Vol.001

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「画家への道」ページにジャンプこのページはNo.41〜50 を掲載しています


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昼寝

No.50 「昼寝」 (120x93cm) '06. 9. 1 up 価格 ¥150,000  



残暑お見舞い申し上げます。

夏の暑さは覚悟の上です。しかし、その覚悟も精々二ヶ月が限界、それ以降はひたすらガマンです。



格別暑い昼過ぎは誰もが死んだ振りをしてひたすら暑気の通り過ぎるのを待ちます。
もううるさい蝉の声も麻痺して聞こえません。「悟り・・、無我の境地」少しの空気の移動も心地よい微風と 勘違いします。

どれくらいの時間が経ったでしょうか・・。ふと、足先に熱いものを感じて眼を覚まします。
天空にあった太陽が幾分移動して足の先に陽が当たっていました。

一斉に蝉が鳴き始めたような錯覚にとらわれます。イエ、錯覚ではありません。
少しの涼しさの気配に未だ一生の大仕事の終わっていない蝉たちの「必死の叫び」が一段と鳴きたてます。

そう言えば、近所の子供たちの泣き声も、たくましいお母さんたちのカナキリ声もしばし途切れる頃です。
去年の夏とマッタク同じだ・・。64回目の夏もついこの間まで感じていた夏と何処も変わっていません。



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裸婦習作K13

No.49 「裸婦習作K13」 (91x73cm) '06. 8. 1 up 価格 ¥120,000  





このコーナーで『裸婦像』をご紹介するのはこれで5点目です。
No.22。No.33。No.38。No.44。そして今回の作品です。しかしサイズは F-30 号、No.44 の5倍はあります。

人、それぞれと思いますが私の場合、大きな絵も小さな絵も仕上げる時間はそれほど変わりません。



ですからこの作品も約2週間。正味20時間ほどです。

約20時間の内、大まかなクロッキーやコンテ、木炭などによる予備素描なども2〜3時間必要です。

で、クロッキーやデッサンをしている内にどんな絵にしてみたいか?と言うイメージが広がってきます。

勿論、あらかじめ構想を抱いていた画風に没頭することもあります。
今回はその構想、”立体派!キューピズム”の入り口で出たり入ったりしながら、その先がどのような迷路になっているのか伺っています。

20世紀のはじめ、ピカソやブラックなど先人たちが扉の向こうに別の世界がありソーダよ!と突き進みました。
優れた科学の世界に羽ばたこうとした時、いきなり複雑な電子回路を考え出すことは出来ません。
取りあえず、今までたどってきた基礎的な領域を理論によって証明しながら「扉」の向こうを伺います。




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シャクヤク

No.48 「シャクヤク」 (38x46cm) '06. 7. 16 up 価格 ¥80,000  





牡丹と芍薬・・、素人の私では見分けが付きません。


結局、植物学者ではありませんのでどちらがどうなっているのかそんな事には興味はありません。



なぜか値段が違うようです。もっとも、牡丹や芍薬は自生の物そのものを見て楽しみます。中々花屋さんで切花としては見かけません。

ところで有名な画家の描く花の絵と言うのは花瓶に豪華絢爛に高価な花をぶっこんで豪快に描くのが好まれているようです。

高価でなくてもゴッホの向日葵の絵は画面いっぱいに向日葵を配するほどに生けます。

「花は一輪でも華がある」と言うのはもともと日本の伝統的な生け花の精神でした。

そんな精神を西洋の画材で表現するのは無理がありますか?
そんなことは無いと思います!。

もう少し人間的にまろやかに熟れたら、個々の花、沢山の花を描いて優雅に過ごしたい・・。




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堤を守る人

No.47 「堤を守る人」 (130x97cm) '06. 7. 1 up 価格 ¥150,000  



今年の入梅は、てーしたことネーナ〜、といった矢先です。一分間で水もしたたるいい男の洗礼を受けました。
梅雨末期の豪雨と土砂災害の悲報は年中行事のように各地に及びます。あまりにも美しい観景と言うのはとても過酷な 自然災害の上に成り立っているような気がしてなりません。



私は、夏山に良く出かけることがあります。晴れていればそこは素晴らしいユートピアです。しかし、一旦袈の山の端に現れた雲は、 雲が雲を呼び見る見るうちに巨大な積乱雲となる。先ほどまでビールを冷やして楽しんだ小川も濁流へと化身します。

一方、都市化に洗われる里山近辺でも地表をアスファルトで覆われて逃げ場の無い雨水は一気に中小河川に集中して流れ込みます。
そして川下に甚大な被害をもたらします。

先ほどまでこの河川で子供たちがザリガニを探してはしゃぎ回っていたことが嘘のようです。

くれぐれも自然の猛威を侮ること無かれ。




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夕暮れのチャペル

No.46 「夕暮れのチャペル」 (46x38cm) '06. 6. 16 up 価格 ¥80,000  



入梅してから既に一週間、関東地方は未だまとまった雨は降りません。



雲の途切れからのぞく陽の光は6時を回ってもまだ日中と変わらないほどの光量を保っています。随分と日が伸びたものです。

ドイツ、サッカーワールドカップがたけなわです。数年前、同じ時期にドイツへ行って驚いたことは夕方 9時を回っているというのに空は未だ明るく、子供が外で遊んでいることでした。



テレビでサッカー以外に現地レポートを見ていると楽しかった記憶が蘇ります。
観光スポットでもない片田舎、へんてつも無い村には必ず質素な教会があって人々は花を愛し、綺麗好き。

ホテルのテレビで天気予報・・「今日は40度・・」ドイツでは華氏で気温を?。イエ、れっきとした摂氏表示でした。

サムライ・ブルーの諸君、暑さにも勝って、敵にも勝て!!




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雨上がり群鳩飛翔

No.45 「雨上がり群鳩飛翔」 (53x47cm) '06. 6. 1 up 価格 ¥100,000  



まだ毎日梅雨空が続くと言うほどではありません。結構天気にメリハリもあって雨上がりの夕方あたり もう一度夕陽前のお日様が顔を出したりすることもあります。



たとえ人間でなくても、たとえばハト?、夕飯の前に一っ飛びでもしてくるか・・。という気になります。

我が家の近くにも鳩舎を備えた家があって、朝なゆうなに鳩舎から飛び立ったハトの群れが先頭のリーダーの下、 まさにインターバルのトレーニングをしているかのような飛翔に出会うことがあります。

公園や神社、駅の軒先にたむろする鳩と比較するのは本当に辛いものもあります。
つまり、スポーツ選手の合宿所といった鳩舎では一羽一羽が本当に現役の伝書鳩なのですから。

そんな鳩の飛ぶ姿を眼先に感じながら、私は足早に宿舎のある神社の軒先へ・・。





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裸婦習作R−26

No.44 「裸婦習作R−26」 (41x32cm) '06. 5. 16 up 価格 ¥70,000  





F-6 号のキャンバスの大きさは表記の通り、41X32 cm です。恐らく私の裸婦習作像のなかでは一番の小品ではなかったかと思われます。

私の描く絵は比較的大きな作品が多く、不器用な筆使いも少し離れたところから見ていただくと「は、は〜ん」と 判っていただける按配になっております。



未だ子供が幼かった頃、アトリエでお絵かきをしている様子を観察すると比較的大きな紙を好んで使っているようでした。
しかし、成長するに従って小さな紙を使っていても広い世界を表現することが出来るようになります。

つまり、人間の脳の働きは物を書き写す(実物大)と言うことから比較表現できると言うふうに発達するようです。

今回のモデルさんは女性の中でも比較的大柄、絵を描くほうとしても「負けまい・・・」と大きなキャンバスを引っ張り出すところでした。

私の脳の発達もこの時期「幼児期」を脱したようでしょうか。


参考デッサン


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桃源郷

No.43 「桃源郷」 (49x33cm) '06. 5. 1 up 価格 ¥20,000  



季節の変わり目を心行くまで堪能できるのは「旅」をおいて他ありません。

全国、桃の産地は結構あります。ここ山梨県も「ぶどう」についで桃の生産はかなり力のこもる産業です。



果実の開花時期を目指して春を求める旅は洋の東西、今昔問わず人間のもつ本能的な喜びではないでしょうか。
そんな素朴な喜びを味わいにお酒をしこたま買い込んで特急「かいじ」に乗り込みました。甲府でローカル線に乗り換えて 五つ六つ過ぎた駅、せっかく買った切符は誰も受け取ってくれない無人駅「新府」でした。



隣の駅、「穴山」まで、まさに”桃源郷”を満喫しながらの散策です。穏やかな起伏、何処までも続く桃畑、を堪能してきました。

40数年前、諏訪から上京、帰省のたび通過したこの付近です。新宿まで8時間、ひたすら列車のスイッチバックや入れ違い 列車の待ち合わせで走るより停車時間の方が永かった中央本線は、ひたすら忍耐するのがこの付近でした。

今は、時間の待ち時間を楽しめる年齢になりました。
穴山駅の近くまで来たとき、桃畑の丘の切通しの下を特急「あずさ」が駆け抜けていきました。



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金谷の春

No.42 「金谷の春」 (65x53cm) '06. 4. 16 up 価格 ¥120,000  



もう一枚、房総の海岸です。No.40「早春の金谷漁港」とほぼ同じ場所から描いています。 両者を見比べていただくと私がどの辺から絵を描いていたかがお分かりかと思います。



ご覧のように浜金谷は漁港には適していません。岩場と、ほんの猫の額ほどの浜しかありません。しかも、港として 最適な場所はフェリーボートの桟橋に占領され最悪の場所で細々漁をしています。



しかし、岩場、磯遊びには絶好の場所です。少し海面に顔を浸して眼を見開くと、何メートルも潜水したかのような 世界が開けます。水溜りに取り残された各種生物は、魚屋の店頭では決して見つけることのできない海辺の主たちです。

そろそろこの辺でバラさなくてはいけません。「なんで、そんなに浜金谷の絵が多いんだィ?」
ハイ、実は私が勤務していた会社の東京地区の”海の家”がここに在って、よく遊びに来ていましたから・・。
長野の山の中で育った私ははじめてここで食べたアジのタタキ(どんぶりで出てきたっけ)が、生涯の好物になったわけです。と、 同時に、山を背にした海の風景はその変化の素晴らしさにこれも生涯の好物に・・です。

最終電車で、酔ったまま千葉から東京を過ぎて三鷹まで・・。よく見たことのある駅、「おい!また三鷹ダゼ!!」

そういえば「海牛」ってご存知ですか?
ビール飲ませると水の中で紫の煙幕を張って楽しませてくれるんです。「サービス満点」





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太東岬

No.41 「太東岬」 (53x46cm) '06. 4. 1 up 価格 ¥100,000  

この絵も房総の海岸です。「たいとう・みさき」と呼びます。



岩肌も荒々しい外房の風景はここ太東岬に来ると穏やかな起伏となります。しかしその海岸線は外洋に曝されもろくも崩れ落ち 断崖となって太平洋に身をさらす。なお日々削り取られて続けています。

鴨川、勝浦、御宿、大原・・と、海岸線をたどるJR外房線もここから海と分かれて上総一ノ宮・・から千葉に向かいます。

その大原と上総一ノ宮との中間、バスに揺られてへんぴな町に着きます。その名も「岬町」。更に終点は「太東岬燈台」です。

ちょうど絵の左端が、九十九里海岸の始まりになるあたりです。実際にはここ岬町から犬吠岬外川までは15里もありません。 とんでもない”サバ”を読んでいます。


話は変わりますが実はこの絵、遠近法ではなく画面にムーブメントを与えて奥行きと広がりに挑戦してみました。
しかしながら、このじゃじゃ馬は暴れに暴れてのどかな外房の雰囲気を台無しにしてしまいそうでした。
そこで、ご覧の通り三角形による画面構成をも試みてみました。

四角い家は地震などですぐに倒壊してしまいます。そのために強度補強として三角形(筋交い)を寄せ集め頑丈な四角形にしています。
三角形を寄せ集めて四角の絵にすることにより、抜群の安定感を求め、更にはセザンヌの三角構図の「静物」を越えた・・?

独りよがり、粗末な作家のウンチク(サバ)、一席を終わります。
本当は眉間にシワを寄せて真剣に「ウ〜ム」と、寿命を縮めていましたガ・・。




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