2006年              ヨーコ

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その4 おせち (2006年11月)

年末は「おやおや」の一年でいちばん忙しい時期。だから大掃除などはほとんどやらないのだけれど、お正月におせち料理がないとやはりさみしいので、簡単なものだけでも手作りするようにしている。30日の午後に仕事が終わって、この日の夜はとりあえず黒豆を煮るための準備だけ済ませておく。できたら干ししいたけももどしておく。水に入れ冷蔵庫で一晩じっくりもどすとおいしくなるそうだ。

31日は、がんばって一日中料理作り。だいたい毎年作るのは、黒豆、田作り、大根のなます、酢バス、松前漬け、数の子も出し汁を作って漬け込む。(そういえば三陸の数の子は2〜3年前から皮が剥いてあるようになった)煮物は手間のかかるお煮しめはやめて、材料をすべて一緒に煮てしまえる筑前煮が我が家の定番。あとは気が向けば昆布巻き。昨年は、卵がたくさん売れ残ったので伊達巻に挑戦することにした。雑誌から切り抜いたフライパンで焼く簡単伊達巻のレシピが保存してあったので。

おせち料理を作っているとけっこうな量の砂糖を使うことになりぞっとしたりするのだけれど、中途半端に控えめにするとやはりおいしくないし、年に一度のことなので、普段の料理でははあまり計量などしないのだけれど、ここはきちんと量って作るようにしている。初めて作ってみた伊達巻は出来合いのものに比べて甘さひかえめでとてもおいしかったので、是非みなさんも作ってみてね。市販のものがいかにすごい量の砂糖やらが使われているかもわかるし。

かんたん伊達巻

【材料】●卵 5個 ●はんぺん 2枚 ●洗双糖 大さじ1 ●みりん 大さじ1 ●塩 少々 ●ごま油

【作り方】(直径24cm〜26cmのフライパン1枚分)

1. はんぺんをちぎってすり鉢に入れ、すりこぎでなめらかになるまですりつぶす。

2. 卵をとき、少しずつ加えながらすり混ぜる。洗双糖、みりん、塩を加えてさらに混ぜ合わせる。

3. フライパンを熱し、ごま油を引き、2を全部流し入れ、弱火でフタをしてしっかり焼く。

4. 焼けたら裏返さずにフライ返しで取り出し、焼き目を下にして固く絞った濡れふきんにのせる。

5. 表面に浅い切れ目を横に1cm間隔で入れ、温かいうちにふきんを利用しながら巻く。

6. 完全に冷めてから切る。

黒豆煮

【材料】●黒豆 200g ●洗双糖 90g ●塩 小さじ1弱 ●醤油 小さじ1弱 
●重曹 少々 

●お湯 4と1/2カップ(45℃くらい)

【作り方】

  1.  黒豆を洗い、材料を全部合わせて一晩置く。

  2.  中火にかけ、ふつふつしてきたら半カップのびっくり水を入れる。

  3.  あくを取りながら弱火で3〜4時間豆が柔らかくなるまで煮る。

  4.  水は豆がかぶる程度に足していく。

<値段は倍以上するけれど丹波の黒豆を使うと味も見た目も抜群です。>

その3 豆腐(2006年10月)

じつは豆腐はあまり好きじゃなかった。夏の冷奴なんか何となく箸を付けるのが後回しになっていきだんだん生温かくなってしまい、ますますおいしくなくなるという食べ方をしていた。

しかし、この夏はなぜか冷奴がおいしく感じられるようになり、ビール飲みながらよく食べたなあ。歳のせいかしら。でも涼しくなってきてちょっと冷たいお豆腐は・・・という時はおいしい食べ方をお客さんから教えていただいた。

鍋にたっぷりの湯を沸かし、パックごと豆腐を入れ蓋をして火を止めて20分ほどそのままおいてから食べる。熱くて各自に切り分けて盛るのはむずかしいので大きいスプーンなどで取り分けていただく。豆腐の甘みが引き立ってそのままでもおいしい。シンプルにかつお節やおろし生姜にお醤油というのもいいけれど、練り味噌が合うように思う。ざる豆腐に塩をかけて食べる、というのが流行っていたみたいだけれど、これにもとっておきの塩をぱらりというのもいいんじゃないだろうか。

お店をやっていると、売れ残った時が豆腐を食べる時。食べたい時にはなかったり、はたまた何日も食べ続けなくてはいけなかったり。賞味期限が過ぎたものでもじゅうぶん食べられる。でもさすがに期限後3日も4日の経つと味が落ちてくるのでそういう時は入り豆腐などにする。

最近友人から教えてもらった豆腐料理を紹介しよう。聞いた時は出来上がりや味が想像できなくて、後日改めて詳しく教えてもらい(本当は作ったのを食べさせてもらいたかったけれどまだ機会がない)半信半疑で作ってみたら、不思議においしかった。

豆腐の長いも焼き

【材料】(フライパン1枚分で)●豆腐 1/2丁、●長いも 150g(パックの半分)、●醤油、●かつお節たっぷり、

【作り方】

1、豆腐は水切りして横半分に切る。長いもはすりおろす。

2、フライパンに油を熱し豆腐を並べて置き、長いもをかけて蓋をして弱火でじっくり焼く。

3、焦げ目が付くくらい焼いたらひっくり返して、醤油を回しかけてこんがり焼く。

4、少々崩れても気にせず皿に移し、かつお節をたっぷり載せて、醤油をかけて熱いうちにいただく。

(グラタン皿に入れてオーブンで焼いてもみたけれど、フライパン焼きのほうがだんぜんおいしい。)

 その2 秋いちばんに食べたいもの(2006年9月)

この夏の天候不順で「おやおや」に入荷してくる野菜やくだものはみんな遅れ気味だったけれど、さつま芋にはじまり、れんこん、里芋、りんごやぶどうや梨などぞくぞくと出揃ってきた。皆さんにとって秋一番の味覚はなんですか?

ポランの産地直送鮮さんま、よく太っていて脂が乗り、とてもおいしかった。シンプルな塩焼きと刺身でいただきました。

9月中旬少し涼しくなった時は、売れ残りの酸っぱくなってしまったキムチともやし、豚バラ肉、豆腐、しらたき、ぶなしめじでさっそく鍋料理。

きのこ汁も作った。昔はいろいろなきのこを採ってきて食べてみたけれど、結局おいしく採りやすいものに落ち着き、秋一番はハナイグチ(唐松林によく出る、地元ではリコボウ、ジコウボウなどと呼ばれているぬめりのあるきのこ)のきのこ汁。ごぼう、里芋、玉ねぎ、にんじん、豚肉も入れて味噌仕立てがうちの定番。長ねぎだけを加えたしょうゆ味のシンプルな汁もおいしい。(以前、お客さんから教えてもらったレシピ)その昔、知り合いのチェコ人が我が家に来た時に作ってくれたのは、にんにく、玉ねぎと一緒にソテーしたもの。おいしかったけれど一度にたくさんは食べられない。もう少ししたら出てくるクリタケで作る炊き込みご飯も楽しみ。

さて、子どもの頃から大好きだったさんま。たくさん食べたい!!

さんまごはん

【材料】3〜4人前 ●さんま 2尾、●昆布 15cm位、●白米 2合、●酒 50cc位たっぷり、●醤油 大さじ2、●みりん 大さじ1、

【作り方】

1、米をといで調味料を入れ、少し固めの水加減で用意して置く。

2、さんまを焼く。(内臓が嫌いな人は取り出して。フライパンにクッキングペーパーを敷いてふたをして焼くと煙も出ないし後片付けも楽。)

3、昆布を敷いて頭と尾を取ったさんまをのせてごはんを炊く。

4、炊き上がったらさんまの骨をはずし、身をほぐしながらざっくりと混ぜ、あれば三つ葉、青しその千切り、針生姜などをのせる。

(土鍋で炊いて、ドンと食卓に載せれば豪華に見えます。)

そのほかに作ってみたいさんま料理

蒲焼丼 三枚におろし、片栗粉をまぶしてフライパンで焼き、醤油、砂糖、みりんのたれをからめて、ごはんに載せ、山椒の粉を振る。

つみれ 手に入り難くなったいわしの代わりに。おろして皮を除いた身に、みそ、生姜汁、片栗粉、酒を加えてたたいて練り、汁にいれたり、焼いたり。

その1 夏の終わりの麺(2006年8月)
  とにかく麺類が大好き。暑い時でもたっぷりの湯を沸かし、スパゲッティーやそうめん、冷やし中華などよく作る。たいていは休日の昼ごはんで食べることが多いのだけれど、夕ごはんにも晩酌のつまみになるような焼きそばやパスタ類がよく登場。

そろそろ食べ飽きてきた夏野菜だけれど、家庭菜園などで作っている場合はまだまだたくさん採れるし今のうちにたくさん食べておきたい。夏野菜をたっぷり使った料理といえば、やはり何といっても「ラタトゥーユ」トマトをベースに玉ねぎ、なす、ズッキーニ、ピーマン、パプリカ、かぼちゃなどをオリーブオイルで炒め煮する。とにかくたっぷり作り、最初は薄味でそのまま食べて(冷めてもおいしいし・・・)次には少し塩味をきかせてパスタにかける。最後は肉などたして夏野菜のカレーに変身。夏しか食べられない味。何回も作り夏野菜を堪能する。


まだまだ何度も食べたい 
☆フレッシュトマトのパスタ

【材料】 ●トマト(ミニトマトでも)●好みのパスタ●にんにく、オリーブオイル、塩、コショウ、

鍋にたっぷりの湯を沸かし、トマトを用意。2cm角くらいに刻む。(皮が気になる人は湯剥きする)フライパンにオリーブオイル大匙2とみじん切りにしたにんにくを入れたら火にかけ、焦がさないように炒めて香りが出てきたらトマトを入れて煮詰める。茹で上がったパスタにからめ、皿に盛り、ちぎったバジル、または刻んだ青じそやパセリなどを散らす。

夏向きというわけでもないけれど、すごく簡単! 
☆キャベツとツナの和風パスタ

【材料】(2人前) ●細スパゲッティー(フェデリーニ)180g ●キャベツ200g

●ツナ缶 1缶 ●醤油 大さじ 1 ●コショウ、塩、各少々 ●焼き海苔

パスタが茹で上がる1分程前に、ざく切りにしたキャベツを加え、手早くザルに上げ同じなべに移し(またはボウルに)ツナと醤油であえる。塩、コショウで味を整えたら皿に盛り、きざみ海苔か、もみ海苔をのせる。

<ポイント>キャベツは茹ですぎないように。ゆで汁をあらかじめ取り分けておき、あえる時に加えるといい。バターをのせるとさらに美味。

そうめんに飽きてしまったら・・
☆鉄火なすそうめん

なす、ピーマン、玉ねぎなどを油で炒めて、みそ、料理酒、味の母、洗双糖で少し濃い目に味付けし(ゆるめに仕上げて)、茹で上げて冷水にとったそうめんにかけてからめながら食べる。コチジャン(またはタバスコ)、酢などをかけてもおいしい。

☆マーボーなすそうめん

さいの目に切ったなすを炒め、マーボー豆腐の素で味付けして冷たいそうめんにかける。

熱いあんと冷たいめんがからまって、なんともおいしい。   

「八百屋おやおや」の誕生と今後

ヨーコ

「まる京のよもやま話」は、先月、第100話で連載終了になりました。

第1話の掲載は1997年6月号でした。それ以前にも「はたけの話」と題して18話掲載されていたので10年以上も続けて書いていただいたことになります。「はたけの話」は『おやおや』のお客様として松本に暮らしていた頃市民農園を借りて野菜作りを始めたお話を、それから湘南に移り住んでからはいろいろな、まさに四方山話を書いて送っていただき楽しませていただきました。まる京こと須賀京子さんありがとうございました。

で、紙面が空いてしまったので・・・

最近ふと気が付けば、お客さまの顔ぶれがずい分変わってきている。なかなか顔と名前が覚えられない(年のせいです)お客さまが増えて、昔の「おやおや」を知っている方が少なくなってきたではないか。ということで、ちょっとお店の歴史を振り返ってみようと思います。

「八百屋おやおや」が誕生したのは、1984年の春。今も店長である村井毅が、当時住んでいた家の玄関約1坪ほどを改装し、数種類の野菜、基本の調味料や乾物、自宅の冷蔵庫を利用して納豆やさんまの開きなどを並べ、他は自分で改造した軽トラックの荷台にそれらを積み込んで団地や住宅街を回ったり、なじみの喫茶店や雑貨屋さんの店先で売り歩く“引き売り”でスタートした。当時はまだ有機野菜やオーガニックなんて言葉は一般的ではなく、無農薬野菜や無添加食品がごく一部の人たちに注目され始めた頃で、日本でそういったお店が出来始めた頃でもあった。

当時は仕入れられる野菜の種類も少なく、冬になると売るものがなくなってしまい、1月から3月頃まで店は休業。北海道や沖縄は与那国島まで友達や知り合いの家に泊めてもらったりの長期旅行もできて、お金はなかったけれど楽しかったそうですよ。(他のスタッフはアルバイトをしたり、外国旅行などにも行ったり・・・)また、畑を借りてスタッフが交代で野菜を作ったり、さまざまなイベントに参加し出店もしたりして、のんびりした時代だったんだね。

今の店舗は5年後の89年4月から。引き売りはやめて配達に、また徐々に商品も増えて冬も野菜を仕入れられるようになったので、冬の長期休業もなくなり、だんだん忙しくなっていく。多くのスタッフやお客様に支えられてこんなに長く続けてこられました。

さて、ちまたでは空前の健康食品&サプリメント&ダイエットブーム。大手スーパーにも有機野菜が並び、外食産業でもどんどん取り入れられるようになりました。そして一握りの人たちのものだったマクロビオティックも今やおしゃれな流行の最先端に・・・。

そんななか、「おやおや」に出来ることはなんだろうって考えてしまう。本物の信用できる安心の食材をコツコツと届けていくことだろうか?そして、お客さんには確かな目で選んだ材料できちんと手をかけて、何よりもおいしく楽しく食べていただきたいと願っています。

(2006年8月)

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