悪に勝つ
マーリン・キャロザース/この世に天国を/P13
他人を赦そうとしない理由というのは案外多く考えつくことができるものです。「私を苦しめている人々は、赦してあげられるような人間ではないのにどうして赦すことができるというのですか」。確かにそうかもしれません。彼らは赦しに価しません。しかし、私たちも赦しに価するわけではないのです。それでも神は私たちを赦してくださるではありませんか。
「だれに対しても悪に悪を返さず、・・・。悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい」(ローマ12・17、21)とパウロは書いています。いつまでも赦さないでおくことは、いわば悪に悪を返すことであり、私たちの態度は悪に負けた状態です。悪に勝つ唯一の方法は赦すことです。神はそれをとおして私たちの中の悪に勝たれます。赦しなさい。そうすれば神は、私たちを赦すことによって私たちの中の悪に勝つことがおできになります。私たちを苦しめる人々を私たちが赦し、愛するとき、悪は私たちに対する力を失ってしまうのです。
彼らがあなたを殴ったり、肉体的な苦痛を与えたりしたら、肉体は傷つくでしょう(イエスさまは、私たちが決して肉体的に苦しまないとは約束されませんでした。)しかしそれは心の平安と喜びまでめちゃめちゃにすることはできません。実際のところ、悪に本当の赦しと愛をもって対するならば、非常な喜びを体験することを私は保証します。