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時の話題2005-9
LAST UPDATE 2005-10-27
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◇印は《日々雑感新掲示板》より転載

靖国参拝違憲判決(05/9/30〜10/23) ◇抗議と連帯の思想(05/9/25) ◇「学校Webサイト」という隠れたカリキュラム(06/9/17〜29) ◇振り込め詐欺と情報安全教育(05/9/14) ◇総選挙2005(05/9/4〜13) ◇「電車男」と「個」の特定(05/9/1)


【靖国参拝違憲判決】vol.277《日々雑感より》
◆小泉首相の靖国参拝を違憲とする大阪高裁判決は、形式的には国側勝訴で上告できないためこの司法判断は確定する。判例にはならないと自民党は言うが、そんなことはない。むしろ報復人事が心配され、それは単に大阪高裁への報復にとどまらず、司法の独立を脅かす「判例」にされるだろう。また、「だから憲法がおかしいのだ」という改憲派の転倒した口実にも使われるだろう。阪神が巨人戦でリーグ優勝を決めたことと合わせて記憶したいものだ。(667、05/9/30)
◆9月29日の東京高裁判決、翌30日の大阪高裁判決と、首相の靖国参拝を問う訴訟の判決が続きました。どちらも原告の請求は棄却したものの、大阪高裁判決文には「靖国参拝は首相の職務行為であり、憲法が禁止する宗教的活動にあたる」として違憲判断を示しています。(05/10/23、かばやんさんへの
新掲示板レス)[→9月目次]
 ※関連 vol.280◇違憲判決を無視する小泉の靖国参拝
      vol.283◆「違憲判決」と「傍論」

【抗議と連帯の思想】vol.276《日々雑感より》
◆我ながら穏やかな注意ができたものだ。近所の遊歩道はバイク禁止だが、バイクに乗った若者と時おり出くわす。これまでは火も出んばかりに怒鳴り付けてきたkurochanだが、さっきは穏やかに「おい、ここバイクで走ったらあかんぞ」と言っていた。ニケツノーヘルまでは注意できなかったのだが、別に刺されるのが恐いと思ったからではない。それなら初めから、見て見ぬふりをしてきたはずだ。腹は立つけど、受け入れさせる注意の仕方を選んでいたのなら、つい頭ごなしに息子を叱ってしまいがちな自分への自戒がようやく身につき始めたのかもしれない。ハンドルを握ってきたヤンキー風の兄ちゃんはバツ割るそうな苦笑いを見せて通り過ぎた。やはり効き目のある叱り方というのはあるのだろうし、存在を否定するための怒声と、人として繋がるために心をぶつけることとは本質的に大きな違いがあるはずなのだ。「俺はお前に言うべきことは言う。でも人としてお前の存在を否定はしないし、関係を避けようとも思わない」。そんな働き掛けをすることも、受け止めることもできる人になり、そんな人でい続けたいものだ。(665、05/9/25)
◆靴を踏まれた人の抗議の言葉遣いが、靴を踏んだ人を免罪することは論理的におかしい。言葉遣いがどうあれ、被害者は被害者だ。ただし、加害者は靴を踏んだ人なのか、そういう状況を作り出した背景なのかは見極める必要がある。また、事の善悪と、解決のための手法が効果的かどうかは別次元の話だ。問題は、その手法の根底に、連帯の意識があるかどうかが問われる点だ。これは、部落解放運動における糾弾闘争や、戦中戦後を通じた在日外国人の権利闘争が、当事者の激しい言葉をも含めて決して間違ってはいなかったことと、変化する時代を共に生きる者同士としてその手法もまた変化せざるをえないことにも通じる問題であろう。(05/9/27筆)[→9月目次]


【「学校Webサイト」という隠れたカリキュラム】vol.275《日々雑感より》
◆「学校webサイト作成ヒント集」もあれこれ改訂増補をしたいところ。クラブ活動の結果はマメに掲載したいところだし、日常の行事計画も丁寧に載せたい。給食がある学校なら日替わりの献立も載せよう。これらは保護者がもっとも関心をよせるコンテンツだ。従来から文書で配布してきた保護者への情報は多々あるし、図書室や保健室等からのたより、生徒指導や人権教育からの通信、育友会や同窓会関係の連絡や案内もサイトに載せられるものは多々あり、有意義でもある。高校なら中学生とその保護者への学校紹介は重要だ。また、進学先の学校や就職先企業以外にも、行事等で来校してもらう人々が学校サイトをチェックしてから来校される場合も多い。義務制なら校区の話題や歴史を取り上げることが、地域との連携につながる。生徒の写真や作品の掲載には慎重さが必要だが、生き生きとした学校生活を伝えるには恰好の材料だ。校歌のダウンロード音楽ファイルも準備したいところ。警報発令時の対応や、体育祭や遠足等が当日開催されるかどうかの速報も予告したうえで流すと、朝から電話の対応に忙殺されたり、何度かけても話し中の不快感を与えずにすむようになる。泊を伴う行事では、無事着いた・こんな活動をしたといった情報をできれば画像入りで現地から伝えたい。サイトの掲載内容は通常学校長に責任があるが、慎重な決裁と速報性確保の兼ねあいをどうするかも、サイト管理者と管理職とで呼吸を合わせておく必要がある。情報処理クラブがあるなら、いろんな機会に活躍の場を作ってやりたい。複数の教員が管理できるシステムとソフトを導入できればなおよい。などなど、改訂増補版を気長に期待しておいてくださいね。(659、05/9/17)
◆勤務校モバイルページを公開。ある生徒が「うち(我が家)にはパソコンがないから携帯サイトのアドレスを教えてほしい」と言ってきたのだ。勤務校のサイトには文化祭のステージ写真やクラブの試合結果等が載っているということなんかが話題になったりしているようで、彼女もそれらを見たいと思ったのかもしれない。生徒に限らずネットはケータイからという人もいることを考えれば、学校Webサイトは携帯(モバイル)版も必要なのだろう。今回は2年生修学旅行現地報告で「無事到着」の類の情報をアクセス手軽な携帯サイトで保護者に知らせていこうということで特別に開設したのだが、その後も常設サイトとして継続する可能性もある。ケータイネット情報の在り方として、いい意味で「隠れたカリキュラム」として生徒たちに影響するよう、仕掛けていきたいものだ。(663、05/9/22)
◆学校Webサイトに限らないが、更新ネタはいくらでも転がっているものだ。本当につまらない情報なら更新しない方がましだし、意味ある情報でもネットにはなじまないものもある。生身の人間が集い、継続的な関わりを深める学びの場が学校なら、サイトによる情報提供は教員の一義的な仕事ではない。時間とスキルと根気がなければ、学校Webサイトの日常的な更新はできない。支援ツールを使った全教員参加型の運営をしている学校Webサイトもあるが、一般的には「情報科」担当教員か、情報教育にかかわる分掌のメンバーが、ほとんど一人で運営しているのではないだろうか。学校Webサイト管理人の他の業務や異動が、更新頻度や内容に大きな影響を与える。今やサイトの開設は小学生にまで広がり、民間企業はサイトがあって当たり前の世の中になりつつある。放置された学校Webサイトがサーバー侵入の土台にされる例も多い。教委には、個人の研修企画にとどまらず、サイト運営への支援活動も進めてもらいたいものだ。各校の校内ネットワークを教委が一括管理し、毎週末にデータのバックアップまでしている自治体もあるが、監視強化は御免被りたいけどね。(666、05/9/29)[→9月目次]


【振り込め詐欺と情報安全教育】vol.274《日々雑感より》
◆昨日、同僚の男性教員宅に「振り込め詐欺」の電話があったという。妻が電話を受け、夫に裸にされたという女子生徒との示談を持ち掛けられたようだ。妻は怪しいと思ったが、巧みに脅されたらしい。結局は、引っ掛からなかったのだが、せめて口座番号を聞き出して、嫌みでごく少額を振り込み、口座差し押さえを要請すべきだったと反省していた同僚だ。ヤミ金崩れの悪質な組織犯罪だったりするから、それもまた危険だ。同じ日に実際に振り込んでしまった例が他県であったようで、関西でも増えつつあるこの手の詐欺には十二分に警戒しなければならない。同僚の妻は、確認のため、被害届けが一旦出されたという警察に電話するのでどこの警察が聞いたのだが、「揉み消そうとするのか」と脅されたという。この手の詐欺は多様化・巧妙化しているので、いざというときの対応も難しいようだ。ケータイでいきなり有料会員登録済みの画面が現れたり、債権譲渡されたのですぐに振り込めという電子メールがきたり、裁判所や架空の法律を持ち出した文面で脅す葉書がきたりといった詐欺も増えており、生徒たちからも焦ったという話を聞くことがある。情報安全教育が急がれる状況だ。(658、05/9/14)[→9月目次]

【総選挙2005】vol.273《日々雑感新掲示板レスより》
>「民営化」賛成の人が勝っても、反対の人が勝っても、大概どちらも改憲派でしょ?
まさにそこが問題ですよね。しかも「郵政民営化」そのものも「刺客」手法をめぐる話題を追うばかりのマスコミには、論点を深めようとする姿勢がない。詐欺的手法で若干採択を増やしたとはいえ1%を大きく割るようでは「リベンジ」ならずの惨敗に終わった「つくる会」中学公民・歴史教科書採択問題、首相・閣僚らの靖国参拝問題、それらと連動する教育基本法や憲法改悪問題、国民年金や社会保険の制度や運用の改善の問題、富の二極化を解消しながらの景気回復の課題、などなど大切な争点が多々あり、議論・説明不足の郵政一点で話題になる人物ばかりが選ばれれば大変なことになると、僕も思います。小泉も綿貫も靖国が好きですからね。そのへんも考え合わせて、投票所にいきましょう!それと、最近ロクな判決を出していない最高裁判事の国民審査もありますよ。(woodyhill[モリモリ]さんへの掲示板レス、05/9/4)
◆開票が進む衆院選・最高裁判事国民審査だが、与党が議席の過半数を獲得する見込み。郵政民営化で、国民の財産が一部の資本家に払い下げられ、利権が利権を呼ぶ経済をまねくことになろう。靖国参拝と九条改憲で、嘘と不信の政治をもたらすことになろう。最高裁はますます政官を助け民を虐げ、真理と理想を貴ぶ心が軽んじられる社会が子どもたちの瞳を曇らせるだろう。闘いはこれからだ。(657、05/9/11)
◆「民営化」とか「受益者負担」だとか、公的資産の都合いい運用が庶民にどんな負担を強いるのか、郵政民営化に限らず、今後次々と審議されるだろう数々の法案の行く末を心配しつつ、庶民の願いを汲み取り期待を背負える強力な野党(連合)を地道に育てることにもつながる取組を地域から積み重ねていきたいものですね。(フーセンの羊さんへの掲示板レス、05/9/12)
◆「自民大勝」とはいうものの、比例区では与党と野党の得票比は53対47、「刺客」選挙区では郵政民営反対派が勝ち越し。とはいえ小選挙区の圧勝で与党議席数が改憲発議可能な三分の二を占めたというのが現実の結果。小泉首相はまず後継レースを餌として大所帯に縛りをかけていく様子ですが、そうした翼賛型の組織運営が実社会や教育現場に一層浸透するのではと警戒しています。「勝ち組」を見極めて擦り寄るという発想が判断の第一基準という世の中は、結局全ての人を息苦しくさせるということに気付くべきですね。気付いたころにはもう遅いというのでは、いくらモノがあふれていようとも悲しく貧しい人生を強いる社会としかいえませんからね。憲法も福祉も教育もしかりです。郵政民営化の本質は橋本派の解体だとか、アメリカ資本へのプレゼントだとか言われていますが、ただでさえ公社化にともなう過重労働で過労死が増えているのに、この先、国鉄民営化以上の悲劇が待ち受けているようにも思います。クロネコとの宅配競争にしてもクロネコを応援したくなりますが、現場の郵便局員にとれば労働強化でしかないわけです。本当の豊かさと人間の連帯を求めて頑張っていきましょう。(ようちゃんへの掲示板レス、05/9/13)[→9月目次]


【「電車男」と「個」の特定】vol.272《日々雑感より》
◆9/1夜の「電車男」(第9話)が最後に投げかけたテーマは重い。「エルメス」との出会いから、その後の事の成り行きを、「電車」が事細かく掲示板(スレッド)へ書き記してきたことが「裏切り」になるのかどうかだ。判例研究や心理学、教育研究など様々な分野で、「ケーススタディ」として個別具体の事例を第三者が考察の対象とすることは多い。しかしそれは「個」を特定することが目的ではないし、「個」を特定しかねない情報は最大限伏せるのが鉄則だ。ところが、ネット掲示板の場合は、事情が異なる。確かに「電車」は「青山さん」を「エルメス」と言い換えているように「個」の特定を避けるための配慮はしている。「エルメス」を特定されることで「電車」自身が特定されることを避ける側面もあるが。しかし、「電車」や他の「住人」の意図とは別に、無責任な、時には悪意の閲覧者がいることを無視できない。目的を共有するメンバーに限定するならメーリングリストや電子会議室を使うべきである。それでも悪意は排除しきれないが。まして、近しいものに「個」を特定させうる記述は、柳美里「石に泳ぐ魚」出版差し止めに通じる問題をはらむ。これが、日常接触している者の間で発覚すれば、その関係が危機に瀕するのは避けられないだろう。僕が「ケータイと子どもたち」などに身近な具体例を書けないのもそのためである。そして、実際のネット上には、悪意とともに「個」を特定させようとする書き込みが横行しているのが実態であり、子どもたちのサイトでのBBSフレーミング(ネットバトル)はテキストの先鋭化によって第二の佐世保事件を生みかねない危うさがある。いやすでに日常的な警戒心が息苦しさを子どもたちに強いていることに気付かねばならない。目の前の二人の友達が、自分の悪口ケータイメールを交わしている場合さえあるのだ。そんなキワドすぎるテーマを「電車男」は次回どう描くのだろうか。(653、05/9/1)[→9月目次]


























<アンカージャンプ用の画面余白です>