ルチオ・フルチ 《監督》 |
「真昼の用心棒』と云われても、マカロニ・ウエスタンのマニアではない私はポカンとしてしまう。同じような邦題ばかりなので、どれがどれだか区別がつかないからだが、とにかく、下積みの長かったフルチが最初に当てたのが『真昼の用心棒』だった。以後は地道に職人監督としての道を歩むが、或る日突然『サンゲリア』が大当り。一躍グロテスク・ホラーの顔として時代の寵児に躍り出てしまう。これに最も驚いたのは当人だったのではないだろうか?。以後、死ぬまでグロテスク・ホラーを撮り続けるハメとなる。 この人の特徴は「作家性ゼロ」にある。既存の描写をそっくりそのまま引用し、且つ徹底的にグロテスクに再現する。 しかし、訊くことは出来ない。96年3月13日、就寝前のインシュリン注射を忘れたフルチは世を去った。 |
関連作品 |
サンゲリア(ZOMBI 2) |