| 等方性アンテナと半波長ダイポールアンテナの利得を比べると。 電力Pを放射している等方性アンテナから 単位距離の球面上での電力密度Siは、 Si=P/4π 電力Pを放射している半波長ダイポールアンテナから 単位距離の球面上での最大の電力密度をSdとすると、 Sd=P/2.439π したがって Sd/Si=1.6400 dBで表記すると 0dBd=2.148dBi となります。 @ 工学的に使用する場合は、四捨五入した値として 0dBd=2.15dBi が用いられます。 (計算値との差は+0.035%) A EIRPの最大値を規制する場合などは、切り捨てた値として 0dBd=2.14dBi が用いられます。 (計算値との差は−0.195%) B 不確かさは0.2dBもあります。 不確かさは0.2dB(4.7%)もありますので、dBで小数点以下2桁の議論をしても如何なものかと思いますが、こだわる方のために@、Aを記載しました。 なお、この不確かさは、不確かさが小さいと考えられる400MHzにおいて、3アンテナ法で標準ダイポールを校正する場合の合成標準不確かさ(k=1)の値が0.2dB程度と言われているものです。 一般的には包含係数k=2の拡張不確かさが用いられますし、周波数が数10MHz以下と低かったり、1GHzを超えて高かったりすると、不確かさは1dBを大きく超える値になる他、校正よりも短時間で行う一般の測定では更に不確かさは大きくなります。 ちなみに、標準ホーンアンテナについては1GHz〜18GHz帯を8バンド(導波管のバンド)に分割しネットアナを用いた3アンテナ法で1GHz〜5.85GHz帯で±0.7dB、5.85GHz〜18GHz帯で±1.1dB(k=2)との報告(情報通信研究機構季報Vol52No1 2006)があるようです。 C 実際の測定に用いる、ダイポールアンテナはバラン(平衡−不平衡変換トランス)の損失などが0.2〜0.8dB程度あるため、アンテナ個々の校正データの確認も必要となります。 D 半波長ダイポールアンテナは周波数ごとに調整されたアンテナなので概略の広帯域測定には使えません。概略測定の後に特定の周波数での高精度測定で半波長ダイポールアンテナを用います。 |
