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ルチオ・フルチ
LUCIO FULCI
(1927-1996)

《監督》
*真昼の用心棒(1966)
*マッキラー(1972)
*荒野の処刑(1975)
*ルチオ・フルチの ザ・サイキック(1977)
*新・復讐の用心棒(1978)
*サンゲリア(1979)
*地獄の門(1980)
*ビヨンド(1980)
*墓地裏の家(1981)
*マンハッタン・ベイビー(1983)
*ザ・リッパー(1982)
*未来帝国ローマ(1983)
*ルチオ・フルチのマーダロック(1985)
*怒霊界エニグマ(1988)
*サンゲリア2(1988)
*ルチオ・フルチのホラー・ハウス(1989)
*ルチオ・フルチの新デモンズ(1990)
*ナイトメア・コンサート(1990)


「真昼の用心棒』と云われても、マカロニ・ウエスタンのマニアではない私はポカンとしてしまう。同じような邦題ばかりなので、どれがどれだか区別がつかないからだが、とにかく、下積みの長かったフルチが最初に当てたのが『真昼の用心棒』だった。以後は地道に職人監督としての道を歩むが、或る日突然『サンゲリア』が大当り。一躍グロテスク・ホラーの顔として時代の寵児に躍り出てしまう。これに最も驚いたのは当人だったのではないだろうか?。以後、死ぬまでグロテスク・ホラーを撮り続けるハメとなる。

 この人の特徴は「作家性ゼロ」にある。既存の描写をそっくりそのまま引用し、且つ徹底的にグロテスクに再現する。
 例えば『サンゲリア』におけるゾンビの徘徊シーン。誰の眼からも明らかにロメロの『ゾンビ』からの引用であるが、その眼からは蛆がこぼれ落ちている。「そこまでやるかあ?」と誰もが思う。結果、皮肉なことに、誰が見てもフルチと判る作家性を獲得してしまっている。「作家性ゼロだが徹底的にグロテスク」という作家性だ。
「どこかで観たことあるけど、ここまでやるのはフルチだろ?」
 このような評価は作家として嬉しいものなのか?。フルチに訊いてみたいものである。

 しかし、訊くことは出来ない。96年3月13日、就寝前のインシュリン注射を忘れたフルチは世を去った。
 実は自殺だったとの説もある。


関連作品

サンゲリア(ZOMBI 2)
地獄の門(THE GATES OF HELL)
ビヨンド(THE BEYOND)
サンゲリア2(ZOMBI 3)
ルチオ・フルチの新デモンズ(DEMONIA)


 

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