普通教科「情報」免許講習
 受講の顛末或いは覚え書き

 はじめに
 これまでに、情報教育に関連して、このサイトで『コンピュータとのかかわり ある個人史 AgainstからForへの変遷』 『2000年度「情報社会」(現代社会)の1年間の取り組み』を掲載してきました。
 それらを書いていた頃には想像していなかったのですが、「情報科」の免許を取得することに立ち至りました。
 2003年度からの新しい教育課程に、必修科目として、この科目が新設され、そんな免許を持っている人は居ない訳で、免許を現職の教員に付与するための講習が開始されたのが2000年。3年計画で、必要数を充足させるため、文科省の養成システムに基いて都道府県教委が実施しました。
 その受講資格があるのは、数学、理科の免許所持者、そして、家庭、商業。更に職業科のいくつかの科目の免許所持者。これには、多くの批判がありました。現に相当な力量があり、職場でも授業しているそれ以外の教科の教員がいるのに、どうして道を閉ざすのか。私の職場でも、英語、社会等の教員でそういう方が居られました。しかし、その批判は入れられることはありませんでした。
 そんな経緯で、幸か不幸か、商業の免許を持っている(簿記を教えるために取得。大学時代の取得単位では不足で、通信教育でとるのに少しの苦労はあったのですが、長くなるのでやめます)僕は有資格者ということになりました。
 受講終了後、講習はどんなもんだったかを聞かれた時のために、そして、来年受講する人の為に、忘れない内にと思って受講の記録(覚え書き)を書き留めました。
 『コンピュータとのかかわり ある個人史 AgainstからForへの変遷』の続編として、掲載することにしました。最後に掲げた元同僚とのメールのやり取りはかなり割愛しました。実際に授業が始まってからのこととかもあるのですが、それはまた別の機会に書き留めたいと思っています。

  
1.受講に至った経緯 □昨年(2000年)から3カ年計画で始まったが、大冠では西田治さんが受講。彼は、この道の大先輩で達人だから(理学部の大学時代からのキャリア有り)、余裕で終了。
□昨年は、初年度で、かなり強制的に受講を強いられた人もあり、芥川の二木さんのように、この研修を労働と捉え「労働条件として劣悪」のクレームがつき、高教組では話題になった。
□西田さんの昨年の言「今年は数学、来年は理科、再来年は商業で三上さんくらいカナ」。
□西田さんは01年度初めに転勤。大冠では免許保持者ゼロに。それでも、管理職は誰にも奨めず、一旦「なし」で報告したらしい(今年は府教委・管理職も緩やかに考えているのかと思いきや、行ってみたら1年目238人。2、3年目各280人、合計800人確保の予定だとか)。
□私個人は、西田さんの言う通り今年は理科の誰かが行くのだろうと思っていた。が、ゼロ。
□この制度は3カ年計画だから、来年迄しかない。来年行きたいと思っても、海外旅行や色々な都合が入ってきたら、参加できないことになる。今年は、海外旅行の計画は8月下旬なので、吹奏楽部の合宿さえ何とかなれば、日程的には好都合。
□そのことに気がついて、吹奏楽部合宿の付き添いを中村さん(同僚)に途中交替で行ってもらうことのOKをとって教頭に申し入れたら、丁度締め切りの日だった!
□西田さんの言「昨年、殆ど素人という人もいたので、三上さんだったら充分いけるのでは」
□事前の不安。「今年の受講者はあまり強制されていない。自発的な参加者ならその分、能力が高いかもしれない。ついて行けるかな?」
□事後に判ったことだが、参加者の確保は学校によってまちまちの様。2名参加の所(例えば島上)は昨年ゼロだから。島上のGさんは昨年申し込んだが年齢(57歳?)を理由に外されたとか。私も危ないところかな。受講者の参加動機は詳細わからず。能力的にも詳細わからず。マア、色々かな。
□この免許取得が吉と出るか凶と出るか、今もわからないが、マア、いいか、の気分。
2.受講してみて ◇演習・実習に入ってからは、岩石さん(吹田東での同僚。数学)とのメールのやり取りを拾い出したものを参照。
第1週:府教育センターでの講習
□定員400人程度の会場だが、椅子に備え付けの簡易テーブルで、A4版でいっぱい。これはキツイ。これだけの長期研修でこの設備はいくら何でもひどい。
□知り合いが何人か居て、気分は楽だった。昼食も少し歩くと色々あって、吹田東時代の同僚といつも麺と丼のセットの店に通い詰めた。
□会場は地下鉄「あびこ」なので、怖れをなしたが意外と近く、新大阪で乗り換えて地下鉄で一本、30分くらいだった。
□ビックリするのはテキスト。文部科学省作成の白表紙350頁程のものが2冊。大部な上に、全くのモノクロだから味も素っ気もなくて、見辛いことこの上ない代物。これで我慢できるかどうかが受講資格みたいなもの。
□これを基に、90分4コマやるので大変。3週間同じ時間帯だったが、ここでは延々と講義が続く。マア、聞いてればいいのだから楽といえば楽なのだが、眠くもなろうというもの。
□講習は、全講師がパワーポイントを使って解説。後でこの技を学ぶことになるのだが、その出来不出来は人それぞれ。大変工夫されたスクリーンもあれば、お座なりのものも。
□講師の話も、人それぞれ。ただ、共通しているのは結局テキストにあることをまとめていること。前振りに自分の体験とか話すことがあってもテキストの要点解説になる。もちろん、それが講習の目的だから当たり前。
□だから、パワーポイントのスクリーンを懸命にメモしている人が結構居たが、「テキストに書いてありますよ」と言ってあげたくなるくらいだった。だから、テキストを自分で読み始めると、段々と、講師の話が疎ましくなってくる。教科書に書いてあることだけ話してるような授業だったら生徒はこんな気分になるのだろうと思った次第。
□ここでの話は、後の区分A〜Cで言えば、Aに当るので、そのレポートを書くためには聞いておいた方がいいかも知れないが、どうせ、また読まなくてはならず、結局自分で読むしかない。
第2・3週 千里高校会場での講習
 詳細は岩石さんとのやり取りで書いた通り。最後に本菅さん(職場の同僚。夫が教育大付属に転勤し、受講)とのやり取りも付加。先に、そこには書いていないことを。
□やはり、昨年ではなく今年(当たり前なのだが)受講してよかった。そして、おぼつかないままでも、情報処理や数学等のコンピュータの授業をやっていて良かった。
□昨年から、現代社会の1時間を「情報社会」として授業しているので、これも受講には役立った。選択授業で授業している人は他にも居るだろうが、全員必修の授業はそう多くない。
□と言うのは、昨年の情報処理を担当させられて、必要に迫られてWebサイトを作ったので、その自信はある。その時にこれまた必要に迫られてエクセルの授業をした。2年前だったか、まだ古い機械だったので、役に立つのかどうか判らないまま、BASICを一応やったことがある。
□社会科の達人野々村さんに教えてもらって、DRAW等を使い年賀状とかを作った経験があったことも役立つ。
□こういうことがあったので、落ちこぼれそうになりながらも、何とか付いて行けたようだ。

岩石さんから2001年7月30日 22:00  そちらの2週目初日はどうでしたか。
 今日の花園高校会場では、「図形と画像の処理」の研修でした。
 午前中は2コマ講義で、午後からフリーソフトを使って実習という形式。たぶんほかの会場も同じような形式では、と思っています。
 CADのソフトにようやく慣れたかなと思ったら、もう残り時間がほとんどありませんでした。
 他に画像処理ソフトと動画ソフトの課題もありますが、使い方も分からないままです。
 課題を仕上げるには相当苦労しそうです。
 研修もまだまだ続きますが、お互いに頑張りましょう。では。
2001年7月31日 0:34  千里会場は例の掲示板*に書き込みされているように、アリゴリズムの基礎とモデル化とシュミレーションでした。(*注:情報教育研究会のBBSで各会場の受講生が受講報告をされているもの)
 イヤハヤ、早速落ちこぼれそうです。流れ図なんて生徒の情報処理の授業で少しやっているのをT・Tで眺めていた程度でよく解らないし、ビジュアルベーシックというのも同じように少し授業で数学の先生とのTTで眺めた程度。それをみんな知ってるのが前提みたいに進むので、これはもうアキマセン。もちろん、無駄だとは思わないのですが。
 この会場は(も?)予想通り、大半が数学・理科。家庭科の人が2人と商業の僕一人。なかなか辛いものがあります。でも乗りかけた船ですから頑張りましょう。
2001年8月1日 21:10  その後どうですか?
 BBSを読んでいると、他の会場と違い千里はアルゴリズムから始まったのがよくなかったのかも知れませんね。
 その後も、モデル化とシュミレーションとかもエクセルやVBAの知識さえあれば何とかなると思うものの、やっぱりしんどい感じが抜けません。スタートがマルチメディアや画像処理のほうが僕には良かったかも。
 ところで、「情報システムの概要」は花園はいつですか? この講座は千里では玄藤という人が講師で、この人は僕の寝屋川時代の教え子だそうで、挨拶されて面食らいました。
 参加者同士でも話しているのですが、講習日数は半分越えたけど、レポートは半分どころではない、大変だ、という所でしょうか?
岩石さんから2001年8月3日 6:00  どうにか研修も2週目の終わりになりました。
 花園会場で終わった内容では、B区では「情報検索とデータベースの概要」C区では「コンピュータデザインの基礎」→堂之本氏曰く"軽目の課題"が組みし易いかな、と思っています。
 「情報検索とデータベースの概要」は3種類の課題ですが、課題1は統計データから報告書を作ること。課題2はExcelの比較的簡単な処理。課題3はAccessでデータベースを作ることです。
 満員の通勤電車もあと1週間と思って頑張ります。
2001年8月3日 23:52  随分と会場によって順番が違うんですね。当たり前か?
 前のメールで書いたような順番で来て(アルゴリズム・情報システム・モデル化とシュミレーション)、その後マルチメディア、情報発信、図形と画像(そちらの初日)とやってきました。
 どのレポートで行くかは大体目安が立ってきつつあります。(大幅に中略)
 あの、BBSの書き込みをもっと沢山の人がやってくれるといいのですが、イマイチ情報量が少なくて残念です。僕は情報発信してあげたいけど、こういう領域では、目立ちたくないので。
 〔ついでに昨年大冠から参加されたこの道の大先輩の西田さんにも送ります。エクセルやVBAで困っていますが、マア、何とかここまで来ました。〕
岩石さんから2001年8月8日 20:36  どうにかあと2日、にこぎつけました。
 6時起床の夏休みも、しばらく休憩できることが何より楽しみです。とは言っても最終日の8/10は研修終了後、1泊だけ野球部の合宿に合流することになっているので、和歌山の南部までドライブすることになっています。体力に自信がありませんが…。
 総合実習のテーマがなかなか決まりません。今日明日中には決めなければなりませんが。
 来週一週間はあまり用事がないので、この間にゆっくり課題を仕上げようと思っています。  ではまた。
2001年8月9日 2:28  過ぎてみると、マア、こんなものかと思える今日この頃ですが、とにかく長い3週が終わろうとしています。
 受講生で話しているのですが、こんなに規則正しい生活をした夏休みは初めて!? どこまで報告したか不確かですが、レポートとかの提出内容が少し変わりました。区分Aは前に書いた通り、「情報化と社会」のレポートとパワーポイントでいきます。Bは色々苦労したのですが、結局情報システムの基礎、即ち郵便料金算出システムで演習制作とレポート両方完成しました。添付で頂いたのですが、今週初めにうまく作動しなかったのを隣の席の大村さんというこの道の達人に間違いを発見してもらって、何とか完成に漕ぎ着けました。鳥飼の地学の先生なのですが、ホントにすごい人で、お世話になりっぱなしです。
 CはHTML言語で授業の一端をと思っていたのですが、堂之本さんの「軽めの課題」に乗ることに今日(講習があったのですが)決めました。暑中見舞い(実際は残暑見舞いにしました)なんかは年賀状を作っている関係で得意の分野なので、これに決まりです。今仕上げたところです。レポートはマルチメディアの基礎で、先週末にグダグダと書き連ねました。
 後は総合演習だけです。これは、僕の場合、幸い授業でやったものがあるので、「メディアリテラシー」で行く積りです。ただ、具体的には明日以降の作業になるので、どこまでやれるか判りません。あんまりハイテクでなく、ビデオテープや新聞記事を使うと言うアナログ的なものになるでしょうが、それも個性ということで。 今後の予定は前に話したとおりですが、今完成したばかりの「残暑見舞い」(お絵かきソフトを初めて使いました)を添付します。
本菅さんから2001年8月10日 21:30 (前半部分は省略)
 本日8月10日。情報研修お疲れさまでした。夫は、帰ってくるなり、毎日、休みの日もコンピュータに向かい(レポート作成?)、大変そうでした。 夫が生真面目すぎるのか、それとも本当に大変なのかーーー 何やら、情報教育とからめて、特許(パテント)教育について、研究をはじめるそうです。それ系の本やら、CDやらがいっぱい積まれています。
 前半は、子どもの宿題も見ずに、自分のことだけに熱中しているのに、いい加減腹がたっていましたが、途中からは、開き直って、勝手に夫抜きで、エンジョイしています。
 昨日は、涼を求めて、六甲山カントリーハウスの雪まつりに行って来ました。神大に行っていながら、在学中は六甲山ケーブルにも乗ったことがありませんでした。下界よりは10度も涼しく快適でした。
 グダグダと書いてしまいましたが、暑さ厳しき折り柄、お体ご自愛下さい。情報研修のお疲れでませんように。  
2001年8月12日 1:57  残暑、或いは研修終了、見舞い、有難うございました。
 この期間は、受講生同士でも話し合っていたのですが、みんな特別の態勢を組んでいたようですから、本菅さんが特別ではないようですよ。生真面目かどうか?、キット少しそういう面はあるのかも知れませんが、受講生はこの間は色々と特別待遇(家庭内)でこれにきている感じでした。芥川から今年北淀に転勤した小端さん曰く「この研修が終わったら暫くパソコン見るのもいやですわ」「普段はパソコンに向かっていたら家族に文句言われるけど、この期間中はOKですワ」。
 従って結論。彼だけではなく、みんな大変だった、ということで大目に見てあげてください。 その上、彼は気の毒に千里会場ではなかった。彼とも話したのですが国立はいいように調整要員に使われているようで、大阪市内。
 みんなに言っているのですが、90分4コマなんて、生まれて初めてですよ。学生時代でもこんな濃密な学習はしたことがありません。それに、課題があって、たとえ、家で何もしてなくても、ずっと気がかりなのですよ。だから、結局何かしらこの関係のことをしていることになるという寸法です。
 これは僕だけの個別事情ですが、千里高校会場(40人)で、大半は数学・理科。家庭科2名と商業科2名だけかな。基礎的能力が違うんですね。講師が「こんなことは皆さんご存知でしょうから、省きますが…」。僕は内心で「省くなよ!そんなこと知らんテ!」こういう事が多かったですね。会場によって学習する内容の順番が違うのですが(講師があちこちへ巡業しているので)、千里会場では初めの方に数学的な絡み、或いはコンピュータをやる人なら知っている基礎的なフローチャートとかがいっぱい出てきて、落ちこぼれる生徒の気持がよく解る、という副産物があるくらいでした。
 マア、強みは「僕は何と言っても実際の授業をしたことがあるゾ」(昨年からやっている情報社会)、ということくらいでした。とにかく何とか終了できたのはひとえに隣席の両氏のお陰。鳥飼の大村さん、芥川の久一さん。特に大村さんは達人で、何を聞いても優しく教えてくれるので大助かり。惚れてしまいました。人間こうであらねば。と言うよりも、力がある人は余裕が違うと言うことでしょうか。
 内容は割愛しますが、新しいことが多く勉強にはなったのですが、どれも入り口ばかりで、ものになるんだろうかと心配です。きっとダメでしょうが、一応色々なことが概観できたくらいでしょうね。
 なんだか僕の愚痴みたいになったけど、基本は本菅氏はフツーと言ってあげたかったのです。 ただ、付け加えると、僕なんかはこれから出す課題は全然凝る積りはないけど、その道に詳しい人は凝るんでしょうね。もし、これから出す課題で時間がかかるようなら、「そんなに凝らんでもいいのと違う?」と言ってもいいでしょう(笑)。
 こういう状況ですから夫抜きエンジョイ、大いに結構ではないですか。西矢さん(三上の妻)なんか、僕がこんなに苦労しているのを気の毒がりながら、期間中2回も宿泊ご旅行ですよ。
 どうでもいいけど、六甲ケーブルに乗ったことがないというのは驚きですね。僕なんか何回乗ったことか。その上、乗らずに同じ道を何回歩いて登ったことか。ワンゲルやから当たり前か。
 僕のこれからについては、丁度この講習で作った残暑見舞いがありますので、添付します。これでフィニッシュです。