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[No.120] ぐい呑み「夏日青林 」  価格     '13. 7. 1 up

       (   それぞれ 7.5 cm x 4.5 H cm )


5月に信州諏訪に帰省した折、もう半年ぶりになるでしょうか幼なじみといつもの処でお酒を酌み交わし久しぶりに旧交を深めることが出来て楽しかった。今度は7月にまた逢おうね・・って、 時の経つのも2カ月くらいはアッと言う間で本当に速く感じます。

今度の時は私の造った”ぐい呑み”で日本酒、いいね・・、との提案がありました。普通の人なら「ああ、お世辞に言ってくれたんだ・・」くらいの理解力はあるでしょう。

そんな社会の常識が通用しないのが幼なじみの友達感覚です。私はすっかり嬉しくなって帰京の後、早速轆轤に向かいました。


どうでしょうか・・・淡い恋心を抱きながらその昔・・大昔?、好きだった彼氏のためにひたすらマフラーを編んだ事のある方、「あの人がこれをその首に巻いて欲しい・・・」と想い浮かべながらも楽しく 没頭した経験を思い出してください。

7月までか・・・時間的にはギリギリ間に合わない事はありません。幾ら心がこもっていてもマフラーを手渡すのが桜の散る頃になってしまってはせっかくのストーリーも台無しです。

そうです、山があり・・・湖があり・・・またこうして元気に再会出来たことを喜び合います。「カンパ〜イ!」

今回の作品はそんな友人たちへのプレゼント・・・非売品です。

次回の更新は 8月1日です


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[No.119] どんぶり兄弟   価格    それぞれ 500円(箱なし送料別) '13. 6. 1 up

       (   13 cm x 7.5 H cm )


私たちの使っている食器がだんだんとつまらなくなってきていませんか。

たしかに現代の忙しい社会の中で”食”は生活の中で単なるエネルギーの補給・・、つまりガソリンスタンド(給餌場)で燃料を詰め込む事と変わらなくなってしまっています。

その給餌場の食器と言えばアメリカ様ファストフード店の紙コップに包み紙や和食チエーン店のプラスティックのどんぶりなど、扱いやすさや作業効率に重点を置いた物の横行です。

話がずれ過ぎるかも知れませんが巌流島の戦いで小次郎が長剣のさやを投げ捨ててにじり寄った時、武蔵に言われました「小次郎破れたり・・!」。だって、さやは刀に着せる器です、 食事の大切な着物(器)があっての料理なのです。先日北大路魯山人の展覧会を見に行って特に強く感じて帰ってきました。

高台に割れ目が入れてあります。萩焼によくみられるもので諸説あります、私は造形的な”美”の句読点・・と捉えてむやみやたらに入れています。そのうちに洗練され「なぜ・・?」などと 言われないような自然さが出せるようになれば本望です。

「幸三郎の割高台」・・・・ムッフフフフ。

次回の更新は 7月1日です


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[No.118] 片口ペアー   価格    2個セット 3、000円(箱なし送料別) '13. 5. 1 up

       (   12 cm x 4.5 H cm )


風薫る皐月の空、関東地方に隣接する益子、笠間などではそれぞれ名前は違いますがいわゆる陶芸祭りが盛んに開催されています。

私も現在とあまり技量は変わりませんが造って徐々に溜まった陶芸品を勤務先の”納涼大会”などの時に売りさばいたことがあります。

昔から、祭りだ・・提灯だ・・・とくれば多少は浮かれた気持も手伝って闇夜でかざした器にホロ酔い加減も加勢して「ヨシ!、買った!!」というお客さんも現れるのです。

何年もしてどこかの席で「幸三郎師匠の湯飲み茶わん、まだ大切に使ってるよ〜」なんて突然言われて「エ・・!、まだ壊れてくれないの・・?」背中に水を掛けられた気持ちになることがあります。


片口・・は手を変え品を変え幾度となく造ってきています。もう生活の用は果す場面はありませんがそのトボケタ形態に私の郷愁がまたまた造らせてしまうようです。

若手作家の造る片口はその用を知る人は少ないように思われます。実際に使って見ると不都合だらけが多いのです、もっとももはやそんな程度で善いのだとあきらめてしまいます。

私のは、と言うと水切り口にも神経を行きとどかせ垂れない・・、伝わらない・・、それなりに気は使っています。

次回の更新は 6月1日です


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[No.117] 野立て茶碗   価格    2個セット 5、000円(箱なし送料別) '13. 4. 1 up

       (   H 6 cm x 8.5 cm )


今年の桜は例年にも増して早咲きで有ったようでした。季節の移ろいを楽しみ時々の花を慈しむ事の出来る国に生まれたことを嬉しく思います。

例年の我が家の桜は私のスキーシーズンの締めくくりに余念のない本当に忙しい時に咲いてそして足早に散っていきます。しかし今年は私にとって真にタイミングよくその間隙を縫って よくぞこの時期に咲いてくれたと大喜びしました。

一方、旅行業者の方々もこの日本の花を愛でる民族風習を是非諸外国のヤバンジン様にも判って楽しんでいただこうと計画を練っていた矢先の早咲き桜にはてんてこ舞いされたご様子だに 聞き及びました。

花と言えば桜の日本ではありますが酒を呑みどんちゃん騒ぎする花見なんかもってのほかです。外国にもランチを持参して野原で食事することもよく目にします。

しかし、伝統あるイギリスあたりでは造園された庭先で紅茶を呑む風習はあれ、日本のようにゴザをひいてお茶を立てる・・野立ての趣きには及ばないと思います。

私が野立ての茶を頂き「ああ、日本の美しい情景・・・」と感じたのは二十歳すぎに鎌倉、瑞泉寺で頂いたのが初めてのことでした。

狭い茶庵で心静かに頂くお茶もあれば、浮き立つ心を自由に飛翔させたまま頂く一服のお茶に大人になった贅沢な情緒を感じる瞬間でもあります。

次回の更新は 5月1日です


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[No.116] 鉄釉コーヒーカップ   価格    2個セット (箱なし送料別) '13. 3. 1 up

       (   H 6 cm x 8.5 cm )


緑茶をのむ茶碗とコーヒーを呑むカップを比較するとどちらかというとコーヒーカップは白無地が多いように感じます。

鎖国時代の長崎出島では既にコーヒーはそこでは存在していたものの私たちがコーヒーを呑むようになったのはブラジル移民の栽培したコーヒーを輸入して以来です。

ですから私たちのコーヒー飲用の歴史は300年前ではなく、つい100年ほどの歴史しかないのです。したがってその器も緑茶用と比較するにはまだまだ研究の余地はありそうです。

と、まあカップ造り職人の末席に座らせて戴いて能書きを言うにはまだ2〜30年早いというものでしょうか。


食器全般に言えることですが先ず機能的であることは言うまでもありませんが次に主役はあくまでもそこに盛られた飲料、食料をいかに引き立たせるかに掛かっていると思います。

花瓶の中には主役であろう花なんかどうでも良い、できれば花みたいな草木など入れないでそのままの器の美を堪能して下さい・・・、といった考え方もあります。どうやらこのコーヒーカップも そんな傾向に感じていただければ嬉しいです。

ナニブンにも小心者の私のこと、褒められて伸びる性格なので・・・ハイ!。

次回の更新は 4月1日です


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抹茶々碗「初雪」

[No.115] 抹茶々碗「初雪」   価格    5、000円(箱なし送料別) '13. 2. 1 up

       (   9 x 5.5  cm )


今まで抹茶々碗は結構作ってきましたが圧倒的に多いのは轆轤成形、次には紐状粘土を重ね上げて作るいわゆる手ビネリと言う作り方でした。

しかしこれも手ビネリと言うんでしょうか・・・、練り上げた粘土の塊に穴を繰り抜きながら形を整えて造り上げたのがこの作品です。

しかし想わぬ誤算がありました。大昔、私の子供たちの夏休み工作に陶芸をやらせた時は学童用の信楽粘土を使ったので気がつかなかったのですが今使っている粘土は極めて成形性の悪い 粘土だったのです。

学童用粘土は粘り気も強く、成型で厚さの均一性が無くても歪みに強くそして焼損じも少ないという優れたものでした。しかし焼き上がりの風合いを求める現在の使用粘土である五斗蒔き粘土 は練り込むことにより粘性が生まれてくるのです。ですから静止した状態の土は直ぐにその粘性を失ってひび割れたり乾燥で既に剥離したりしてしまうのです。


今回4個造りましたが素焼の段階で2個にひび割れが生じ更に本焼きで残るもうひとつの器も大きな損傷を受けてしまいました。ですからこの器は生存率25%となってしまいました。

この抹茶々碗「初雪」は途中脱落した兄弟の分までその風情をよく受け継いでくれたと思いました。

次回の更新は 3月1日です


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花コーヒーカップ

[No.114] 花コーヒーカップ   価格   2組セット価格 3、000円(箱なし送料別) '13. 1. 1 up

       (  それぞれ 8~9 x 5~5.5  cm )




 新年明けましておめでとうございます

本年も「陶芸のこと」ご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。何に関してもそうですが自分ではかなり変化させたつもりで居てもよそ様の眼では「どこが・・?」というのが常です。

とまあ、余程の利かん坊であった孫悟空でさえ「どうだ〜!」と叫んでみた所、すべてお釈迦様の手の平の中での出来事であったようなものですから。

そんな事は100も承知、なおもけな気に土と格闘し、炎に立ち向かおうとする老骨にてさえ巨大な風車に立ち向かおうとするドンキホーテさんの心境が解ってこようというものです。


今回はお正月らしくコーヒーカップに赤を施してみました。ちょっとかわいくなったでしょ・・?

「ピ〜ン、ポ〜ン」あれ・・?、きゃりーぱみゅぱみゅさんが遊びに来てくれたようです。口紅がうつることも気にしないでコーヒーをめしあがれ。

次回の更新は 2月1日です


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コーヒー茶碗

[No.113] コーヒー茶碗   価格   セット価格 3、000円(箱なし送料別) '12. 12. 1 up

       (  それぞれ 9 x 5.5  cm )


このところ好んでコーヒーカップに挑戦しています。ここ数年私のコーヒー消費量がグーンと伸びてきたことも理由の一つだと思います。

奇しくもそれに合わせてコーヒー価格もじわじわと上がり続けているやに聞いています。これは私のせいではなく例の巨大市場を抱える国の人々の消費が急速に伸びている事が理由 だと言うことです。

そんなことを忌々しく思うのではなく両国、この香りを楽しみながら遠い未来の夢について語り合える間柄になりたいものです。

そもそも3千年の歴史の中から生まれ育った陶芸の文化は日本に渡ってその集大成として茶の湯に代表される”侘び”や”寂び”という美意識を再発見された経緯もあるのです。


私たちの国にコーヒーと言う飲み物が伝わってきてまだ数10年しか経ていない事を思う時、私たちの美意識は果して紙コップでそのコーヒーの神髄を見極めることができるでしょうか。

今日もこうして単純作業でコーヒーカップの轆轤を回して取っ手をつけながら、「あ〜・・・、俺はこの先3千年先の子孫たちのコーヒーカップ文化の礎の為に・・・」とおもうとき
いつの間にか修行僧のような悟りめいたものも妄想するのです。

次回の更新は 1月1日です


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花片口

[No.112] 花片口   価格   5、000円(箱なし送料別) '12. 11. 1 up

       (  18 x 7.5  cm )


生活の用の器としての出番はすっかり無くなってしまった片口ですがわたしはこの形や時代遅れの立ち居や振る舞いがとても好きなんです。

この手の容量は370ml、目いっぱい入れると400ml余は入りますが昔から先人たちは余裕を持たせることにある種の美意識を感じていましたからそれに習うと2合片口としておきましょう。

以前からこの手の作品は数多く手がけましたがやはり何と言ってももしその用を足したい時本来の機能がきっちりと果せるかが肝心なのです。

これから気候が冬型の季節になるとどうしたわけかあちこちの窯元はこぞって陶芸市を開いてお客を呼んで品物を売りさばいています。


若い作家のなかにはこの形に憧れて片口を造られる方も多く見当たります。しかし残念なことにそのほとんどは酢や酒を移し換えようとすると水きりが悪く用を足しません。

形の面白さもさることながら実際に生活の用として使ったことのない若い作家にとって水切りなんてどうでもいいのです。

事実、わたしも在庫処分をした時ご近所の若い奥さんは漬物を盛ったり投げ込みの花を生けたり・・・もはや片口という言葉すら死語になってしまった様です。

次回の更新は 12月1日です


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筆立て

[No.111] 筆立て   価格   5、000円(箱なし送料別) '12. 10. 1 up

       (  12 x 8  cm )


一応、筆立て・・ということにしておきます。

通常の食器などを作る方法と大きく違う二点があります。前回作品のように板状にした粘土をはり合わせて作った・・・という所は同じですがもうひとつ土作りに違いがあります。

茶の部分と白い部分は彩色したのではありません。土の素地色が根本的に違う二つの粘土を互い違いに重ね合わせた塊のハムを切るようにして作った板状の粘土板を張り合わせているのです。

いってみればそれぞれの土で器を作れば真っ白な器と焦げ茶の器と・・・という具合になる所なのです。ちなみに焦げ茶は鉄分の多い信楽粘土の一種、そして白い土は五斗蒔土といって 志野や織部に使われる土なのです。


さて、筆立てですが何を入れても構いません。何時も言いますが陶芸作品は何を入れようがどんな使い方をしようが一向に構わないのです。

私の場合、絵を描いていますので必然的に沢山の筆を使うことになりそのために筆立てが必要となります。まさか筆立てとしての売り物なんて目にしたことはありません。

ですからその多くは花瓶を利用していますが今までの筆立て群を比較しても楽しいものです。

次回の更新は 11月1日です


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