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「画家への道」ページにジャンプこのページはNo.31〜No.40 を掲載しています

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早春の金谷漁港

No.40 「早春の金谷漁港」 (53x46cm) '06. 3. 16 up 価格 ¥100,000  



「三寒四温」この絵も早春の房総海岸です。

昨日の暖かさに騙されてはいけません。今日は西風がことのほか強まり、木の葉のような漁船もたまらず寄港する羽目になりました。



房総半島「金谷」は東京湾に面し、三浦半島の久里浜とフェリーボートで交通が盛んです。そんな内海の東京湾でも、西風の強い日は 複雑な海岸線の影響と相まって信じられない程の三角波の発生と潮の流れが生じます。

フェリーボートの発着場から海岸線をたどり保田に向かう岬の手前、岩場を避けるようにして生簀のような防波堤で囲まれた 小さな漁港があります。

港が良く見える園芸栽培所の防波堤に立つとまさしく心を休ませてもらえる房総の漁村風景を独り占めする事ができます。
こんな所で3時間近くも冷たい西風にたっぷりと身を任せると、心身ともに冷え切ってしまいます。汐回りが満ちて来た性でしょうか 風の勢いに乗って汐の飛沫が飛んでくるに及び、思わず後ろを振り返ります。



直ぐ後ろ、どこかの会社の広大な園芸栽培所、その向うには華やかなフェリー乗り場を囲んで食堂、回転寿司、みやげ物屋、そして 飲み屋さんが集まって、もう一つの顔「浜金谷」です。

とばりが下りる頃、一番乗りでくぐった港の縄暖簾です。「火が熾るまでもうチョット待ってネ」と、真っ黒な顔のおかみさん。 突き出しに出た冷たいつぶ貝の煮付けに熱燗のお酒が何故か咽に詰まりむせびます。




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早春の鴨川

No.39 「早春の鴨川」 (53x46cm) '06. 3. 1 up 価格 ¥100,000  



早春の房総海岸、今は若者たちで大いに賑わっています。

昔はサーフボードなどする人も無く、フラワーセンターや観光施設に気の早いお年寄りが春を求めて外房にやって来るだけでした。



今ではレジャーを超えスポーツ色も濃くなったサーフィンはウェットスーツの保温性の向上に伴って真冬でも波に挑戦する 若者たちで賑わっています。

早春の房総海岸は、既にお年寄りの安らぐ「春を訪ねる」、趣の風情を超えて若者のスポーツランドの様相です。

久しぶりに早春の海岸を散策したとき、波間に怪しく?浮き沈みするサーファーの数の多さに仰天した次第です。

しかし、こうして眼を大きく転ずると海岸から不自然にそそり立つ岩や小山は昔と変わりなく、岸に寄せる早春の浪も 何年経っても変わることなく悠久の時を刻んでいるようです。

日が暮れかかり、家路にと思ったとき、あまりにの車の渋滞に驚きました。こんな大きな高速道路が大駐車場に変身するほどの車 を房総の海岸は許容するほど大きかったんだ・・・と。




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裸婦J7

No.38 「裸婦J7」 (53x46cm) '06. 2. 1 6up 価格 ¥100,000  





再び裸婦像の登場です。


人の体は不思議なバランス、本当にきわどいバランスの上に成り立ってつりあいの美しさや、造形としての奥行き深さを 改めて感じさせます。



仏像では千手観音、百面観音。絵画の世界でも三つ目の顔はお化けに出てきますが4つ目や複眼の肖像画に挑戦した画家も居ます。

これほどまでにきわどいバランスの上に美しさを保つもの<人間>に対して多くの芸術家は挑戦してきました。

各部分を分解して再構築したらどうなるんジャ?。首を長くしたら本当にロクロックビのお化けになっちゃうのでしょうか。球体と 円柱と、立方体とだけで人体を表現してなおかつ写実を超えられないか?。完璧な肉体も時と言う時間差の中ではまったくの虚像でしか ありえないのか?。

まだ、近代絵画の世界は千年にも満たない手探りの分野です。数学や物理の世界観からするとまだまだ研究し画期的な表現を確立できる 部分は広く残されているはずです。

この美しい肌の婦人にあえて赤や緑の補色(反対色)で表現できないかとドンキホーテよろしく立ち向かう青年画家。





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象使い

No.37 「象使い」 (35x42cm) '06. 2. 1 up 価格  



春先の動物園


意外と風もなく穏やかな日、カメラではなくスケッチブックで描写してみると意外な発見があります。



概念的にはサルを描きなさい、或いはラッコ・・。では、象は?・・・身近で直ぐに描けそうですがどうしてどうして。

比較的動きも穏やかで、先ほどまでのポーズに戻ってくれるまでの間待ちましょう。缶ビールでも「プッシュー!」。結構離れているにも かかわらずビールなんか気にするところはアンタも人間・・象も半象前ダナ。



遠くで小学生の団体の歓声が聞こえます。おそらく動きの早いサル山の主導権争いに眼を見張っているんでしょう。 それに引き換え、動きの遅い象さんは人気がありません。私一人のためにたいした芸でもありませんが ユーサ、ユーサと鼻を振って広場を一回りしてくるだけです。

又、先ほどの場所に戻ってのポーズです。「良く見ればよく見るほど不細工な造りです。」神様も何を考えてこんな不細工な 巨体を作ってしまったんでしょう。





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凧あげ

No.36 「凧あげ」 (46x53cm) '06. 1. 16 up 価格 ¥100,000  





新年、明けましておめでとうございます。


このコーナー、今年も未知の世界に思いっきり羽ばたいてみようと思います。そして、私の気ままなうんちくに お付き合いいただける心の広い方々には心より感謝申し上げます。


本年も、よろしく叱咤激励のほど宜しくお願いいたします。



近所の子供たちの凧揚げは住宅事情などにより豪快に揚げて楽しむところまではいきません。付近は電線、電話線、 ケーブルテレビ、光ケーブルなど様々な線が頭上を覆っています。せいぜい犬の散歩よりやや長めの紐で走りながら と言う按配です。

それでも近くの芝川、少し足を伸ばせば荒川の河川敷に大の大人も真剣に凧揚げを楽しんでいるのに出くわします。

さすがに正月明けの強烈な北風の中では土手や、河川敷に足を運ぶ気にもなれません。


しかし、今日のように穏やかな冬ばれには 「・・う〜ん、もう少し風があれば・・」などと思いながらの駆け足で額にうっすらと汗なんか・・。

参考デッサン


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冬の漁村外川

No.35 「冬の漁村、外川」 (38x45cm) '05. 12. 16 up 価格    ●



30年以上、私のアトリエに展示されていました。懐かしく、ほろ苦い青春の一枚です。



40年前、千葉銚子市郊外、外川の漁村です。会社の美術クラブ、先輩に連れて行ってもらった海でした。

長野県の山育ちの私は「海!」に大変な憧れをもって居ました。二十歳前、先輩に連れて行ってもらった海の記憶はとても鮮烈でした。 「冬なのにこんなにも暖かく、穏やかで・・」それは盲目の人が象の尻尾に触って「象って、細いんだね!?」・・と。

浜辺には荷を背負って行く人、魚網も布団と一緒に暖かな陽差しを浴びて暖かそうです。浜から漁を終えた猟師さんが坂を上って自宅に 帰ります。村の風呂屋さんは夕方の為の風呂沸かしを始めたようです・・。ほのかな煙が、漁村の狼煙(のろし)のように立ち上ります。
この日の夕は、漁村に一軒しかない宿に泊まりました。「・・のタタキ、この世の物とは思えない絶品!!」でした。

まだ、絵の勉強はしていません。好みの風景を好きなように自由に描いていた時代の懐かしい作品です。私にとっては 絵を描き続けることになる基点となった中の一枚です。

40年の歳月でコンテナー保存も難しい程に画肌の劣化が甚だしく、アパートに持ち帰って居ました。

改めて自分で見直すと、愛おしく消えないで欲しいと願うようになりました。新居に戻った後にはスグにでも保護ワニスを施し剥離を 防ぐ手当てをしたいと思うこのごろでした。


次回のこのコーナーは正月のお休みを戴きます。来年1月16日のup となります。


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冬の灯台

No.34 「冬の灯台」 (46x53cm) '05. 12. 1 up 価格100,000円



撮影技術も未熟でピンボケ、手振れです。絵が戻り次第撮影しなおします。あしからず・・

太平洋岸の温暖な地帯も西よりの風が吹く頃はとても厳しい体感温度で寒さを感じます。



自然に対して、人間の造作物はあまりにも無力に感じます。しかし、一般的に「灯台」と言うのは必ず海に向かってたたずみ、 しかも威風堂々として荒海に光を届ける役目を果たしています。



シンボリックな建造物は多くの画家たちの格好のモチーフとしてしばし登場します。

本来、建造物と言うものは設計者が居て更にそれを制作する現場のスタッフが携わって多くの苦難の後完成します。ですからその 建造物自体が立派な芸術品、そのものなんです。
そんな芸術品(建造物)を更に絵画の世界で表現して訴えようと言うのですから・・、それはアマチュアの絵描きが大きな 「風車」に挑むドンキホーテそのものではありませんか。



「灯台」を描こうとする私自身がその絵を通じて沖を行く人々に「訴えたい・・」気持ちの一端をお伝えできれば幸せかナ?

今日も、三浦半島のこの岬も暫らくは西風の猛威にさらされながら沖を行く船に暖かな光を届けます。




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裸婦習作 K-8

No.33 「裸婦習作 K-8」 (91x73cm) '05. 11. 16 up 価格120,000円





撮影技術も未熟でピンボケ、手振れです。絵が戻り次第撮影しなおします。あしからず・・

木枯らしが吹き暖房の恋しくなる頃になると、ふくよかな女性の体の温もりを愛おしく感じます



なぜ、女性の絵を好んで描くのか?と、ほっんとうにバカな質問を受けたことがあります。「あんた、女性にあこがれないのか?」

私の精神性がもっと高く清らかになれば・・ではなく、高潔になれれば、男女の壁を越えてもっと深い人間の表現を求められると思います。
ただ、今のところ男より女性に興味があり、しかも自分のビーナス像と言うものを造形の中に求めているんだと思います。


「ビーナス」は実在しません。永遠に自分の手にすることの出来ない憧れ・・それは多くの作家が想像の中で築き上げ作り上げたものです。 目の前にしたモデルさんを「如何に自分のビーナス」にする事が出来るか。

それが作家それぞれの美意識であり、研ぎ澄まされた美意識の上に「ビーナス」は作られるのです。

ミロのビーナスも、モナリザも、弥勒菩薩像も、K-8も皆それぞれの作家の「ビーナス」なんです。




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さぎ山へ

No.32 「さぎ山へ」 (46x53cm) '05. 11. 1 up 価格100,000円



撮影技術も未熟でピンボケ、手振れです。絵が戻り次第撮影しなおします。あしからず・・

暦がめぐる割には理想的な「秋の空!」は中々望めません。



やっといい天気になったと思ったら翌日から又下り坂です。晴れた日の郊外はすっかり秋の装いをしているのに近郊の、 ここ川口市の木曽呂はまだ緑もうっそうとしていてしかも肌寒い日々が続きます。

昔々、この付近に「鷺山(さぎやま)」と言うのがあって・・・ナ、
そんな話も遠くの新潟、佐渡の「とき」とダブルものがあります。
空を真っ白に埋め尽くすほどの「さぎ」がねぐらを目指して飛び行く様はまるで「お日様が真上に戻ったかのようじゃったがのう・・・」

暫らく激減しその先を危惧されていましたが近年、その「さぎ」もだんだんに数を増やしてきたでしょうか。我が家から北東 方向、約一キロ先に埼玉県内に三基ある三重塔の一つ「西福寺」と言うのがあります。

静かな里山の風景をまだ何とか保っていますが そのスグ裏手には埼玉高速鉄道「戸塚安行駅」が開業し、コンクリートの侵食がその林の裏まで迫っています。

私の記憶では、鷺が激減し始めた頃に比べ、何とか鷺も人間を信じるようになってくれた気がします。近くを歩いても以前のように すぐ逃げ出すようなことはしません。鷺よりも人間である私の方が「ホッ!」とする気持ちです。




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青春ー3

No.31 「青春ー3」 (91x73cm) '05. 10. 16 up 価格120,000円



撮影技術も未熟でピンボケ、手振れです。絵が戻り次第撮影しなおします。あしからず・・

秋雨前線が停滞しています。前線が少し上がれば雨続き、南下すれば清々しい秋空です。



晴れるでもなく、かといって雨が降るでもなく・・・。

私の記憶する青春とはそんな気持ちがいつも支配していた気がします。今思うと、ひたすら気分のさえない病気のときは 一生懸命寝て、回復を願っていた・・。



東京の下町を貫く荒川、上流は広い河川敷を有し、豊かな流れと感じますが、足立区を過ぎ葛飾区、墨田区に入ると突然に川幅は 1/3 程に減少し、カミソリ堤防に申し訳程度のコンクリート歩道並みの土手が続きます。
緊急時、救急車、消防自動車、はたまた装甲車が通るためでしょうか、普段は子供たちの格好の遊び場です。

上手くもないのに両手を離して自転車を操る・・・。そんなことをしなくては気が済まない青春時代。

思い出したくもない青春時代も時が過ぎ、日が過ぎるとなぜか懐かしく 思い起こすことがあります。明日からはすばらしい秋空になって欲しいものです。




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