3アンテナ法

3アンテナ法とは、アンテナ利得(空中線利得)が未知な3本のアンテナのアンテナ利得を求める方法で、2本のアンテナを異なる3通りの組合せについて、送受信アンテナ間のパラメータを測定し、これを用いて3本のアンテナの利得を特定する方法です。

まず、フリスの伝達公式は、送信電力(空中線電力)Ptの送信機から距離d(m)離れた地点の受信機の受信電力Prを求める式です。

Pr=Pt×Gt×(1/4πd)×Ar
 Pr:受信電力(W)
 Pt:送信電力(空中線電力)(W)
 Gr:受信空中線の絶対利得
 Gt:送信空中線の絶対利得
 Ar:受信空中線の実効面積(m
 d :送信空中線と受信空中線の距離(m)

受信空中線の実効面積を絶対利得に置き換えると
Pr=Pt×Gt×(1/4πd)×(λ/4π)×Gr
Gt×Gr=(Pr/Pt)×(4πd/λ)

自由空間伝搬損失をLpとすると

 Lp=(4πd/λ)
 Gt×Gr=(Pr/Pt)×Lp

ここで、3つの空中線を用いて、各組合せのPr/Ptを測定します。

送信空中線  受信空中線  伝搬損失 
ANT1 → ANT2 :(Pr/Pt)12×Lp
ANT3 → ANT1 :(Pr/Pt)31×Lp
ANT3 → ANT2 :(Pr/Pt)32×Lp

ここから得られる連立方程式を解くと、各空中線の利得(真数)は
=(((Pr/Pt)12×(Pr/Pt)31)/(Pr/Pt)321/2×Q
=(((Pr/Pt)32×(Pr/Pt)12)/(Pr/Pt)311/2×Q
=(((Pr/Pt)31×(Pr/Pt)32)/(Pr/Pt)121/2×Q
ここで、Q=(Lp)1/2=(4πd/λ)

dB:なお(Pr/Pt)12をL12(dB)としてdB単位で考えると
(dBi)=(((L12+L31)−L32)+Lp)/2
(dBi)=(((L32+L12)−L31)+Lp)/2
(dBi)=(((L31+L32)−L12)+Lp)/2

ライン