偽り

イザヤ２８・１４－１５

嘲る者らよ、主の言葉を聞け

エルサレムでこの民を治める者らよ。

お前たちは言った。

「我々は死と契約を結び、陰府と協定している。

洪水がみなぎり溢れても、我々には及ばない。

我々は欺きを避け所とし、偽りを隠れがとする。」

イザヤ２８・１８

お前たちが死と結んだ契約は取り消され

陰府と定めた協定は実行されない。

洪水がみなぎり、溢れるとき

お前たちは、それに踏みにじられる。

イザヤ２９・１５－１６

災いだ、主を避けてその謀を深く隠す者は。

彼らの業は闇の中にある。

彼らは言う。

「誰が我らを見るものか

誰が我らに気づくものか」と。

お前たちはなんとゆがんでいることか。

陶工が粘土と同じに見なされうるのか。

造られた者が、造った者に言いうるのか

「彼がわたしを造ったのではない」と。

陶器が、陶工に言いうるのか

「彼には分別がない」と。

ヨハネ８・４３－４７

わたしの言っていることが、なぜ分からないのか。それは、わたしの言葉を聞くことができないからだ。あなたたちは、悪魔である父から出た者であって、その父の欲望を満たしたいと思っている。悪魔は最初から人殺しであって、真理をよりどころとしていない。彼の内には真理がないからだ。悪魔が偽りを言うときは、その本性から言っている。自分が偽り者であり、その父だからである。しかし、わたしが真理を語るから、あなたたちはわたしを信じない。あなたたちのうち、いったいだれが、わたしに罪があると責めることができるのか。わたしは真理を語っているのに、なぜわたしを信じないのか。神に属する者は神の言葉を聞く。あなたたちが聞かないのは神に属していないからである。

マリア・ヴァルトルタ／「手記」抜粋／天使館／P２４

　いいや。偽りは人を救わない。あなたたちにそう言うのは真理の父である。偽りの君主はあなたたちを偽りの罠にかけ、時期を見計って、破滅させるために逆にひっくり返す。救うのはわたしであり、わたしのほかにだれもいない。

　わたしの懲罰が下るまさにそのとき、あなたたちの偽りの甲冑は剥ぎ取られ、あなたたちは裸になるだろう。サタンはこのように行動するからだ。彼はあなたたちに束の間の成果を与えることができるが、このようにしか行動できないからだ。わたしだけが終わることのない保護を与え、救うため、あるいは断罪するために姿を現わすとき、サタンはあなたたちを孤独のなかに放置して逃げだす。ああ、愚かな罪の子らよ。

　あなたたちは責め苦の窮地に立たされて初めて、神がなにもので、ルシフェルがなにものであるか理解するだろう。なんと恐ろしい教訓だ！　そしてあなたたちが罪を犯せば犯すほど、締めつけの苦痛は増すだろう。というのも、わたしの愛徳は無限とはいえ、賢明なもので、限りがあるからだ。そのことを憶えておくように。

　人間が陰で仕組むことは、たとえ心の底の秘め事であれ、何ひとつ主に隠しおおせるものはない。外側しか見ないあなたたちの哀れな兄弟たちは、あなたたちの偽善に騙されようが、わたしはすべてを見ており、あなたたちの行いに見合った行動をとる。また、罪の上に築かれたあなたたちの建物は、小さな割れ目に侵食された壁のように、崩れ落ちよう―偽りの父と契約を結んで安心しているあなたたちも、あなたたちが無敵だと思いこんであなたたちを恐れている民も―だれ一人思い及ばない時に。

　災いあれ、災いあれ、わたしの民を誘いあなたたちの邪悪な策略をわたしが保護していると思いこませているあなたたちに三重の災いあれ！　わたしの子供たちに、わたしの正義に対する信頼を捨てよと唆すあなたたちに災いあれ！　あなたたちはこれについても報いを受けるだろう。なぜなら、躓きはそれを誘い起こした者の上に降りかかるのだ。そして、罪を犯す有力者たちを、神は不公正に保護されている、と思いこませ貧しい人々を唆すこと以上に大きな躓きがあろうか？

　悪事を働く者たちよ、おお、あなたたちはわたしからなんと多くの霊魂をもぎとったことか！　だがその霊魂たちはなおもわたしの慈悲の娘たちなのだ。あなたたちとなると話しは別だ。あなたたちを善に役立つ道具とするために、わたしは、あなたたちにすべてを与えて引き寄せたが、あなたたちはそのすべてを忘れ、わたしよりもサタンを優先させた。

　わたしの民に悪、すなわち肉にとっての悪、霊にとっての悪しかもたらさない同盟を結ぶあなたたちに災いあれ。あなたたちはそれが悪であることを知っているくせに、現世であなたたちの人柄が勝ち誇りさえすれば権力を悪用してその悪を行う。ではそのあなたたちの人柄とはなにか？　それは一握りの粘土にすぎない。神の慈悲がその聖なる甘露で湿り気を与えているあいだは形を保っていようが、ひとたび乾けば、篩にかけられたチョークのように粉々になり、散らされよう。

　あなたたちの同盟、反キリストの先駆者たちの真の連合は、土台を欠き、勝利を得る力がない。あなたたち同様粉々になり、あとに残るのは、肉と住まいとわたしの哀れな子供たちの霊魂のなかの恐怖の思い出にすぎない。

　叱正する神の面前で、数多い馬や逞しい騎士たちに、なにほどの価値があろう？　四方八方に風に吹き散らされる籾殻のようなものだ。軍勢に力を与えるのはわたしなのだ。ただし軍勢は正しい理由によって動かされなければならず、残忍さや傲慢によって動かされてはならない。

　あらゆる過ちと、あらゆる嘲りは、神に罰せられるだろう、神は決して嘲笑を受けられず、より小さい人々を抑圧することは許されないゆえに、と主は言われる。

だが、マリアよ、一つのことに注意しなさい。より小さな人々の方からも律法に対する尊敬が必要です。守らねばならない。それはあなたたちがいつも神と共にいるためだ。