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『走行共和』ロケ日誌

後編

2002.3.1 
神谷秀澄氏と市川亜沙美嬢「走向共和」の後半ロケに向けて成田を発ちました。
15時55分発、中華国際航空、上海経由北京行きです。今回のフライトはファーストクラス!! 前回、我々の中国での行いがよほど良かったんでしょう・・・と言いたいところですが、キャンセル待ちがとれず、スケジュールをこれ以上伸ばすことも出来ず・・・という事情で、泣く泣く奮発したようです。ともあれ我々は出発までのひととき、ファーストクラスラウンジにて優雅な思いをさせて頂きました。周辺は上品で恰幅の良い人たちばかりで、我々はどう見ても場違いなのでありました。
今回のメンバーは私と、小村寿太郎役の神谷さん、そして今回から新たに参加したサンミュージックの市川亜沙美ちゃんの3人。彼女は弱冠18歳。そんなうら若き乙女と、あやしいおじさんがふたり。どう見てもファーストクラスラウンジには不似合いでした。

kamya26asami.jpg神谷秀澄氏と市川亜佐美嬢

21時15分北京着。私はそのまま撮影現場に向かいました。現場にはジャン監督をはじめ、なつかしいスタッフの顔がありました。私は早速準備して撮影へ。着慣れた衣装、ちょっときつめの靴・・・「ああ、また来たなあ」と実感した次第であります。
1時30分撮影終了。明日は広州に向けて、7時出発です。いきなりスケジュールがたてこんでまいりましたが、後半戦も頑張ります。

ヒラタヤスユキ


3月2日
satokibi.jpg街のサトウキビ売り

本日、北京より広州に移動しました。飛行機で約3時間。昨日撮影終了後、外に出ると小雪が舞っていたのに、広州は初夏の陽気です。広州の街は北京とはまた違って、陽気のせいもあるのでしょうが、緑が多く、あちこちに花が咲いていて、とても明るい印象を受けました。また、川も多くて、川沿いの風景は(行ったことありませんが)なんだかベトナムのようでもありました。
こんなことを書いていて、まだ写真を一枚も撮っておりません。すいません次回から送ります。
広州のホテルは空港から車で2時間ほどの所にあります。途中、運転手さんが、道ばたで売っていたサトウキビをごちそうしてくれました。これがまた豪快で、2メートル以上ある竹ざおのようなサトウキビで、それを、50センチほどに切って食べました。甘くて美味しかったのですが、歯が欠けるかと思い、残念ながら食べきれませんでした。
現在18時。これから撮影があるのかないのか、只今待機中です。
それではまた。

ヒラタヤスユキ


3月3日
isho-room.jpg衣装スタッフと
ja-na-d.jpgジャー・ナー監督と

昨日はあれから、現場に向かい深夜まで撮影をしておりました。
またまたどでかい敷地にロケセットが組んでありました。日本でいうと太秦のような感じでしょうか。しかしここには様々な国の街並みが作られています。ヨーロッパ風や、ウエスタン風や。そんな中の日本人街で撮影をおこないました。
広州の現場はキュートでパワフルなジャー・ナー監督です。相変わらず元気でしたが自分では、疲れすぎてナチュラル・ハイになっているのだと言ってました。よく笑う、笑い声がなつかしかったです。
ここでは、伊藤博文が政界を引退し、清国を漫遊している時の模様を撮影しました。
これで私は一段落になります。今日からは神谷さんと亜沙美ちゃんの撮影。私はオフ。散策に出かけます。

ヒラタヤスユキ


3月4日
走向共和の広州基地昨日散歩に出かけ、自分がどこにいるのかを把握しました。ここは広州市内から120キロ程南下した中山市という所です。

base.jpg走向共和の広州基地

孫中山(孫文)の生地で、その名前が付いたようです。近くには孫文の生家や、記念公園があって、観光地になっています。昨日は日曜日ということもあって、賑わっていました。記念公園の横に市場がありました。生命力むき出しというか、なんだかとてもよかったです。

ヒラタヤスユキ


3月4日夜
孫文故居中山公園昨日は表を通りすぎただけの「孫中山」記念公園に、本日行って参りました。孫文の生家や、彼の功績を称えた資料館などがありました。

sonbun1.jpg中山公園sonbun2.jpg孫文故居

同じ敷地内に農業試験場のような一画があり、私にはこちらの方が楽しかったです。明日も私はオフですが、撮影現場に同行しようかと思っています。

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ヒラタヤスユキ






3月5日
チーフカメラマン池さんと夕べは蚊の襲撃に遭い、寝苦しい一夜でした。朝までに3匹つぶしました。本日も私の出番はなし。昼間はまた市場をぶらぶらし、夜は撮影現場に同行してきました。もう午前1時を過ぎ、撮影はなお続いていましたが、明日は自分の出番がありそうなので?一足先に戻ってきたところです。今日の撮影は日本の遊郭が舞台で、若手スタッフがエキストラに駆り出されていました。女性陣は日本髪を結い、着物を着て、うれしはずかし、様々でした。もうすぐ、この現場ともお別れかと思うと、寂しいかぎりです。

with-koh.jpg池さんwith-koh2.jpg

ヒラタヤスユキ



3月6日
昨日は風が強く肌寒い一日でしたが、今日は穏やかに晴れ素晴らしい一日でした。本日、最後の撮影に臨みました。
「下関条約」締結中に暴漢に襲われた、李鴻章(王冰氏)を見舞うシーンです。
李鴻章さんとの再会もなつかしいものでした。この方は18歳から芝居を始められ、55歳までは舞台で活躍し、その後映像の仕事に移り、現在70歳を越えておられます。
前回お会いした時に「私のここまでの人生は変化のありすぎるものだった」というようなことをぼそっとおしゃっていました。
揺れ動いた中国の歴史とともに、波瀾万丈の時を生き抜いてこられたのだと思います・・・。などと私が薄っぺらな言葉で申し上げるのもおくがましいのですが・・・。
圧倒的な存在感と人を包み込むようなオーラ。素晴らしい方です。
私もまだまだ学ぶべきものがあると痛感した次第であります。
また、最後にこの方と再びご一緒出来た、巡り合わせにも感謝いたします。
ジャー・ナー監督とチーフカメラマンの池さんは、カメラアングルに非常にこだわるので、いつも撮影時間が長いです。
今日はどこまでもこだわり続けて欲しかったです。
少しでも長く、この空間と時に身をゆだねていたかったです。
でもジャー・ナー監督のかたことで言う最後の「OKです」を聞き、私の撮影はすべて終了しました。深謝。

ヒラタヤスユキ
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李鴻章役の王さんと・・・ラストカットに挑む・・・お見舞いシーン(休憩中の1コマ)


3月7日
夕べは撮影終了後、岩本さんと車で30分ほどの中山市街に繰り出し、ささやかな打ち上げを行いました。ホテル近辺とは違い、華やかな街並みがあり夜遅くまで賑わっていました。台湾が近いので、北京に比べると道行く人もお店もなんだかおしゃれな感じでした。
本日夜、北京に移動し11日に帰国の予定です。今日は早めにホテルを出て、広州の繁華街を散策しようと思っています。

ヒラタヤスユキ


3月8日
昨日広州から北京に移動しました。飛行機は夜の便だったので、それまでの時間、広州市街を散策しました。街は車と人と洗濯物にあふれていました。

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銀座の歩行者天国のような街並みがあったかと思うと、一歩足を踏み入れれば、のんびりとした路地裏、あちらこちらにテーブルを出し、麻雀、トランプ、将棋に興じる人々、かと思うといきなりアメ横風、そんな異空間が南国という風土を基調に混ざり合っている感じです。
公園に行きました。こちらも人があふれていました。
ポーカーのような賭けトランプをするおじさん達、踊るおばさん達、サックスを吹いたりアコーディオンを弾くおじさん達。みんな自由気ままに過ごしていました。広州は中国の経済を牽引する都市だと聞いていましたが、みなさんいつ働いているのかと、余計な心配をしてしまいました。
夜、北京の宿舎に到着すると、ジャン・リー監督もいらっしゃり、編集をみせていただきました。
極寒の中撮影した日光浴のシーン。海がきらめき、ちゃんと夏でした。
伊藤博文はパンツ一丁で、海に向かって吠えておりました。
帰国まであと2日あるので、北京をぶらぶらしようと思っています。

ヒラタヤスユキ


3月9日
劇場昨日、北京の繁華街王府井(ワンフーチン)にある劇場で芝居を観てきました。

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「緑帽子」という題名で、姦通した女性と神父との許されない愛の物語。デミ・ムーア主演で映画化もされている作品の翻訳劇です。劇場は古くからあるものらしく、外観はオペラハウスのような趣でした。残念ながら、作品の方も演出方法等、かなり古い感じがしました。観客は一階席はかなり埋まっていました。真剣に見入る人、途中で帰る人、あちこちで鳴る携帯電話、みんな好き勝手にやっておりました。本日はこれよりガラクタ市に行って来ます。

ヒラタヤスユキ


3月10日
今朝は雲ひとつなく良く晴れました。明日の帰国の時が近づいてまいりました。昨日はガラクタ市場と天壇公園に行って来ました。今日は近くの公園で日向ぼっこをしておりました。あれほど寒かった北京も、季節は確実に春に向かっています。洗濯物のタオルがバリバリに凍っていた庭にある桃の花も満開となりました。

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広州の撮影チームも、もうすぐ北京に戻ってくるそうです。北京のチームは現在、故宮で撮影中です。クランクアップまではまだだいぶ時間がかかりそうです。しかし、私の出番はもうありません。すべて終わりました。ジャン・リー監督、ジャー・ナー監督をはじめ、中国側のスタッフの方々、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
そして、現地の日本人スタッフ、平さん、岩本さん、留学生の酒井君、ありがとうございました。
今回、このような貴重な体験をさせていただいたことに感謝します。
そして、たくさんの人たちとの新たな出会いは、なによりもの財産です。今回の体験をいかし、少しでも成長できたらいいなあと思う次第であります。
最後に、このロケ日誌に目を通してくださった皆様、ありがとうございました。これで、この「中国ロケ日誌」を閉じたいと思います。
では、また会う日まで・・・

シェイシェイ&ツァイツェン!!

ヒラタヤスユキ~北京にて




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