寒い。今週も曇りばっかり。散歩日和の続く日本の秋はいったいどこへ。夏−曇り−冬などという季節の巡りはいやだぞ。
いよいよ最終回の「超・学校法人スタア学園」(すぎむらしんいち)は…終わってないような。このあと特別編があるらしいので、そこでラストか。それともこのまんがのラストはこれでいいのか。
はて予告に載ってたっけ的不意打ち掲載「しあわせ団地おっぱい牧場」(蓮古田二郎)は…侘しい。いつもにも増して。夫が他人の母乳を20万で買う。爪に火を灯してためた20万。キュウリはやめたほうがいいと思う。まだしも小麦粉。
最近はちゃんと隔月で載ってる気もする「HELLSING」(平野耕太)だけど、これは痛そう。今回インターミッションの「ジオブリーダーズ」(伊藤明弘)、このまんがのインターミッションのだらけた雰囲気は実は好き。でもだらけてんのは神楽だけか。あとはラブコメ属性の高い「朝霧の巫女」(宇河弘樹)が今回もいい。もう少し背景が欲しいかな、と思うけど。まあそれはおいおい。
おれ少女誌にうといからよくわからないんだけど、黒田硫黄はともかく、有元美保や逆柱いみりが少女誌に載ってるのって不思議でもなんでもないんでしょうか。いや個人的は載ってるのはちっともいやじゃないんだけど、でもこのラインナップは不思議な感じがする。いや、どうでもいいことなんですが。
そのラインアップはこんな感じ。
創刊号の巻頭カラーは「先生のラブ時計」で、あらまあなるほどこういう動かない話も描くんだなあ。いやいやこういうのもけっこういい感じ。気に入りました。このキャラクターたち、少女より野郎に受けがいいのではというのはいらぬ心配だなたぶん。
「おくびにもだせない」はおくて少女の、ほんとにストレートな純愛もの。この絵でこんなの描かれると抵抗のしようがない。もしかするとこのひと、なかよしあたりにこういうまんがを描くと実はぴったりなんだろうか。そういうの描きたいかどうかは措くとして。
続いて載ってる「ハイウェイがのびてくる」は…そうかこの感じですか。おれはこれが載ってるのはうれしいです。願わくはうれしがる少女の多からんことを。けったいなタイトルの「年の離れた男」、久々に見る筆まんがは愛の話でした。これはどうとらえたものか、けっこう微妙なまんがだな。とりあえず、女子高生の分際でマスで十四代飲んでんじゃねえということで。メジャーになったなあ十四代。
読む前に聞いていた、高木律が描いてるという情報と、猫又まんがが載ってるという話、たぶん今月に載ってるだろう四季大賞入選作。秋のコンテスト結果発表の1ページ目をみて、全部おなじまんがのことだったのかと悟る。そうか四季大賞だったのですか。
その四季大賞入選作「猫又」(高木律)を読み終わって頭をかかえる。おもしろかった、特に途中からめちゃくちゃおもしろかったのだけど、このおもしろさをどう説明していいか見当がつかなかったから。「猫を、耳とか付けずに擬人化したらどうだろうと思って描いたんですが、読み返してみると、あまりそこはポイントじゃなかったような気がする。」という作者本人のコメントが載ってるけど、そのとおりあまりそこはポイントじゃない。猫や犬が人間の姿で描かれてるおかしなまんがという位置には、このまんがはとどまってないのだ。
じゃあなにか。たぶん−−すごくあたりまえのことを言うようだけど、猫や犬である登場人物たちの、飼い主や仲間やかたきに対する思いが、ストレートに読む側に伝わってくるから、このまんがはおもしろいのだと思う。設定が特殊で、絵も一度見たら忘れないくらい特徴のある絵だけど、まんがのコア部分は決して特殊じゃないし、それを表現する力を作者が十二分に備えていたから、これだけのまんがができたのだろう。読んだときはその特殊さに目くらまされていたけど、とてもうまいのです。早い話が。
以前ビームで読切(回游魚)を読んだときは「変わったまんが描くひとだなー」と思ったけど、今回もその感想自体は変わらないけど、いやこれは才能だわ。これからがとても楽しみ。
以下略…は先月やったので今月はやめておく。
先月以下略の原因だった「茄子」(黒田硫黄)、今月はきれいな女性が怪しげなおっさんのところに。死ぬほど眠って帰っていく。こういう腐れ縁はまだこういう年齢に達してないからおれにはわからんのだけど、なんでおれより年下の作者にわかるのだ。許さん。次回はまたひと悶着ありそうです。
本誌では最終回の「女神調書」(小原愼司)、シーズン増刊にあと1回載るそうです。たくさんの人が言ってるのと同じことを繰り返すけど、これはこれでおもしろいけどオリジナルの新作が読みたい。読みたいぞ。「犬神」(外薗昌也)はとうとうジェノサイド。「ヨコハマ買い出し紀行」(芦奈野ひとし)はアルファさん間もなく帰郷。
「ミルク クローゼット」(富沢ひとし)はどんどん話が進んで、…いったいどこに行くんだろう。どんどんとりかえしのつかないことになっている。ひっさしぶりに二人がえんえんと話す「五年生」(木尾士目)、次回最終回だそうです。「四年生」から数えると3年間、いつのまにか長編になったこのまんがの決着は。こちらも次回最終章の「クーの世界2」(小田ひで次)ともども、来月が待ち遠しい。
集団劇「イハーブの生活」(小路啓之)はおもしろいのだけど、登場人物が多すぎてもうなにがなんだか。もしかするとそれが作者の思うつぼなのか。今はそのうち出るだろう単行本だけが頼みの綱。読切「眠り姫」(佐久間史幸)は出だしがやたらポップで、一瞬「赤い鳥」とがらりと作風変えてきたかと思ったけど、そんなことはなかった。重たいテーマを扱った力作。ラストをハッピーエンドにしたのはどうだったかなあ。そうするのなら、主人公の脳裏に浮かぶ顔を消すほかの方法を用意したほうがよかったんじゃないかと思う次第です。
なんだか分厚くなったような。フルカラーページもたくさんついてるし。まあ800円だけのことはあるというか。
この雑誌、早い話が同人誌をまとめてとじて1冊にしたような雑誌だから、同じようなまんががならんでるのをどうこう言ってもしょうがないでしょう。とはいえも少し絵柄のバリエーションが広ければうれしいのは確か。「花八代景譜」(大空とわ)と「SPYで行こう!!」(中山かつみ)と「満月の瞳」(井上眞改)という前号と同じラインアップは、個性/くせのある絵を三つ選んだといえなくもないし。あ、あとゴキブリネタの「トンデモ小悪魔トンデ☆コマ!!」(パニックアタック)が他愛なくも楽しかった。
1号買い逃して4ヶ月ぶり。「名探偵ドイル」(篠房六郎)はこれは前から続いてるんだろうか。次回は殺戮編ですべての問題が大解決するそうな。どう解決されるか、なんとなく想像がつくようなつかないような。
あとは救いのない暗黒系の「Waiting for the Dawn」(月野定規)前編と、まいどのことながら「Body Language」(けろりん)。1ページ目など見るにこのひとはかわいい娘まんがも描けそうながら、あえてそちらに行かずにこういうの描いてるのかもしれない。
やー、よいなあ。なにがなんだかわからないけど、よい。こういう天才の所業はここがいいとかわるいとか感じるいとまを与えてくれないから、そのまんま鑑賞するしかないのでしょう。雑誌で読んでるときはほんとになにがなんだかわからなかったけど、本にまとまるとあっちこっちのシーンのつながりがいくぶん見えてきた。だいぶわかった気がします。
アニメのほうを見るのは、まんがが完結してからにしようかな。そう思ってるくらい、これ、おれにとってはおもしろいです。ただ、かなり読み手を選ぶ本だろうことも間違いないのだけど。
ところでエンズビルというネーミング、「あなたの魂に安らぎあれ」からとったのかな。それとも偶然の一致か。
めったにないことながら久しぶりに家でなにか飲みたくなって、近所のコンビニ(たぶん元酒屋)で物色。量はいらないやということで菊水ふなぐちを選んだのだけど、これは間違い。ふなぐちは普通の酒の3倍まわりやすいことを忘れていた。
わずか40ccですっかり気持ちよくなってしまうのは経済的といえば経済的。でもふなぐちは缶入り生酒だから、飲みきり必須なんだよなあ。
西川魯介「電動☆ファイトクラブ」はなるほどショタだこれ。電動模型の戦闘シーンとHシーンを同時進行で進めるあたりがこのひとらしいというか、両方がシンクロして変な効果が生みだされている。これと今月号で「メディシン」描いてるポン貴花田は、次からヤングヒップに移るそうな。ポン貴花田ってこんな絵だったっけ。
「花獄」(中田ゆみ)は幼なじみの墓参り。12年前にひとりが死んで、のこされたふたりが参って。そのあとの展開はお約束だけど、終盤は男には描けない内容だなあ。このひとらしいし、少し怖くもあるし。タイトルは幼なじみの死因となった、猛毒のあるキョウチクトウにちなんだものでしょう。
12月号ではない、11月号です。発売されてはや三週間。早く読めよ。
あいかわらず登場人物たちがなげやりな「病院行け!」(かかし朝浩)は、今回輪をかけてなげやりな様子。はやったらやだなあ確かにこのギャグ。「霊能探偵ミコ」(井荻寿一)はやたらいい話なんだけど、いつもこんなだったっけ。ていうかミコさん5コマしか出てないけどいいのか。
「halo」(kashmir)は、このペンネームでは商業誌初登場かな。物心ついたころから売春宿に閉じ込められた少女、絵描きだった客にもらった絵の具で壁に絵を描いて。ある日たずねてきた、ひなたの匂いのする少年から海の話を聞いて、いつか行こうと約束して。そこからおはなしは急速に暗転し落ち込んでラストに。そっけなくも見えるラストはこのひとらしいといえばらしいけど、同じことを表現するもっと効果的な方法があるようにも思わなくはないけど、それは瑣末なことで。このひとのまんがはおれにとって強力な麻薬で、絶対に一度読んだだけではおさまらずに気がつくと何度もページを繰っている。前から後ろへ、また前へ。飽きることなく何度でも。
中毒症状がこうじて、ひさしぶりに「STIGMATA」を読み返す。この短編を読んだことがその後たくさんの同人誌を買うことになった一因であるのは、おそらく間違いない。いつかこれが、多くの人の目に触れる日が来るのなら。あるいはこれが、永遠に限られた人だけものでありつづけるなら。どちらのしあわせを自分は願っているのか。
ラブドラマ特集号だそうで。巻頭3連発(克・亜樹〜陽気婢〜唐沢なをき)は確かにこの雑誌っぽくないけど、唐沢なをきのこれ(「撲殺!佐藤ちよこさん」)はラブドラマなのか。ブルマボクシングって新発明なのか。タイトル似てるけど「必殺山本るりこ」とは内容のつながりはないようです。陽気婢の「おでこ」はめがねフェチに告白された少女。このひとはこういうラブコメ短編が作風としてはあってる気がしなくもない。いや、なんでも読むんだけどこの絵なら。
「10月はかはたれどき」(松本剛)は、そうかこれは金沢弁なのか。「だら」って説明なしで読む人にわかるんだろうか(「ら」にアクセントが来ます。来るはず)。学芸会の劇に入れ込む女の子と、熱意なくそばで眺める少年と。ラストの告白は少し唐突な感じで、ページもあと数ページあったほうがよかった気もする。この人のまんがは、この告白がなくってもちゃんと成立するはずだし。絵と雰囲気とそこまでの展開はこのひとのまんがなので、そりゃあもちろん楽しめたのだけど。
バカまんがな読切後編「おっぱいジョッキー」(木山道明+チャーリー☆正)、後編もけっこうおもしろかった。基本的にはちゃんと競馬まんがになってるし。そのほか、「JOKER」(平野博寿)が読切前編、「タッチダウンブルース」(TAR)が3回中2回目、フルカラー「YUI SHOP」(唯登詩樹)が新連載、「夢色お兄ちゃん」(藤枝奈己絵)「チギッテハ投ゲ」(小林健志)「モンキーレンチ」(坂本久作)が読切で掲載。藤枝奈己絵って藤枝岬と同一人物かな。「モンキーレンチ」は土田世紀に似た雰囲気のまんがでした。
あ、あと「すべてに射矢ガール」(ロクニシコージ)が出張掲載されてます。「ゴルディアス」(イダタツヒコ)はお休み。病名(痛そう)が明記されてるのは珍しい。お大事に。
エネルギーのこもった絵の勢いは2巻でも変わらず。内容のむやみな熱さもかわらず。よくぞここまで、と頑張りをたたえたくなる。
連載のほうではもう始まってる青年編は、さてどうなるか。たくさんの先達が書いてきた舞台でどう色が出せるか。楽しみに待ちます。
こうやってデビュー作から収録された短編集が出るのは、異例でもありめでたくもあり。出してくれた出版社に感謝です。
こうやって単行本で読んでみると、このひとのまんがは一貫して、やや寸のつまった独特のテンポで描かれているのだな。雑誌で読むたびにもう少し間をとったほうがいいのかなあ、それともこれでいいのかなあと悩んでいたけれど、どうもこれでいいらしい。まとめて読むと、読んでるうちにテンポになじんでけっこう気持ちいいです。
デビュー作以来の読切が全部収録されてるわけではないのね。ページ数考えるとそりゃあたりまえか。まあまたそのうち出るのを期待します。好みで選ぶなら「ニンゲンをとろう」か「VOICE」になるかなあ、やっぱり。巻末のはじけたおまけまんがも、これはこれで楽しい。
えー、おもしろいです。ゲーム知ってようが知らなかろうが、おもしろいまんがはおもしろい。このひとはこの手のノンフィクションまんが書かせるとめちゃくちゃ上手いな。
それはそうとみずしな孝之ってまだ新星なんだろか。4コマの世界ではすでに大家だと思うのだけど。4コマは4コマ、ギャグはギャグなのか。
400ページ以上もある、文庫本としては最も分厚い部類に入る本。そのうえ読み出してからなかなかエンジンがかからなくて、ずいぶん読み終わるまで時間がかかってしまった。それでも最終的に読みとおせたのは、文章がしっかりしていたからというのもあるだろう。
エンジンのかかりが悪かったのは、読んでいてこれがどういう小説なのか、どこを目指しているのか、なかなかわからなかったから。人々の間にひろがる不気味な伝染病。致死性のそれを「汚れ」として識別し、攻撃することができる能力をそなえた、選ばれた人間たち。世間的な立場も性別も違う彼らが、不協和音を奏でながらも「汚れ」のコロニーを追い込んで攻撃していくくだりは、おもしろくなくはないけど引き込まれるほどでもなくて、読んでは中断という状態だった。
ただし、話が終局に向かいだした後半からは読み進むのもあっという間だった。読み終わって理解したのは、これはSFの皮をかぶった青春ものだということ。それもまっすぐな。設定と主人公の体験は特異でも、人と出会い交流し傷つき、それから理解しあいやがて別れて、いつのまにか成長している主人公という物語の芯は、まさしく成長物語にほかならない。
主人公の幼なじみである曜子の扱いがやや中途半端で、恋愛沙汰をからめなくてもこの物語は成立しただろうし、からめるならもっと物語の中核に曜子を近づけたほうがよかったのでは。などなど、こうだったほうがいいかなというところはあるけれど、総体としては読みとおして損はなかったです。次回作が出たら買ってみようと思えるくらいには。
ああなるほど青春ものなんだと思いながら読み終えたら、あとがきで神林長平が同じようなことを書いてたのはおかしくもあったし、そんなに誤読はしてないなとうれしくもあった。そもそもこの本、緒方剛志の表紙よりもむしろ、神林長平があとがき書いてるのにつられて買った本と言えば言えます。読んでみたら、神林小説との共通性はそんなにはなかったけれど。
仕事帰りのいつもの帰り道、道端に花が供えてあった。横断歩道のそばに。それだけのことで、見慣れた風景がぜんぜん違って見えたことに少し驚く。
きのうプラネテスを読んで覚えたかすかないらだちの原因は、大量の犠牲者にも動じない唯我独尊の男・ロックスミスにまつわる描き方にあったのだと気づく。324人の犠牲者には324人分の人生と、残された家族や知人たちがいることは、描かれはしてないけど当然のことなのだ。
宇宙開発の前線は戦場と同じで人が死ぬのはあたりまえだろうし、人死にに動じない人間だって好悪はともかく当然存在するし必要だろうとも思う。そういう「悪魔のような男」に男惚れするベテラン飛行士もいるだろう。ただ、リアルなまんがで324人が死んだことにするのなら、リアルな死を描いてほしい。衆愚的にも見えるマスコミの怒号だけではなく。
なにも死にゆくさまや遺された人たちの嘆きを生々しく描けというのではない。ただ、犠牲を払いながらも進められる物語=マクロの物語と、犠牲となった側の物語=ミクロの物語は、どちらも忘れてはいけないと思うのだ。読むほうも描くほうも。
「ベルセルク」(三浦建太郎)はガッツvsモズグスが決着。そうか燃えるのか。ショッカーの怪人やなんとか星人が爆発するのと同じ原理なのか。しかし決着したあとのあいかわらずの陰鬱さよ。
「愛人」(田中ユタカ)はまもなく第4コーナーを回って直線へ。どう、なるんでしょう。ピンチだったセスタスがいきなりぶち切れた「拳闘暗黒伝セスタス」(技来静也)にはびっくり。血をかぶって豹変したか、追い詰められて闘争本能が目覚めたか。読切で「今日はここまで」(小山田春蔵)が掲載されてます。
気がつくと読むところが多いな、この雑誌。
巻頭カラーの新連載「ラグナロク」(ことぶきつかさ+安井健太郎)はヒーローものエンタテイメントとしては上々の滑りだし。目新しくはないけど、しっかり読める。というのは前号から始まった「ガバメンツ」(夏元雅人)にも言えることで。こういうまんがが載ってると、雑誌の腰が座った感じになる。
もちろん、腰の座りにはあまり寄与していない「低俗霊DAY DREAM」(目黒三吉+奥瀬サキ)や「成恵の世界」(丸川トモヒロ)、全く寄与していない「余の名はズシオ」(木村太彦)などのまんがも、それはそれで好きというか、むしろこういうのが載ってるからこの雑誌買ってるのだというか。「ズシオ」は最近迷走ぎみかなあとか思ってたけど、迷走したまんままたおもしろくなってきた気もする(慣れただけ?)。いっそこのままだらだらと続くがよい。もちろんだらだらとでなく続くも可。
今月号は読切が4発。スラムに近い街に暮らす人間を描いて哀感ただよう「セラギネラ9」(加倉井ミサイル)は、7月号に載った「鴻鵠館1301」の続編。このままシリーズ連載になってもいいんじゃないかな。「アポカリプフィズ・ペッパー」(ひらりん+清水栄一+上田智裕)は天使がやまほど出てくる暗黒譚で、暗喩に満ちた難解なおはなし、なのかもしれない。キリスト教的神話的素養があって読むと違うものが見えるのだろうか。「GIRLS・ブラボー」(まりお金田)はギャルゲー風ラブコメ。
「ウェーヴィ ハート」(木村ひかげ)はうれしい35ページ。2年前に描かれたまんがとのことで、なるほど「ジェット★レンチ★デイズ」よりその前の短編群に近い感じを受ける。まんがとしてはもっとよくなる余地はあると思うけど、陽光あふれる絵と屈託のない笑顔は好きだなあ。いちど、ネームもト書きも思い切り減らしたこのひとのまんがを読んでみたい。それだけの絵の魅力はあると思うのだ。
めでたく1巻が出た「フリクリ」(ウエダハジメ/GAINAX)を読む。読んで、これをまとめて読むことになにやら恐怖感を覚える。近所の本屋に置いてないんで未購入だけど、早いこと買わねば。
61ページの長編読切「亜空域バスターサークル」(也樹紀貴)は異空間というか異次元を移動する能力をもった種族の少年が、泥棒少女のところに落っこちてきてなりゆきで行動をともに。少し読みにくいところはあるけど、それを補って十分に魅力的。きまじめでよくどじを踏む少年と、いくぶんコケティッシュな少女の組み合わせがうまくて、長めのおはなしがすいすいと読めました。次は連載で読んでみたいな。そのほかに半ばシリーズ化した「ギャランドゥ8」(渡瀬のぞみ)と前後編の後編「スカイアー」(天辰睦紀)が載ってます。
飲み会が終わると1キロ太ってるのは、いったいどうしたものでしょう。
「プラネテス」(幸村誠)が載ってるのはうれしい。うれしいのだけど、このまんがで見たいのは人間ではなくて宇宙なのだよなあ、おれ個人としては。
「マントルピースのお天気」(滝平加根)が5回集中でスタート。読み方はふとんにくるまってのんびりと、かな。リョーさんのタラコくちびるはこのまんがのポイントのひとつでしょう。正確には、くちびるで表現されてるリョーさんの性格づけが。
なんとなくおやじ雑誌っぽくもある雑誌だな、これ。
「トンネル抜けたら三宅坂」(藤代健+森高夕次)が変わらず好調。動静のメリハリがよく効いていて楽しいったら。思えばおれが小学生のころはAVなどいうものはなかったのだな。うれしそうに洗濯屋ケンちゃんがどうのと話しているやつがいた時代でした。
「東方機神伝承譚ボロブドゥール(おお一発で変換した)」(太田垣康男)は話がどんどん進みます。この絵でこのテンポで最後までいくのなら、とても楽しみ。
読切後編「W−face」(ひのきいでろう)は一件落着。落着したけど話はまだ続いてるから、これはまだ続きが載るということなのでしょう(だよね?)。このひとのまんがは、スタート地点からゴール地点までの間に寄り道がたくさんあるのが特徴で、散漫と感じるひともいるだろうけどこれは得難い個性だと思うし、寄り道なくしてわかりやすく、という方にはできれば行かないでほしいです。寄り道をしながらわかりやすくというたいへん難しい着地点を見つけられたら、鬼に金棒かな。これからどう変わっていくかという意味でも楽しみな存在です。
途中から連載化した「Dystopia」(桂木すずし)はなかなかシビアな展開でおもしろい。まとめてよむとけっこうよさそう。今月巻頭の「一騎当千」(塩崎雄二)は登場人物の名前が三国志じゃなかったら、もっと楽しめたのかなあ。あるいはおれが三国志を知らなかったら。
「まほろまてぃっく」(ぢたま某+中山文十郎)は楽しみな連載だけに、この完成状態なら1ヶ月休みのほうがまだしも。新連載「響鳴〜グリム殺人事件」(福原鉄平+紙谷龍生)は推理ものである模様。来月からあさりよしとお「HAL」が復活するそうです。やれめでたい。
いや、しかし、今度のはすごいな。言っていいことと悪いことがほんとにわかんないんだろうな。無能でも凡庸でもいいけど(いやよかないけど)、馬鹿はいかんよ。
久々にこの顔をおがんだ「バトル・ロワイヤル」(田口雅之+高見広春)。よだれまでたらさないでも十分だよう。別に松田優作のファンでも実録もの好きでもないけど、気がつくと毎週読んでる「松田優作物語」(高岩ヨシヒロ+宮崎克)。語り口の巧みさもさることながら、やっぱり語られるエピソードのおもしろさゆえでしょう。
読切「Fish song」(陽山明子)が、正確にはその絵が目を引く。現時点では表現したいものと表現されてるものにまだ差がありそうだけど、こののびやかな絵は強力な武器になるはず。たくさん描いてくださいな。
今月もおがきちかが楽しい。「エアー・マイラブ」はそんな都合よくロープがからまるかとか、天秤ばかりの原理だとこれはこのまま落ちるんじゃとか、つっこみたくなるところはあるけれど、いいんだ楽しいから。薄い瞳とかよく動く絵とかくるくる変わる表情とか、このひとのまんがにはたくさん好きなところがあります。
「素敵なラブリーボーイ」(伊藤伸平)はベテランの味。味はともかく、こんなに人死にも怪我もないこの作者のまんがはまれじゃないだろか。本人がこれで満足かは知らんけど、読んでるほうはこれはこれで十分おもしろい。「恋愛ディストーション」(犬上すくね)は弱気な棗がたいへんかわいい。ラストはあと2ページ欲しかったかな。
「スナオちゃんとオバケ国」(TAGRO)はなんだか怪しいのが。セーラー服の骨女。この手の話に欠かせない一見親切キャラになるか。「妄想戦士ヤマモト」(小野寺浩二)の「悲しきイカロスなのだ!!」には大笑い。泉下のイカロスが憤死しても知らんぞ。もう死んでるけど。
巻末のどざむら「ファミリー プロット」(どざむら)は好短編。今は亡きかつての恋人によく似た娘、という設定も、娘相手に妄想を抱いてしまうというのもやまほどあるけど、しっかりおじさんと若い女性の話に収斂した手際は鮮やか。うまくなったなあ、この人。そろそろ短編集など。
perlを家PCに突っ込んであれこれと。SSIのお勉強などしてみるも、うちのプロバイダSSI使えないのだな。NiftyはCGIはフリーだけど、このサイトでCGI使って何をどうする予定もなく。まあ知っといて損はない程度の必要性ではあります。今のところ。
ビジュアルノベルシリーズの1作めで、ずいぶん前に発表されたゲーム。それをいまごろ買ってやってみたのは、ウェブ上で「果てしなく青い、この空の下で…」とこれとの類似性を指摘した文章がけっこうあったので。
確かにゲームの構造や登場人物のパターンには、ある程度の共通点が見いだせるけど、それ以外で共通するところはあまりなかった。「青空」が田舎の自然の開放感と、田舎の結界として閉じた部分と、両方を兼ね備えているのに対して、こちらは学校舞台の終始クローズドなゲームだし。ふつうの人たちの力の及ばないものとして登場するヤマノカミと毒電波の違いが、端的に両ゲームの違いを示してます。
そもそもこのゲーム、絵が好みから完全に外れていて、中盤の瑞穂編あたりはやっててかなりしんどかった(沙織−瑞穂−瑠璃子の順でクリアした)。それでも最後までやりとおしたのはシナリオの力でしょう。というかこのゲーム、いわゆるトゥルーエンドだけでもよかったような気がしないでもないです。
やってるうちはけっこうおもしろかったけど、終わったあとで残ったものがあんまりなくて。それはひとつには、舞台や登場人物のビジュアル面=絵に対して思い入れを持てなかった、という個人的事情もあるのでしょう。
いままでやってゲームを思い返して、アドベンチャーゲーム(ノベル形式含む)は作り方次第で一本道にもマルチエンディングにもできるけど、RPG系は構造上一本道以外は難しいのだな、などとあたりまえの事をなんとなく思ってみたり。普通アドベンチャーのマルチエンディングってハッピーエンドが複数あるのだけど、どうなっても大局的にはハッピーでない「終末の過ごし方」って、そういう意味できわめて異色のゲームなのでしょう。以上余談です。
しょ、少食一代男がはいっとるやんけ!しまったもっと早く読めばよかった。
「少食一代男」は3年ほど前にヤングアニマルに載った、少食男と大食女の学園ラブコメで、どこをどう間違ったかいたく琴線に触れたまんま今日に到るのです。屈折リーベ読んでないので大きな口どころか小さな口すら叩けない状態ながら、読んだ中では今でもこれが西川魯介ベストです。個人的には。
もちろんこの本のメインであるところのSFだかエロだかバカまんがだかわからない作品群もわからないまんま好きだし、今回めでたく収録されたキャプテン時代の読切群もいいな。こういうまんがをまたどこかが載せてくれるとうれしいです。カチンスキィって西部戦線異常なしからなのかな、好きなキャラクターでした。
しかしデビュー作以来すべての主人公が女のみならず男もヒクイドリまでも眼鏡という徹底ぶりには、業の深さ(愛の深さも可)をひしひしと。早いこと初恋電動ファイトも読まねば。
「こっこさん」(こうの史代)「メールお待ちしてまぁ〜す!」(中野きゆ美)「ひまじん」(重野なおき)というのは先月と同じ。「ひまじん」は連載化したのかな、だとしたらうれしい。
最近の雰囲気からひょっとしてそろそろかと思っていた「超・学校法人スタア学園」(すぎむらしんいち)が次号ついに最終回。過程を楽しむまんがだろうから、ラスト次第でどうこうというのはあまりないにしても、でもやっぱり気になるラスト。どうなるか。「甲子園へ行こう!」(三田紀房)の最新型四ノ宮みたいなセットポジションのピッチャー、確かにプロ野球にもいます。ちば賞大賞作「旅にでられぬきみたちへ」(富咲男)は12歳の子供たちに20年後の自分について書かせたタイムカプセルを持って、当時の担任が20年後の教え子をたずね歩く。さまざまな反応とさまざまな人生を、情に流れずにさらりと描いたまんがで、うまいという感じではないけどうまくなる可能性はたくさん感じる。これから描いてるうちにどう変わっていくか見てみたいです。
「奴がピンチにやってくる」(秋重学)の後編、相変わらずきれいにまとめてます。1回にひとつふたつ、必ずこれだというシーンがあるのはすごいなあ。瞬発力があるから短編向いてるのは間違いない。あといくつか描いて短編集というのはどうでしょう。
ふと気がつくと、ことしもあと2か月ちょっと。それってつまり今世紀もあと2か月ちょっとということか。年末はまたお祭りなのかな。
中米のジャングルってこんなかなあ、という感覚的な違和感がなくはない。何が怖いってヘビとサソリとクモが一番いやだと思うのだけど、登場人物にそういう知識がなかったと解釈してしまえばこれはいいのかな。あとはたきぎになるような枯れ枝が落ちてるだろうか、あってもわずかじゃないかとか、バナナの木ってぬるぬるだと思うけど登れるんだろうかとか、マンゴーって高木だから石でおっことして取るしかないんじゃなかったっけとか。
それはそれとして、そうかこういう話になっていくのかというやや意外な展開。練/千華子組が引き連れてしまったものが、賢/千鶴子組を拘束してるものを殺戮するみたいなことになるのかしらん。
「マリアナ伝説」(田丸浩史/ゆうきまさみ)がスタート。間のとりかたにゆうきまさみっぽさは垣間見えるものの、ようは田丸まんがだと言えば言えるすべりだし。マリアナは水球だからでしょう。奇怪なじーさんはちゃんと出てきます。立ち泳ぎの上手い。ひょっとしてシンクロ名人な。
あとは「シャレオン・オデッセイ」(つぶらひでとも)かなあ。次号には「土ワイ4」(ゆうきまさみ+とり・みき)が載るそうな。故キャプテンでやってたあれ。
冷蔵庫の中から、身に覚えのない牛乳びんが。中味が完全に固まったびんをおそるおそる手にとると、北海道は江別で作った牛乳だと書いてある。北海道っておれ北海道にいちばん最近行ったのは去年の11月じゃないか。そういえば千歳空港で牛乳飲みたいと思って買った記憶がかすかにあるけど、なんでその牛乳がこんなところに。不思議なこともあるもんだ。
一見ヨーグルトにも見えるそれを食べたら、もしかしたらおいしいだろうかという好奇心がふと頭をよぎる。食べて悶絶する前に早いこと捨てよっと。
巻頭カラーですっぽんぽん。一瞬描く雑誌を間違えたのかと思った「ネコの王」(小野敏洋)だけど、内容はしっかり読みやすい子供まんがしてます。器用な人だなあ。
読切「華の警察官」(むっちりむうにい)は仕事はできない天真爛漫の婦警さんのおはなし。彼女を愛してやまない姉貴分の婦警のオーバーアクションがおかしい。春に少年エースで描いたスラップスティックと違って、こっちはいいはなしでもあります。
「獣星紀ギルステイン」(田卷久雄+酒井直行)はどんどん人が壊れていくシビアな展開。「ワイルダネス」(伊藤明弘)は1・2話に続いてまた別の主人公。いやおうなしにトラブルに巻き込まれていく彼らが、やがて顔を合わせる展開になるのでしょう。「吼えろペン」(島本和彦)のたくさんのおねーちゃんたちは、なんだか綾波たくさんを連想させるものが。話としての共通点はないので念のため。
迷ったあげく結局買ったのは「トンネル抜けたら三宅坂」(藤代健+森高夕次)と「アストロベリー」(金田一蓮十郎)がおもしろかったから。三宅坂のほうはなにがなんだかわからんおもしろさがあって、なのでもしかしたら煙にまいたまんまあっさり1巻分くらいで終わって次というのが吉かもしれない。という読者の勝手な予想がよいほうにくつがえるのは大OK。作画の人はこれがデビュー作らしいけど、描き慣れてていやな感じもうまく出てていい感じ。「アストロベリー」のほうはなんだか主人公は宇宙人らしいけど、こんな人間くさい宇宙人いるのか。こっちはまだどういう話かわからないけど、とりあえず変です。
たいへん長いタイトルの新連載「東方機神伝承譚ボロブドゥール」(太田垣康男)は力の入った絵がすばらしい。あまり好みのタイプな話ではなさそうなので読み飛ばしかけたけど、読んでよかった。
最初のうちはつっかえつっかえ読んでて、それで読むのに時間がかかったけど、後半はあっという間に読めました。もしかすると後半描き慣れて読みやすくなったのかなと思って見返しても、前半後半で特に差はなさそうな感じ。地球にやってきた宇宙人のお手伝いさんという設定と、さりげなくあっちこっちSFな内容と、細かめのコマ割りと。とっつきにくいところはあるけどそのうちじんわりとなじんてくる、そういうまんがなのかもしれない。
おはなし自体は見た感じそのまま、たいへんほのぼのしてます。でもって情に流されすぎることもなく。甘すぎないお菓子のような。お茶と一緒に。
これは余談だけど、作中でまんがのほうのおてつだいさん(アシスタント)が紹介されていて、そのうち二人の名前に見覚えがあって。ひとりは(同姓同名でなければ)ガムで読切を描いてる鈴木猛。もうひとりは中山かつみ。この手の最近あっちこっちで中山かつみばっかり現象は、むかしたくま朋正で経験したことがあります。ところでメガフリークの12月号はまだなんだろうか。
モトコ編としのぶ編とはるか編。サイドストーリーが3つ。実はこのまんがのキャラクターの名前はいつまでたっても覚えなくって、しのぶとはるかとむつみの区別がいまだにあいまいです。ゆかりっていなかったっけ、とか。
つまりこのまんが、おれはキャラ萌えせずに読んでるということか。それともはっきり覚えてる景太郎かなるかキツネかカオラ・スゥか、それとも瀬田か、どれかに萌えてるのか。それはそうとこの表紙の色使いはたいへん好きです。
再版もの以外では「緑ヶ丘3丁目」以来2年ぶりの単行本。短編集は「よなきうどん」以来だから3年ぶり。ファンタジーメインのとなるとずいぶん久しぶりの本でしょう。
プチフラワーに描いたこの短編群、ずいぶん好きなように描いた感じで、雪だるまがしゃべったりわがまま姫が魔法使ったり葉っぱがお金に化けたり、妖精が脱皮した蛇の皮を再生してみたり、設定があっちこっち散らばってます。個人的にはちょっとネームが多いかなあという感じで、ややつっかえつっかえ読んだけど、でもこのひとのこういう短編は好きだなあ。
収録作のなかでは、しっかりものの町工場の娘に、へんなの(人ではない)が現れて金をもっていけと嘆願するけったいな話「落ち葉のロンド」が好みかな。ひとつだけファンタジーでもSFでもない「ファースト・クリスマス」は、90年代を飛び越えて80年代のバジル氏とかヒューイ・デューイ物語とかそのへんの感じのおはなしで、これがベストだと思います。ああでもこのひとの本、買って読んでないのがたくさんあるなあ。読まねば。
秋ってこんなに曇りの日が多かったっけなあ。例年だともう少し、気持ちのいい日が多かったような。
連載2回めは初回以上に飛ばしている「ルビー・ザ・キッド」(木葉功一)。この描写はすごい。ところでこのあと、マリオはどうなるのでしょう。だいたいこれ、マリオなのか。人の心はやっぱりのーみそに宿るのか。
ところで来号から「マントルピースのお天気」(滝平加根)が5号連続です。楽しみ。そのうえ来号は「プラネテス」(幸村誠)も載るうえに、こっちは単行本も来年1月です。楽しみ。
訂正とお詫び。「最終シスター四方木田」(イラ姫)最終回などと2か月前の感想に書いたけど、終わってません。連載続いてます。今月も載ってるし来月も予告にあります。ごめんなさい。
巻頭カラー新連載「プロペラ天国」(富沢ひとし)は…どうしてこう説明抜きでおはなし始めるかなあ。女の子がいきなり変なのをお腹に突っ込んだときはたまげました。ただ、造形的にはミルク クローゼットやエイリアン9のほうが好みかもしれない。まあまずはこの先を楽しみに待ちます。
「破壊魔定光」(中平正彦)はラブコメ属性高し。高いぶんだけ、宿命的にラブコメになりえないおはなしの構造が切ないです。スタートしたときはこのまんが、こういう話になるとは思わなかった。それはつまり、これから先がわからないということ。どうなるんでしょう。
ほのぼのムードから一転、えらいことになった「BWH」(花見沢Q太郎)。いっぽうこちらはゆっくりと終局へ向かう「面影丸」(伊藤悠)。これの単行本はなるべくでかい版で出してほしい。出るよね?
今月号、実は目次にないかたぎりわかなの4コマがひとつ載ってます。な、なんじゃこりゃ…
「電脳やおい少女」(中島沙帆子)によると、めぼしい同人誌を全部買うことを地引きをかけるというそうな。べ、勉強になるなあ。「はなうたオフィス」(小本田絵舞)のチカちゃんはいつも元気で(そのうえのんべで)楽しいです。あとは今月ひさびさにみぞおちにきた「幕張サボテンキャンパス」(みずしな孝之)の明日香カフェオレ。それでこそ明日香だ。
表紙はちよちゃんとゆかり先生。榊さんと1、2を争うちよちゃんはいいとして、ゆかり先生って人気あるのかな。こういうキャラクターはけっこう好きなんだけどな。例によって二本立ての「あずまんが大王」(あずまきよひこ)は体育祭。
もしかすると創刊号以来続いていた「ガンドライバー」(せたのりやす/ビトウ・ゴウ)が最終回。「海鳥茶房奮戦記」(原田将太郎)「レターフレンド」(騎劉たかひさ/荒川久稔)が新連載。「Canvas」(江森美沙樹/カクテルソフト)が3号連続の第1回。「メルクリウスプリティ」(西野司)がほとんど新連載と行ってもいいくらい久しぶりに再開。「錬金術師」(逢魔文七郎)と「BE-YOND」(さなづらひろゆき/エルフ)の後編が読切。「ひみつのユミリちゃん」(塚本ひじく)も読切なんだけど、元連載なんだなこれ。単行本に届くか。「DARK WHISPER」(山下いくと)は16ページ載ってるものの、「リスティス」(うたたねひろゆき)「Kanon」(森嶋プチ/Key)は8ページ、「悠久黙示録エイドロンシャドー」(うるし原智志)「SISTER RED」(林家志弦)「ダメダメ斉藤日記」(斉藤友之)は休載。特記事項だけでこんなだけど、まあ、いつもこんな感じの雑誌だわな。ラブひなの瀬田の名前はせたのりやすからとったそうです。
「キラキラフィズ」(有間しのぶ)の今回のこれは播州弁かな。それはそうとこれ、まだ単行本になってないのか。出たら買いそう。そういや先月前編だった「はじめて百連発」(みずしな孝之)の後編はどこ行ったと思ったら、来月載るとか。どうせなら出来てから続けて載せればいいのに…なんて言ってたらいつまでも載らないか。
今年のパ・リーグのMVPはたぶん小久保、ひょっとして松中だろうと思うけど、小笠原の成績もものすごい。2番打者の3割30本100打点は記憶にないです。海の向こうはともかく、日本プロ野球史上は初めてでしょう。そのうえリーグ記録の126得点で24盗塁、さらにフル出場。もし自分に投票権があったとしたら、このひとに入れます。
どんどん攻めるこの雑誌、今号の新連載は「コンパレ」(むとうひろし)。初回を見るかぎり、基本的にはやーさん話にも見えるけど、かいま見せる強引なギャグが判断を迷わせる。たいへんおもしろくなる可能性もはらんでると思うので期待することにします。
こちらはとうとうやっちゃった、な「春よ、来い」(咲香里)。しかしこれはエロいな。読切「ショアブレイク」(しげの秀一)は途中で終わっていて、そのうち続きが載るとのこと。新連載がもうひとつ「OH!スーパーミルクチャン」(たまご▽やき)。「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)はオズタカヒロが寝込んでお休み。
「バード」(青山広美)、これにて完結。おみごと!
麻雀まんが読者層を越えて読まれるべきまんがになりました。特に、クライマックスからラストシーンにかけての隙のない展開は素晴らしいです。いやこれはいいまんがだ。
さる少年の役どころがヒールから一変した「萬」(本そういち)。そうかそう来たか。「西校ジャンバカ列伝 かほりさん」(神原則夫)、今回も一歩もひかぬかほりさん。これも好きだなあ。シリーズ化しつつある「なかしげNo.1」(村尾利明)はハイテンポな進行とシニカルな主人公の小学生がいい感じ。もしかするとこれがデビュー作の「バジリコ」(後藤正人)も気合いの入った絵とどこかばかばかしい内容がよいです。続きが読めるとうれしいな。
巻頭カラーの新連載「ジャスティス」(高港基資)は3回集中とのこと。このひとの今までの短編ホラー、個人的にはワンパンチはいいんだけど二発目が欲しいという感じだったんだけど、ゆっくり展開できる余裕か、初回はなかなか次が気になる内容になってます。これも楽しみ。
間質性肺炎って難病だったんだ。5年生存率50%、10年生存率20%。急性に転じたときの予後は不良。WEBで調べて知りました。
第一部完の「クーデタークラブ」(松本光司)、なるほど、これでクーデタークラブというわけね。2週休んで第二部開始とのこと。
一部で(または全日本的に)大評判な「ちょびっツ」(CLAMP)、どうせやるならH系ラブコメの文法をなぞるのではなくて、本気でH系ラブコメ描いてほしい、というのが個人的かつ勝手な希望。そこに愛(エロともいう)があるかどうかって作品の出来をかなり左右するだろうから。無理かなあ。まあそこまでしないでも読む人は読むだろうしかまわんといえばかまわんのだけど。それはそうと「空手小公子 小日向海流」(馬場康誌)のこの眼鏡っ娘は一部では(または全日本的には)どうなんでしょう。
「バカ姉弟」(安達哲)は相変わらず4ページ。目次を見ないでもこのまんがは探せることにいまごろ気づく。あほだなおれ。
巻末の読切ふたつがおもしろかった。
「嫁を乞う人」(川島正春)は都会を捨て田舎にやってきた都会的な女性が、農家のあんちゃん相手にしゃべってるところがスタートシーン。型通りの陳腐なセリフの連発で、いったいこりゃどういうまんがだろうと思って読んだら、なんと自虐と悪意に満ちていることよ。いっそ爽快ですらある。いっぽうの「S60チルドレン」(川畑聡一郎)、やたら頭身の小さい、個性的な絵柄による子供まんが。いやこういうのはあまり好みじゃないかなあと思って読んだら、なかなかどうして。構図の取り方にしろ場面展開のさせかたにしろ、力のある人だと思います。これは次が読みたいなあ。タイトルは「昭和60年代に子供だったそのころのおはなし」というような意味らしい。
再登場の「SUN」(五味裕子)は絵は好みから外れてるのだけど(黄美那にちょっと似てるかも)、主人公の豪胆な女医さんがいい。今回はおはなし自体はそれほど目を引くものではないけど、強引に引っぱり込まれて読まされた感じ。こちらもまた読みたい。そのほか「(犬)Rocky」(杉作)が読切で登場。「モモちん」(伊藤理佐)が新連載、「GOD'S MARBLE」(佐藤純也/木葉功一)が最終回。
これは「奴がピンチにやってくる」(秋重学)目当ての購入。才気あふれる描きっぷり。後編が楽しみ。
で、次に載っていたのが「日本一の男の魂」(喜国雅彦)。喜国雅彦を初めて読んだのはヤンサン創刊号だったと思うけど、しかしちっとも変わらんな。偉大だ。