恐れるな
体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな(マタイ10・28)/
1.聖書
2.マリア・ワルトルタ
3.聖母から司祭へ
1.聖書
創世記21・17−18
神は子供の泣き声を聞かれ、天から神の御使いがハガルに呼びかけて言った。
「ハガルよ、どうしたのか。恐れることはない。神はあそこにいる子供の泣き声を聞かれた。立って行って、あの子を抱き上げ、お前の腕でしっかり抱き締めてやりなさい。わたしは、必ずあの子を大きな国民とする。」
申命記3・21−22
わたしはそのとき、ヨシュアに命じた。「あなたたちの神、主が二人の王に対してなさったことをすべて、あなたは自分の目で見た。主は、あなたがこれから渡って行くすべての王国にも同じようにされるであろう。
彼らを恐れてはならない。あなたたちの神、主が自らあなたたちのために戦ってくださる。」
申命記31・7−8
モーセはそれからヨシュアを呼び寄せ、全イスラエルの前で彼に言った。
「強く、また雄々しくあれ。あなたこそ、主が先祖たちに与えると誓われた土地にこの民を導き入れる者である。あなたが彼らにそれを受け継がせる。主御自身があなたに先立って行き、主御自身があなたと共におられる。主はあなたを見放すことも、見捨てられることもない。恐れてはならない。おののいてはならない。」
ヨシュア1・9
わたしは、強く雄々しくあれと命じたではないか。うろたえてはならない。おののいてはならない。あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる。
歴代誌下20・15−17
彼は言った。「すべてのユダよ、エルサレムの住民とヨシャファト王よ、よく聞け。主はあなたたちにこう言われる。『この大軍を前にしても恐れるな。おじけるな。これはあなたたちの戦いではなく、神の戦いである。明日敵に向かって攻め下れ。見よ、彼らはツィツの坂を上って来る。あなたたちはエルエルの荒れ野の前、谷の出口で彼らに会う。そのときあなたたちが戦う必要はない。堅く立って、主があなたたちを救うのを見よ。ユダとエルサレムの人々よ、恐れるな。おじけるな。明日敵に向かって出て行け。主が共にいる。』」
イザヤ書8・11−13
主は御手をもってわたしをとらえ、この民の行く道を行かないように戒めて言われた。
あなたたちはこの民が同盟と呼ぶものを何一つ同盟と呼んではならない。
彼らが恐れるものを、恐れてはならない。
その前におののいてはならない。
万軍の主をのみ、聖なる方とせよ。
あなたたちが畏るべき方は主。
御前におののくべき方は主。
イザヤ41・9−16
わたしはあなたを固くとらえ
地の果て、その隅々から呼び出して言った。
あなたはわたしの僕
わたしはあなたを選び、決して見捨てない。
恐れることはない、わたしはあなたと共にいる神。
たじろぐな、わたしはあなたの神。勢いを与えてあなたを助け
わたしの救いの右の手であなたを支える。
見よ、あなたに対して怒りを燃やす者は皆
恥を受け、辱められ
争う者は滅ぼされ、無に等しくなる。
争いを仕掛ける者は捜しても見いだせず
戦いを挑む者は無に帰し、むなしくなる。
わたしは主、あなたの神。あなたの右の手を固く取って言う
恐れるな、わたしはあなたを助ける、と。
あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神
主は言われる。恐れるな、虫けらのようなヤコブよ
イスラエルの人々よ、わたしはあなたを助ける。
見よ、わたしはあなたを打穀機とする
新しく、鋭く、多くの刃をつけた打穀機と。
あなたは山々を踏み砕き、丘をもみ殻とする。
あなたがそれをあおると、風が巻き上げ
嵐がそれを散らす。あなたは主によって喜び躍り
イスラエルの聖なる神によって誇る。
イザヤ43・1−2
ヤコブよ、あなたを創造された主は
イスラエルよ、あなたを造られた主は
今、こう言われる。
恐れるな、わたしはあなたを贖う。
あなたはわたしのもの。
わたしはあなたの名を呼ぶ。
水の中を通るときも、わたしはあなたと共にいる。
大河の中を通っても、あなたは押し流されない。
火の中を歩いても、焼かれず
炎はあなたに燃えつかない。
マタイ10・28−31
「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」
マタイ14・27
イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
マタイ14・31
イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。
マルコ6・50
しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。
ルカ1・30
すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。」
ルカ2・10
天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。」
ルカ10・19
蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つない。
ルカ12・4−7
友人であるあなたがたに言っておく。体を殺しても、その後、それ以上何もできない者どもを恐れてはならない。
だれを恐れるべきか、教えよう。それは、殺した後で、地獄に投げ込む権威を持っている方だ。そうだ。言っておくが、この方を恐れなさい。 五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」
ルカ12・32
小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。
ヨハネ伝6・20
イエスは言われた。「わたしだ。恐れることはない。」
ヨハネ14・1−2
心を騒がせるな。神を信じなさい。そしてわたしをも信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。
ヨハネ14・27
わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。
ヘブライ13・6
だから、わたしたちは、はばからずに次のように言うことができます。
「主はわたしの助け手。わたしは恐れない。人はわたしに何ができるだろう。」
ぺトロT・3・14
しかし、義のために苦しみを受けるのであれば、幸いです。人々を恐れたり、心を乱したりしてはいけません。
2.マリア・ワルトルタ
マリア・ヴァルトルタ「手記」抜粋/天使館/P45
けっして傲慢になってはならない。そうなれば貴女は罰せられ、わたしを失うだろう。わたしがだれであり、貴女が何者であるかを絶えず思い起こすように。痛悔によって浄められた心を持つために、絶えず自分の至らなさとわたしの完全さとに思いを致すように。だがそれと同時に、『恐れるな。立ち上がりなさい。行きなさい。人々のあいだに行きなさい。なぜならわたしは彼らと共に在るために来たのだから。この来臨の時をよく憶えて、清らかに、剛く、忠実でありなさい』と言ったわたしに、大きな信頼を寄せなさい。わたしはこのことを貴女にだけではなく、人々のあいだからわたしが選んだすべての人たち、特別な形でわたしを所有している人々にも言うのだ。
マリア・ヴァルトルタ「手記」抜粋/天使館/P46
だが、わたしは休息を知らなかったし、今も知らない。なぜなら悪はけっして休むことをしないし、敵のしわざを出来るだけ無効にするために、善は常に活動していなければならないからだ。わたしたちが休息するのは時が成り終わるときだ。今は倦むことなく、絶え間なく行動しなければならない。神の取り入れのために、ゆるむことなく粉骨砕身しなければならない。どうか、わたしとの持続的な触れあいがあなたたちを聖化し、わたしの教えが絶えずあなたたちを強め、わたしの寵愛が、あらゆる障害に反対してあなたたちを忠実な者にするように。
マリア・ヴァルトルタ「手記」抜粋/天使館/P47
そしてもしあなたたちがこの世で、キリストとその先駆者、またエリヤと共通の運命を有するなら、それが残酷な運命、精神的な暴力にさいなまれる流血の運命であろうとも、その運命をあなたたちはキリストと共に、その先駆者と共に預言者と共に有するであろうあなたたちの未来の保証された運命に微笑みなさい。働きにおいて、苦しみにおいて、栄光において同等だ。此岸(しがん)では、わたしが師であり、模範である。彼岸(ひがん)では、わたしが報いであり、王である。わたしを有することが、あなたたちの至福となるだろう。苦しみを忘れることだろう。そのことをあなたたちに理解させるためには、どんな啓示も不充分であろう。なぜなら、未来の生活のよろこびは、まだ肉に結びつけられている被造物の想像力の容量をはるかに上回るからだ。
マリア・ヴァルトルタ「手記」/天使館/P52
‘44年9月12日
厳しい書取りだ。わたしの小さなヨハネのことを思うと、わたしの胸も痛む。しかしわたしは愛撫で勇気づける。その愛撫とは、すべての人が貴女を見捨てたとしても、わたしは貴女のそばにとどまるということだ。すべての人が貴女を忘れ去っても、わたしは貴女を憶えている。すべての人が貴女を憎むとしても、わたしは貴女を愛してやまないだろう。必要とあれば精神的にはもちろん物質的にも、体力を与えることによって、どれほどわたしが貴女を助けるかを見ただろう? 貴女はわたしの手のなかの、愛すべき道具なのだ。恐れてはならない。
貴女の使命のうちで、使命のために生きるように。レンズに目を凝らしている間は素晴らしい風景を見せるが、レンズから目を離せば、黒い箱にすぎない万華鏡をもらった子供たちのようでありなさい。貴女は、わたしと貴女の使命に目を凝らしなさい。現世は貴女の周りにある。周りにあるべきだ。だが貴女の内部にあってはならない。内部にあるのは、わたしの世界だ。無知で盲目なこの哀れな世に、わたしの世界から貴女にもたらされる教えと光を与えなさい。貴女の働いている周りにどれほど天が現前しているか、もし貴女に見ることが出来るならば!・・・
マリア・ヴァルトルタ「手記」抜粋/天使館/P52
ああ! 貴女が哀れな世界から、そうと気づきさえもせずに、わたしの世界に足を踏み入れ、一つのヴィジョンから現実へと移行し、ちょうど母親を夢に見、自分を抱き締める母親と共に目覚める赤ん坊のように、貴女がいつまでもわたしの世界の内にあることに気づく時、貴女はどれほど幸せであろうか。わたしは貴女に対してこのようにするつもりだ。
善良で、忍耐づよく、情け深くあるように。そして恐れてはいけない。わたしは貴女にわたしの平和を与える。きょう、マリアの御名の祝日に、わたしは貴女に溢れるほどの平和を与える。そしてそれがわたしの小さなヨハネへの恵みの賜物であるように。
3.聖母から司祭へ
聖母から司祭へ1978.2.11
それで、私は、くりかえしいいます。決して恐れてはなりません、もうあなたがたは、私のものですから。悪魔は、手を触れることさえもできないでしょう。あなたがたが今いるのは、私の花園で、もうだれも、この汚れなき心からあなたがたをひき離すことはできません。・・・