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時の話題
2004-2〜1
2005-03-09
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◇印は《日々雑感》より転載
北朝鮮をめぐる報道は歪んでいないか(05/2/16) ◇公金の扱い(05/2/14〜3/4) ◇「反日感情」の分析(05/2/10〜14) ◇奈良県外教第30回学習会(05/2/7〜8) ◇「一太郎」敗訴に思う(05/2/2)


【公金の扱い】vol.250《新掲示板レスより》
◆一般に、何が「厚遇」で何が当然の「重点予算」なのかは政治的にも意見が分かれるものですが、今回の大阪市の件は(詳しくは情報を追っていないんですが)、やはり非難されて当然の話なんでしょうね。でも考えてみれば、同じ汚い話でも、大阪市の件はストレートすぎただけで、全国各地には、国家予算を筆頭に、回りくどくて汚さが実感しにくいというだけの、やっぱり汚い公金横領が多々あるんだろうとも思います。僕は奈良県の教育公務員ですが、その立場からいえば、予算配分が随分と大ざっぱだなぁと思ったり、逆に硬直した使途指定が必要な予算措置を阻んでいると思ったりということがあります。公金横領とまでは言えなくても、「公金=血税」という意識が薄いのは財務官僚以下に浸透している悪弊なんでしょうね。
 しかし、難しい問題もあります。たとえば、学校職員が学校の敷地にマイカーを駐車するのに駐車代金が必要ではないかという議論ですが、混雑解消も兼ねた大都市圏とは違い、奈良県の場合、急な家庭訪問やクラブの遠征等、マイカーを公用車として提供している面も否定できないわけです。市価の半額が妥当という意見は、そうした観点から主張されているわけですが、これも個人差や地域差が大きく、解決の難しい問題ですね。長期休業中に、自宅でもできる仕事(プリント作成等)でも出勤して仕事しなければならないのですが、その場合の燃料費や通勤時間は無駄ではないかとか、仕事を自宅に持ち帰る場合と学校で残業する場合の電気代や冷暖房費の扱いはどうすべきかとか、勤務形態においても経費面においても、公私の境目が難しい側面があるんですね。公務員がオンブズマンを敬遠することが多い中、僕はオンブズマンの方々の活動を基本的に支持する者ですが、社会全体の文脈から、叩きにくくても叩くべき「公金横領」をきっちり見定めて運動をしてもらいたいなあと、時々思っています。(エドモンズさんへの掲示板レス、05/2/14)
◆警察の裏金といい、大阪市の手厚い福利といい、公金の扱いに関するダーティーな話題が続いていますが、道路公団や特殊法人の話はどうなったんでしょうかね。武器輸出三原則緩和などという、つまりは兵器輸出で儲けようという平和主義に反する話も、大阪市の福利が聞いておどろく水増し言い値がまかり通る市場だけに、ダーティーさも桁外れなのに、やっぱりマスコミは見てみぬふり。叩きやすいところをよく心得ているという話でもありますね。(エドモンズさんへの掲示板レス、05/3/4)[→2月目次]


【「反日感情」の分析】vol.249《新掲示板レスより》
◆(日本が負けた時に)「韓国で大喜びしている映像」は、そうでないとテレビでは使えないから、そんなのばかりが流される傾向が強いということと、何かにつけ感情表現が豊かなコリアンの文化を考慮に入れて見る必要があるということに、気付かなければならないと思いますよ。戦争中と同様、人の判断を誤らせるものは、そうした情報操作や、異文化理解の不十分さが大きな原因だと思います。どの民族にとっても陥りやすい点でしょうしね。小泉さんに言われるまでもなく、「大人」でいたいものですね。(日本人ですさんへの掲示板レス、05/2/10)
韓国は、国定教科書で副教材も認められていないそうですが、そうした教育事情を当の韓国の教員に話を伺ったことがあります。また、高崎宗司さんが、講談社現代新書で「反日感情」を出しています。(このなかで反日教育についても論じられていますが、)要は、日本による植民地統治を詳しく書かなければ、歴史教科書にはなり得ない。そして、日本の負の側面も描かざるを得ないのだが、それが目的かというと、決してそうではない。という具体的な分析です。扇情的で排他的な扶桑社や展開社あたりの本などよりは、よほど冷静な分析だと思います。自国の罪を関係国の教科書が触れざるを得ないのは当然だし、それは決して敵意を煽ることではなく、豊かな未来を共有するための歴史認識に資するものだということを、ドイツに関わる歴史教材からも学ぶ必要がありますよね。ただし、「被害者アイデンティティー」の陥穽には、警戒しなければなりません。これは、日本の戦時被害や拉致被害に対する姿勢にも通じるものだと、僕は思っています。(日本人ですさんへの掲示板レス、05/2/14)[→2月目次]

【奈良県外教第30回学習会】vol.248《日々雑感より》
◆第30回奈良県外教学習会に参加。ニューカマーの中国人高校生の作文発表に続き、ある在日コリアンのおばあさん(ハルモニ)を描いた「海女のリャンさん」上映。そして在日韓国人問題研究所の佐藤信行さんの講演という、きわめて貴重でタイムリーな研修会であった。
 渡日後、中国人差別にあいながらも頑張ってきたリーくんは、親の痛みも受けとめ、自分の生き方を見失うまいとふんばっている。リーくんはなぜ頑張らねばならないのかを日本人として受け止めなければならない。
 「海女のリャンさん」は、朝鮮人差別や南北分断に翻弄されながらもたくましく生き抜いてきたリャンさんが年老いた体をひきずり、どんな思いで済州島[チェジュド]を訪れたり万景峰[マンギョンボン]号に乗るのか、いまこそすべての日本人に観てもらいたいドキュメンタリーだ。あのハルモニの額の皺とこらえ切れぬ涙は、切り取られた断片的ニュースからは決して見えてこない、日本と朝鮮半島の真実の歴史が、今も生身の生き様に厳しく脈打っていることを教えてくれる。
 そして、「三千里」を50号まで発行しつづけ今は「RAIK通信」を発行するなど、在日コリアンや移住者の人権問題に関わり続けてこられた佐藤信行さんの講演は、豊富で的確な資料とともに、戦後史の在日外国人問題を明快に整理し、課題を提示してくださるものだった。kurochanも、多文化共生を育む人権教育課題のみならず、世界史等の授業に関連づけるべき現代日本の問題点にも多く気付かされるなど、多くのヒントと刺激を得たが、その後、佐藤さんを囲む会に同席させてもらい、ますます魅了されたのだ。おとなしくしているわけにはいかない。(589、05/2/7に加筆2/8)[→2月目次]


【「一太郎」敗訴に思う】vol.247《日々雑感より》
◆「ワード」より「一太郎」の方が日本語ワープロとしては優れている、と思っていても口に出せない人が多いのではないか。「一太郎」の方が「好き」とか「慣れているから」と控えめに言う人もいるが、僕はハッキリ言いたい。「一太郎」の方が日本語ワープロとしては優れている。ただし、英文や数式を多用する人にはその限りではないだろう。
 ジャストシステムに対し「一太郎」「花子」の製造販売を禁じ廃棄を命ずる東京地裁の判決には、やはり納得しかねるのだ。ヘルプ表示の特許権を松下電器産業に認めたわけだが、汎用性の高い基本的なアイディアは、ぜひとも共有財産にしてもらいたいものだ。IBMがパソコン生産部門を切り捨てたように、ハードウェアの利幅は限りなく薄まり、電気機器量販店も激しい再編が繰り広げられている。その結果、ソフトウェアで儲けるために各メーカーは特許権商法に切り替えたようだ。バイオテクノロジー業界では、すでに強引ともいえる特許権争奪競争が繰り広げられているが、こうした動向が人類に幸福をもたらすとは思えない。「リナックスの思想に学べ」と叫びたくなるkurochanである。(587、05/2/2)[→2月目次]


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