこそこで結果がひっくり返るというのはまるでフィクションのような話です。裁判官が大統領になる人間を左右するまでの根性は持てないから、やりなおし選挙はないらしいけれど。どっちみちこうなると裁判沙汰必至だろうから、大統領不在もありそうな展開。
そういう点では日本の首相は任期が決まってないから便利(?)だな。こっちはこっちでクリントンとどっちが先かという雰囲気もただよい出したけど。
短期集中での新連載、「Girl」(氷室芹香)が巻頭。もてない少年meets家出娘という典型的なパターンながら、きつい感じの家出少女の表情がちょっといい。おもしろくなるといいな。
「ベルセルク」(三浦建太郎)はモズグスが斃れたあとの、祭の後始末。圧倒的に迫る闇を前に活路を探す登場人物たち。夜が明けたときに彼らはどうなっているのか。どきどきします。「拳闘暗黒伝セスタス」(技来静也)はひとくぎり、しばらく休んで来年3月から新章とのこと。「夢の掟」(山本貴嗣+真刈信二)が最終回。
「ハネムーンサラダ」(二宮ひかる)は…つまり、人との距離の取り方がとても不器用な一花と、相手の不器用さに気づかないみのりと。ようやっとふたり、おたがいに気がついたのかな。それはそうと遥子は何たくらんでんだろうというか、どうしたいんだろうというか。こっちのが根が深い、かもしれない。何も考えてないということは、たぶんない。たぶん。
「ああ!21世紀警備保障」(田丸浩史)が特別編的単行本広告で2ページ。そうかダイ・ガード3巻に収録されるのか。買わねば。
新連載「アルジェントソーマ」(現津みかみ+矢立肇・片山一良)はアルプスの少女ハイジかと思ったらロボットもの。現津みかみはいちど萬福星で見かけてけっこういいなと思った記憶があるけど、原作付きのこれはさてどうでしょう。「NieA_7」(安倍吉俊+jk)はラブなんだかラブではないんだか、最近ややシリアスな表情の多いまゆ子です。貧乏でろくなことがなくてあほな宇宙人と一緒の楽しい生活は、あたりまえながらいつまでも続くわけではなくて。このまんがの着地点はそのあたりなのか、それともおじいさんとおばあさんはいつまでも幸せに暮らすのか。
読切「如月雪乃商店」(イサカミナミ)は、人形屋を営む女性が主人公で、人形といっても動くししゃべるしピノキオみたいなもんです。ほのぼの系ファンタジーかと思ったら、主人公は人形のひとりにぞっこんで、人形はでもそうではなくて、回収された壊れた女性型の人形と仲良くなって、そして。身もふたもない上にあとくちの大変よろしくないラストは、とりあえず印象に残ったのは確かだし、いったいほかにどんなの描くんだか見てみたいとも思います。ほかに「GUNDOLLL」(藤岡建機)が読切で掲載、「真・魔法少女リディアちゃん」(天津冴)は読切なのかシリーズ化したか。
来月から岩原裕二の新連載が始まります。今度はオリジナル。楽しみに待ちます。
クロノにモンコレにファントムウィザード…のうちクロノクルセイド(森山大輔)が今月はお休み。たいへん救いのない展開が続いてたファントムウィザード(大森葵)、転機が来たようです。特にキシルがらみで、いままでたくさん引っぱった伏線をどう使っていくかがみもの。だけど展開が変わったとしても、この先この兄弟が幸せになる日がくるんだろうか。日は差しても晴れる日はこないような。いっぽう「モンスター・コレクション」(伊藤勢+安田均)はあいかわらずあっちこっちギャグだらけながら、主人公が圧倒的な力を持つ相手と対峙して、おはなしそのものはひとつの山場。この話、というよりこのひとのまんが、合う合わないはかなりあるだろうなあ。いっそのことギャグで押したほうが一般性は高くなるとは思うけど、シリアスでこれをやるのが持ち味だからなあ。
ゆっくり話を動かしている「テスタロト」(三部敬)はまだ導入部。この先、もう一人の少女が出てきたところでようやく本格始動でしょう。少しずつおはなしの骨格は見えてきたような気がするし、これならおもしろくなるかと期待もしてます。「タカハシくん優柔不断」(新井理恵)は読むとたいへんいやな気持ちになれるまんがになってきました。主人公はだめだわ、相方は感情を発散できないわ、トリックスター役の少女は天動説だわ、主人公の友達はあほだわ。そのうえ作者の悪意までにじみ出てくるわ。ダウナーです。ほかに読切後編「御手洗大学実践ミステリ倶楽部(推理編)」が掲載されてます。
池部ハナ子が5ページまんが「蛙の王子様」で新連載。エロ。このひとのエロは好きなんでうれしいです。読むところが増えた。
アメリカ大統領選挙、フロリダの再集計結果がひっくりかえってたらいったいどうするんだろう。やりなおし選挙とか、ありえるんだろうか。
「オーダーメイド」(高梨みどり)は今回は花梨はわき役。スーツもわき役。もうすこしスーツの話を前面にだしたほうがおもしろいかなあ。ひさびさ登場の「黒鉄」(冬目景)、今回は前後編だそうです。前編は主人公より丹のほうが活躍。
なるほど。こりゃ評判になるわけだ。引き続き先へ。
ある種リトマス試験みたいなまんがではある。それも酸性/アルカリ性を判別するだけではなく。まるちぷるリトマス試験紙。
この作者の本は初読なのです。本自体見かけたのがこれが初めてで、いままで縁がなかったといえばいえるかもしれない。「梅田地下オデッセイ」というタイトルとペアで、作者名だけはずっと前から知っていたのだけど。
12編収録の短編集であるこの本、基本的には宇宙SFというくくりでいいのかな。それもロマンあふれる宇宙というよりはもっと無機質な、物理法則に支配された。それでいて既知の法則では説明のつかない不思議な現象が起きて、その原因を調査におもむくというのが、おはなしのひとつのパターンになってます。
共通しているのが、情報省という組織の存在と、サイボーグとなり常時データベースにアクセスできる情報管理官という人間の登場。彼らの外見や印象や、データベースアクセスの範囲外である調査先で見せる人間的な反応がわりとどの話でも似ていて、それが難と言えば難かな。まあ長期にわたって続いた連作短編だから、それはしょうがないのかもしれない。そもそも自分にもっと科学知識があれば、そういうことは気にせず楽しめたのかもしれないし。たぶん、そっちに詳しい人のほうがより楽しめる本だと思います。
最初の短編が1970年に書かれたことを考えると、情報省及び情報サイボーグをめぐる記述があまり古びて見えないのはたいしたもんでしょう。かつ2000年に発表された最新作にいたるまで、内容にも文体にもぶれがないし。硬質な文章とあいまって、読んだ感触自体は古き良き時代のSFという感じで、こういうのはこういうのでけっこう好きです。
ネットをうろうろしているうちに勃然とガンパレードマーチがほしくなり、電気屋に駆け込むも発見できず。プレステを買う前にプレステソフトを買うという不測の事態は避けられた。まあどっちみち、いったんこういう形で火がついたらいずれ買うのですが。
それはいいんだけどPS1買ったもんだか、PS2にするか、それともbleemにするのか、どれ買ったもんだかわからんです。小柄な機械は好みなんで、PS1にはかなりひかれるのだけど。いまさらあえて買うのもという気持ちもあって。
なんだ、まだニシヲさんじゃん。おれの勘違いか。失礼しました。
「ブタ島Go to 70」(星久治)の平均値理論が異様に気になる。気にはなるが、これ字牌はどうすんだろ。ノーカウントか。まんがでは久々登場の桑木みき「南ウイング」は意外やシリアス。どっちも描けるという意味で有元美保と同じような存在になっていくのかな。しかしこの一見冴えない主人公は異色。連載2回目「ムーンダスト」(木村直巳)は引き続きリアルワールドで展開。今回はそっちで押すんだろうか。いやまだ油断ならん。
読切「束〈ズク〉」(張慶二郎)は最後のどんでん返しが鮮やか。「極道パパ」(沖田龍児)がシリーズ連載化。新連載「まんツボ」(おおつぼマキ+福地誠)は半分フィクションまんが、半分麻雀学習まんがになりそう。この手ののーてんき女を描かせるとうまいなこの人は。
あ、あと読切4コマ「とってもメンバーガール」(重野なおき)が載ってる。麻雀4コマとしておもしろいかはともかく、このひとの絵はやっぱり好きなんだよなあ。發は書けませんでした。というか雀牌の發ってるまたじゃなくって下が矢なんだ。初めて気づいたや。
新横浜で大戸屋発見。続いて伊勢佐木町でも発見。むかし池袋東口にあった店に何回か行ったことがあったけど、10年ぶりの大戸屋はずいぶんメニューが増えて立派になってました。外食のバリエーションが増えてとりあえずうれしい。
土田世紀が野球まんがな新連載「月球」。そういえば野球まんがは描いたことなかったかな。規格外の人間を描くのがうまいひとだから、野球まんがは合ってるんじゃないだろうか。舞台は定時制高校の野球部。とりあえず、すべり出しはいい感じです。
新連載2回目の「コンパレ」(むとうひろし)はまだ先行きがわからない。とりあえず喧嘩は強そうな主人公2人組が、ヤクザ社会でのしてくるのか。それともなんだか全然別の展開になるか。いきなり新キャラがぞろぞろ出てきた「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)、このとんでもねえ女子はいったい何者。オズはとうとう犯罪者扱い。おまえ主人公だろうそんなことでいいのか。というかいつになったら跳ぶんだ。短期集中「ハウスボウラー」(タイム涼介)はとりあえず最終回。隔月連載だった「江戸川キング」(吉田聡)も最終回。
岩明均「剣の舞」全5話125ページがコアになってる増刊だけど…これ、単行本にしないつもりかなあ。そんなもったいないことが許されていいのか。「雪の峠」と合わせて本にしてくれ。どこでもいいから。
このひとの描くまんがはどんどんスケールが小さくなってきてるのだけど、たぶんあえてそうしているのだと勝手に思っている。人類の敵でなく一人の少女の敵でも物語が作れるのを示す、というより、そういう話をむしろ描きたいのだと思う。思い起こせば「風子のいる店」だって小さな話だったし。
スケールが小さいから一般受けはそれほどしないかもしれないけど、逆にそれゆえにこの少女のごくありふれた物語が、見事なエピローグになっている疋田文五郎の逸話とともに、読むものにストレートに伝わってくる。地味なところはあって見過ごされがちかもしれないけど、読みさえすれば、かなり一般性が高くおもしろいまんがなのだ。だから単行本〜。
ほかに読切が何本か。そのなかのひとつ「200000歩2夜3日」(板垣恵介)は自衛隊時代の自身の体験を描いたノンフィクション。おれはこういう極限体験ってないんで参りましたとしかいいようがないか。もひとつ「湘南ボオル」(芦田健)はデートに燃える少年を、勝負事に燃える相方が邪魔をして、さらにデート相手がそれにのっかって全部ぶちこわし、という話。ラストのひとコマがつぼに来てやたら笑いました。天真爛漫というかのーてんぱーに近い由美さんがたいへんかわいい。この作者、連載させたらいい仕事すると思います。ぜひどこかで読みたい。
「クーデタークラブ」(松本光司)第二部開始。しつこいくらいの心音描写と、ウニのように集中線がひっついた内心セリフは、すでに持ち味として確立してます。さてこの先、おはなしはどこへ進むか。井上三太が前後編の前編「TOKYO DRIVE」を描いてるけど…絵、変わったなあ。変えたのか。
生まれて初めて買う。月刊少年マガジンはまだ買ったことない。月刊少年ジャンプは、たぶんむかし1回くらいは。増刊サンデーは…初めて定期購読した雑誌でした。
なんとなく新聞広告で見て気になってた読切「空には天使たちが」(マルモトイヅミ)をチェックしようと手にとって、目にした第一印象は「あ、似てる」。「似てる」がだれに似てるかしばらくわかんなかったのだけど、どうやらかがみ あきらにちょっとだけ似てると直感したようで、買って読んでみた感じではこの直感ははずれてなかったみたいです。絵だけだけど、ほんとにちょっとだけだけど似てる。このトーンの使い方はけっこう好きだな。おはなしのほうはなんてことはないアイドルグループ+探偵ものと見せて、最後はけっこうシビアな締めくくり。この終わり方も悪くない。名前を覚えとくことにします。
ラインアップを書いておくと、
こんな感じ。原作が原作なんで気になってた「タオの緑」は、どうやら極めてまっとうな少年まんがになりそう。しっかりおもしろいのはさすが。「未来人間GO GO GO」は絵で判断するかぎりでは古谷実フォロワーといっていいかも。
「花右京メイド隊」はこれもしっかり少年まんがしている、メイドさんたくさんまんが。おれこのひとの以前のまんが、音には聞けど読んだことがないんだよな。斉藤むねおは初めて読んだのが増刊サンデーに載ってた「劇団ING」だったから、もう14年も前になるのか。息ながくがんばってるなあ。斉藤むねおはチャンピオンで、森真理は4コマで、天獅子悦也は麻雀まんがで。みず谷なおきは夭折して。三鷹公一はいまでもこどもまんが描いてるんでしょうか。
新米の季節。お米がおいしい。日本に生まれてよかった。
これはまたやたらと文字の多い。ゲームのほうもとにかく文章量が多かったけど、ビジュアルブックって標準的にこんな読むとこ多いもんなんだろうか。こういうの買ったの初めてなんだけど。
ビジュアルブックだけあって、もちろん絵のほうも、ラフ画を含めてたくさん載ってます。制作サイドが原画者(たかみち)の持ち味をどうやって生かすか苦労した経緯などが書いてあって、あれだけ絵が生きたのは原画者の力だけではないのだなと悟った次第。文章は文章でおもしろいことがいろいろと書いてあったけど、一番印象に残ったシナリオ担当(鷹取兵馬)の発言だけ。
「僕は『菫画報』が好きなんですよ。あのヒロインが面白くてかっこよくて好き嫌いが分かれちゃうと思うんです。」
(48ページ)
こういうことを前置き説明なしで書かれると、このゲームに手を出す人は菫画報くらい知ってるだろうということなのか、それとも両方のファンがある程度かぶってると想定しての発言か、
いったいどう解釈したもんだか迷ってしまいます。念のため書いとくと別にこのゲームにスミレみたいなキャラが出てくるわけではないです。スミレでエロゲーっつうのも、それはそれでどんなものができるやら、こわいもの見たさ半分で見てみたくもあるけれど。
とりあえず、ファン必携。やったことない人は読むもんじゃないでしょう。読んでもしゲームがやりたくなってしまったら、ああゲームやってから読めばよかったと後悔すること必至だから。
ねこみみ少女の吸血鬼もの、ということになるかな。個人的にはこのまんがの、どこか静かな雰囲気が好きで読んでます。
初単行本が初単行本だったし色眼鏡で見られる要素てんこもりな作者だけど、一本一本の線がきれいに伸びていて、こういうきれいな線はかなり好きだし武器だとも思う。「お気楽極楽ノストラざまス!」は途中でややおはなしの行き場をなくした感があったけど、こちらは今後どういうふうに展開していくか。うまくまとまることを祈ってます。
叫ぶ怒鳴るにらむわめく、あげくに机ぶったたいて「ふざけんなバカヤロー!!」。ああもうあたしは佐倉さんぞっこんであります。そういうまんがじゃないのになあ。
アフター・美味しんぼグルメまんがの典型的なパターンを踏んでいるこのまんが、オーソドックスながらしっかりした作り以外にひとつ長所をあげるなら、ものごとを善悪に分けようとはしてないことでしょう。ついでに商売としてのラーメン屋、という視点が定まっているから、どんなにおいしくても商業ベースに乗らないものは是としないし、安くするためにある程度材料を落とすことも直ちに悪とはしない。制約の中でどうベストをつくすかという構造が、共感しやすく読みやすいまんがになっているひとつのポイントかな。
でも買って読んでるのはやっぱり佐倉さんあればこそかなあ。そういうまんがじゃないんだけど。大口あけてびっくりしてる顔がまたいいなあ。
やっと、やっとこさ読み始める。10周遅れのレーサーというか、60馬身出遅れたジョッキーというか。でも始めないことには先に進まない。とりあえず2巻まで読んで、引き続き先へ。
久しぶりにビックカメラで買物をしたら、「1年間ポイントカードを使ってなかったので、のこっていたポイントはゼロクリアされました」と言われる。そ、そんな。数千ポイントはたまってたのに。
懲りたのでこれからはためずに使うことにしよっと。これでヨドバシのポイントまでクリアされたら泣くに泣けない。
家PCにDVDドライブを入れたのでそのチェックに、という言い方は正確ではない。チェックを兼ねてなにか見ようとれんた屋さんで物色してたらこれをみつけたのだ。もう十年ぐらい前、深夜映画でやってたのを途中から見て、悲しい出来事の連続なのに奇妙なほど明るいラストがたいへん印象にのこっていた映画で、いつか一度ちゃんと見ないととずっと思っていた。なぜそれほど強い印象を受けたのか、その理由を知りたくて。
で、今度は最初から最後まで見たけれど、理由はちっともわからなかった。この映画にはたぶん、おれごときには簡単に解けない魔法がかかっているに違いない。十年前と違ったのはラストで受けた印象で、決して悲しいできごとだけだけではなく、清水義範風に言えば「いろいろあった」それまでを受けて、また生き続けていく(keep passing your open windows)しかないんだというラストに、今度は危うく涙するところだった。それだけこちらが年をとったということか。
たぶん十年後にこの映画を見たら、また違う印象を受けるのだろう。であればこれ、手元においておかないといけないのかもしれない。十年後に探し回らずにすむように。
この手のキャラクター4コマには、どのキャラクターが一番好きかという質問がついて回るけど、いちおう一番ながめてて楽しいキャラクターは大阪かもしれんとは思うけど、むしろおれ、とももちよちゃんも榊さんも水原暦も大阪も、ゆかり先生もにゃもも神楽もかおりんもついでに木村の嫁さんも、全部ひっくるめて好きです。いやほんとに。見てて楽しいんだもん。
見てて楽しいもんだからゆっくり読んでしまい、えらく読むのに時間がかかった。ついでに読み終わって立とうとしたら体がこわばってるくらい熱中してるし。一種のファンタジーまんがには違いないけど、絶妙の間の取り方や表情の描きわけも含めて、やっぱりこのまんがめちゃくちゃおかしいです。
最終ページのこういうタッチの絵も好きだなあ。最初と最後、どっちも大口あけて寝こけるゆかり先生でした。
今年の夏前に刊行された「キノの旅」の続刊。二輪車に乗って旅をする主人公の、訪れた国々でのエピソードを綴った連作短編。国といってもひとつひとつの規模は小さく、城壁で囲われた都市といってもよいかもしれない。大くくりしてしまえば異世界ファンタジーということになるだろう。
この小説、いろんな意味であまり読みやすくはない。登場人物たちの内面に立ち入ることを慎重に避けた文章は、そのためにわざとこういう文体にしているのかなとも思うけど、控え目に言って読みやすいとはいえない。それでは小説の内容、エピソードは楽しいかというと、あまり楽しくない。暗くはないが、明るくは決してない。登場人物たちは生き続けるよりもむしろ、ときにはあっけなく死ぬ。主人公がかわいかったりおかしかったりすることもない。怜悧という言葉がたぶん一番あてはまる、一人で生きていくことに懸命な、一人の人間。性別すら明らかにされないまま、ひとつのエピソードが終わることも多い。
そんな話のどこがおもしろいのかと問われたら、おもしろくて読んでるんじゃない、好きだから読んでるんだと答えるしかないかもしれない。冷徹でときにシニカルな主人公は、だけど冷徹でシニカルなだけの人間だというわけではない。うれしいことがあれば喜ぶし、腹が立てば怒りもする。でもそれをおもてに表わし、はしゃいだりどなったりはしない。悲しいことがあれば悲しむけれど、涙を流したり嘆いたりはしない。ただ天を仰ぐだけ。そういう主人公の特徴は、そのままほぼこの小説にもあてはまるといってもいいかもしれない。ろくでもないことの決して少なくない世界を、善悪も禍福も定めずに淡々と描く。その筆致と主人公の個性にひかれて、この小説を好きだと思うのだろう。
白状すると、表紙・イラストの黒星紅白の絵が、この小説の印象に寄与した部分はかなり大きい。なにせコミティアで1500円のマウスパッドを買ってしまうくらい、このひとの絵には弱い。でも購入動機のうえで表紙の絵が大きな役割を果たしたとしても、それはあくまで第一印象で、総体の印象は小説の内容によるところが大きい。でなきゃ続刊なんか買ってない。
おすすめかと聞かれたら、はてどうだろうと少し躊躇するかもしれない。でも3冊めが出たら買うかと問われたなら、そりゃもちろんと答える。自分にとってはそういう本。
ありゃ、らいだ・ゆずじゃん。ということで第2回新人漫画大賞佳作の「進め!地球防衛OL」(新居さとし)は、2編とも「エヴリディズ」に収録されてます。これでいわゆるコミティア系作家の掲載は4組め。願わくは次とさらにそれ以降が掲載されんことを。つうわけで来月号に柳沼行が載るのはうれしいです。
新連載「雲のグラデュアーレ」(志水アキ+木原浩勝)は飛翔感あふれる楽しい1回め。作画のひとはバーズで「夜刀の神つかい」の絵を描いてるひとだけど、そうかこういうまんがだとこういう絵を描くんだ。これは先が楽しみ。そのほか読切で「薔薇螺子魔術」(大沢美月)と「Return3」(守安啓行)が掲載されてます。
さんざん飲んだあとにジンに手を出すのは、酒飲みとしてはあるべき姿かもしれないけど、人間としてあるべき姿かどうかはよくわかりません。その前はいいちこだったような気もするけど、よく覚えてません。八海山と舞姫を飲んだような記憶もあります。
目の前の人に飲まれると自分も飲みたくなるのは酒飲みの性とはいえ、もう少し翌日のことを考えたほうがいいような気もします。今のところは気がするだけ。たぶん明日は、もっと深刻にそう思っているに違いありません。
巻頭フルカラーの4ページ「ろか」(OKAMA)。3秒ルールの正当性について描いたまんがです。というのはうそだけど、全くうそでもない。自分の手と同様、好きな人の手に触れたものはきたなくなくなるという、そういうおはなし。カラーなので妙なリアルさが。
「エヴァーグリーン」(米倉けんご)はたいへん厳しい展開。背負うつもりがあろうがなかろうが、自分の行動には責任がついて回る。背負う覚悟でいなければ潰されるだけ。ホテルに呼び出されて暗闇のままでという「見えない世界」(陽気婢)は大変にすけべえであります。かつ他者との交流をどこかで制限しようとする意志も見えて、なるほどこのシリーズ「内向エロス」と銘打たれているわけだ。
「とおくしづかなうみのいろ」(三浦靖冬)は前中後編の完結編。閉じた世界の悲しい話でした。これだけの絵をどう生かしていくか、今後が楽しみ。「ガールフレンド」(夏蜜柑)は女友達が好きな女の子の内面のはなしで、相手の言動に振り回されたあげく独り相撲に気づく展開は切ない。かつ、その切なさを売り物にしない描写は気持ちがいい。この設定は珍しくないけど、この終わり方はあまりないかも。「ZODIAC LOVERS」(B.たろう)はたいへんかわいい絵でおとぎばなし風。「ファンタジア」(神寺千寿)はお姫さまが町で見かけて気に入った男を監禁して、監禁した当人ではないように振る舞って、…最後はギャグでした。黄金分割風にどんどんコマが小さくなっての終劇という手法、いつごろから広まったのかな。町野変丸の毎号読切、今月は「マスクマン兄」。なぜマスク。
それなりに睡眠はとっているのに、今週は午前中に睡魔に襲われる。今日などは目を開けているのもつらい状態で、パソコンの前に座りながら何度も意識が飛んで、そのたびに変な夢を見る。いっそトラブルでもあったほうが目が覚めてよいなどと思ったところに電話が一本。罰当たりなことを考えると、ちゃんと罰が当たるようになっているらしい。
最初のページを開いて、文字でびっしりなのにまずびっくり。読み始めてその文体に二度びっくり。通常考えられる小説の文体とはかけ離れていて、論文に近いかと思ったけど、論文や記事ですらもっと記述者の主張や熱が込められている。一番近いのは報告文かもしれない。それも社会的なルポルタージュではなく、起きたことをそのまま書き留める冷徹な報告文。
最初の2短編はそういう調子で書かれていて、にもかかわらずこれは間違いなく小説だし、しかもおもしろい。それは決して内容がおもしろいから報告文体でもおもしろいということではなく、よく考えてみると現実ではありえない内容と、下手すると読者にノンフィクションと信じさせてしまうような文章の、その配合の妙でもあると思う。たとえば電撃文庫とかスニーカー文庫とか、徳間デュアルや他のハルキ文庫やハヤカワJAあたりの、自分がよく最近読んでいる小説をおもしろいと思う人が、この小説をおもしろいと思うことの一般性がどれぐらいあるかいまひとつ自信がないけれど、少なくとも自分はどっちもおもしろいと思ったのは事実。
後半の2短編は前半ふたつに比べると一般的な小説のスタイルをとっているけど、決して熱を帯びない文章には変わりはない。世界がいつのまにか変容し主人公を取り込んでしまう、そんな内容のこの2編も、同時期にハルキ文庫で刊行された他の小説とはかなり異質で、乏しく偏った自分の読書歴から、文体の差異を無視して同質のものはと考えたら、芥川龍之介とか椎名誠とか山野浩一とか、そういう名前が浮かんできた。芥川は河童や歯車あたりのイメージから連想されたらしい。
細井さんのたぶん読書日記をきっかけに買った本。いろんな意味で、かなりおもしろい本だと思う。
ダイエー・湯上谷引退。大型内野手だった星陵時代もおぼえてるけど、デビューして間もないころ、あまりのザル守備にファンを嘆かせつつも愛された当時が懐かしいです。怪我のせいもあって後年は控えに回ることが多かったけど、全盛時の3年連続フル出場は立派な記録。長い間お疲れさまでした。
おもしろいなあ、「カバチタレ」(東風孝広+田島隆)。迫力では一歩譲るとしても、エンターテイメントとしてはナニ金より上かもしれない。「ジパング」(かわぐちかいじ)も今のところ好調。ただこの手の話、前半より後半のほうが難しいのだよな。
主人公が乱射されてる「ルビー・ザ・キッド」(木葉功一)。次号は涙の暴走だそうだから、ショットガン2回食っても全然OKなんでしょう。もはや不死者か。競馬ものということで注目してた「走れガバチョ!」(幸野武史+七三太朗)だけど、競馬でマークはないでしょう。競輪ならともかく、他の馬の真後ろにつけたら泥かぶるし前がバテてさがったら危ないし、だいたい普通の馬はいやがると思う。そもそも自転車みたいにひっついて風圧よけに使えるでもないし。
「リーマンギャンブラー マウス」(高橋のぼる)は今度はまぐろ子のピンチ。あたしゃ一瞬男体盛りかと思ってどきどきしてしまいました。そうですかやっぱり男じゃだめですか。64ページの長編読切「A BIG HEART」(林明輝)はきっちりしたボクシングまんが。主人公が途中から入れ代わってるような気がするけど、少しいろいろ盛り込みすぎたか。焦点を脱サラボクサー・保谷に絞ったほうが焦点がはっきりしたかもしれない。でも十分楽しめました。
「マントルピースのお天気」(滝平加根)は夜景の色使いがいいなあ。四季賞募集イラストの高木律の絵もいい。好ききらいはたぶん分かれるだろうけど、この絵には見惚れます。
「根こそぎフランケン」(押川雲太朗)、オーラス8種9牌のフランケン。次回最終回。待ちます。読切で載ってる「雷蔵」(大滝鉄也)、こりゃ「親父」かなとおもったらラストで落としました。むしろ「しばいたろか」の路線か。
巻頭読切の「部長G」(松浦聡彦)。おもちゃ屋にあこがれて小さな会社に入った女性、だけど上司の部長はゴリラだった…というおはなし。ゴリラが王子さまに変身したりせず、そのまま押し切ったのが成功でしょう。なんにもしないで責任もって座ってくれてる上司のほうが、あれこれしたがる上司よりよっぽどいいという、深刻な真実が実は内包されたおはなし。とほほ。
連載再開「山の家」(西原理恵子)、再開と同時にひとくぎり。シビアです。次号からどう展開するんだろう。山口かつみが野球ものという前後編の前編「豪速球レクイエム」、崎村=沢村、東村=西村、吉村=吉原はわかったけど名古屋の前園はわからない。名古屋の戦没者では、特攻機に乗る前に最後のキャッチボールというエピソードをのこした石丸進一が選手としては一番有名だけど、あれはピッチャーだし。こういうまんがが出てくるということは、作者はけっこう野球好きなのかも。
「はあ、そうですか」と101ページでおもわずつぶやいてしまった「Heart Walker」(山田たけひこ)。まんがと作者はごっちゃにしちゃいかんのだろうけど、これに限っては、というかこのひとに限っては、ほんとに好きで描いてるとしか思えない。異常な迫力がこもってます。
タイトルのナイトはいちおう騎士だけど、ダブルネーミングにもなってる模様。
文章はしっかりしてるし、読者を引き込んでいく手際もちゃんとあると思う。ただ、キャラクターを前面に押し出したこの手のおはなしで、キーパーソンの一人に拒否感を覚えてしまった時点で、読者として不適格だったということでしょう。元気少女は原則的に好きなはずなんだけど、自分の欲求のままにしか動けなくてかつそれを自覚してないキャラクターって、まるでだめみたいです。読み終わったら胃がおかしくなってたというていたらく。なんかトラウマでもあるのかもしれない。
それなりによくできた小説かなあとは思うけど、そういうわけでなんとも言い難い状況です。残念ながら。