ブリ
Seriola quinqueradiata
2007年、10月4日(たぶん)に購入したブリ。全長は31.5センチ、お値段250円なり。なぜか鮮魚というアバウトすぎるラベルで販売。先に描いたカンパチとは同属別種のお魚さん。というかSeriola 属はブリ属なので本家はこちらというべきか?
体型はカンパチよりもスリムで、口先というか上顎の先が眼とほぼ同じ高さにあること、上顎の後端が角張っていること(ここが丸いと同属のヒラマサということになる)、胸びれと腹びれがほぼ同じ長さであること(腹びれが長いのはヒラマサ)からブリであるということが分かります。前の背びれを支える棘は6本で、カンパチよりも1本少ないもよう。6本目の棘は触らないと分からないぐらい小さいですね。臀びれの前にある2本の遊離棘も同様で、カンパチよりもずっと小さいですね。黒い小さな点にしか見えなくて、触らないと棘であるとは分かりません。
カンパチとは見た目からして同じ仲間なんだろうな、、、とは思うものの、どうしてそう思うのかは不明。以下はカンパチですが、
カンパチとブリが似ている、と感じる根拠はたぶん、個人的には背中が連続したカーブを描く、背中が滑らかなカーブを描いているのに対して腹のかなりの部分が正中線と平行、臀びれが背びれよりも短い、尾びれが三日月型で大きい、正中線に沿ったバンドがある、(たぶん臀びれが背びれよりもかなり短いことと腹が平らであることにはたぶん関連があると思う)、といった理由からでしょうが、これが何を示しているのかはよく分かりません。まあ単純に原始形質、派生形質を区別しないで、なおかつ恣意的に眼についた特徴が両者の間でどれだけ共通するかでくくっているように思えます。あるいは距離的に近いのでこれらを1つにカテゴライズしてもいいんじゃないか? と脳が考えているのかもしれません。
注:こうした動作が最節約法とは違うのは明らかであるし、かつまた恣意的であるという点で、すべての形質を使う距離法とも違うことはたぶん明らか。ようするに私たちが”仲間”ということを考える時、通常それは系統解析とは全然違う動作を行っている。
それにしても、こうした”見た目からして似ている”というのは系統解析とはまったく別の動作であるにも関わらず、このような直感がブリ属という単系統群(たぶん)を導きだしている(らしい)のはなんでなんでしょうね? 生物が共通祖先から分岐して単系統群を作る場合に、進化速度が同じぐらいで時間もあまりたっていない場合には、似ているという感想がたまたま単系統群に合致しているということなのでしょうか? とはいえ、こういう似たもの同士のグループが自然界に幾つもある、という考えが最終的に進化学を生み出したのはまったくの事実(例えば種の起原第2章、同属別種のコンテンツを参考のこと)。
そして人間が脳内で作るカテゴライズが系統解析とコンフリクトすることから系統学に対する誤解や無理解が生じるのもまた事実。