いよいよ旅も終盤へ・・・
メ ニ ュ ー | コ メ ン ト |
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★ロンドン編 | 歴史と伝統の街ロンドン。そこがこの旅の始まり・・・ |
★スペイン編@バルセロナ | 地中海の風に吹かれながらバルセロナの街を歩く。 |
★スペイン編Aアンダルシア | アラブの香り漂う情熱の世界アンダルシアを満喫。 |
★スペイン編Bマドリード・トレド | 新旧の都対決は旧都に軍配? |
★シンガポール編+おまけ | 旅のクライマックスは"獅子の都"で。 |
★スペイン編B〜マドリード・トレド〜
11日目/ 天気:晴れ時々くもり/「無事!?マドリード到着」
夜行列車はグラナダを出発した。出発直後に前の女性は眠りに入り、日付が変わる頃には隣の友人も爆睡状態に入っていた。
私の方は緊張しているせいか眠れなかった。
「どこでもよぅ眠るやっちゃなぁー」とうらやましく思いながら、私も目を閉じた。
いつの間にか私も浅い眠りに入っていた。
午前3時をまわった頃であろうか、何かいやな気配を感じて目が覚めた。
恐る恐る薄目を開けて見てみると、隣に謎の男が座っているではないか。
年齢や人相は暗くてよく分からないが、かなり怪しい。
男はしばらくじっとして動かず、私達が起きないかどうか様子をうかがっているらしい。
ヤバイ。(たぶん)スリだ!
隣の友人と前の女性は爆睡していて全く緊急事態に気づいていない。
しかし、男に私が起きていることを気づかれたら何をされるかわからないので友人を起こすわけにもいかず、しばらく寝たふりをしていた。
そんな緊迫した状態が10分ぐらい続いたであろうか、男が立ち上がった。
ヤバイ!
っと思った瞬間、私はとっさに大きな咳払いをしてしまった。
しまった!
すると、幸いなことに男は足早に通路に逃げていった。
助かった。
ほんと危機一髪だった。
▼マドリードマップ
それから朝までずっと眠れなかった。
外が明るくなり始めた頃、友人が目を覚ました。
まさに今いる場所で数時間前に起きた出来事を話すと、「そんなことあったんやぁー?全然気づかんかった。」とあっけない返事が返ってきた。
知らぬが仏とはこのことかと思いながら、まぁ何もなかったからよかったと自分の中で納得した。
そうしているうちに、列車はマドリード・アトーチャ駅に到着した。
予定より1日早くマドリードに到着したので宿を探すことから始めなければならなかった。
とりあえず地下鉄で中心地プエルタ・デル・ソルに向かい、
ガイドブックに載っていた一件を訪ねてみた。チャイムを鳴らすとおじさんが登場し、部屋が空いているということだったので即決した。
荷物を置いて外を少しブラブラしていると、喫茶とハム屋とパン屋が合体したような店があって賑わっていたので、朝食でも食べとこかということで入った。
カウンター席に座りハムエッグトーストとコーヒーを注文した。すごい美味しかった。
▼プラド美術館の入場チケット
しばらく休憩して、まず向かったのはプラド美術館。
プラド美術館は世界3大美術館の1つで、スペインを中心に中世から近代にかけてのヨーロッパ各地の美術品を8,000点以上展示しているということだった。
さすが有名な美術館ということもあって、日本人のツアー客や個人旅行者もたくさんいた。
たまたま、日本人ツアーの団体がいてガイドさんが日本語で説明をしていたので、その解説を少し離れた場所で聞きながら作品を見てまわった。
が、作品の余りの多さに途中で疲れてしまったので、適当にバーっと流して見てまわりさっさと退散した。
「次どこ行こう?」ってゆーてもあんまり行くところないなぁーとか何とか言いながら、向かったのはスペイン広場。
有名なドン=キホーテの像があったのでとりあえず記念に写真をとって、ベンチに座って休憩。
なんか休憩ばっかりやなぁーと思いつつ、JCBカードを持っていってた友人が近くにJCBプラザがあるからそこに行こかということになった。
私はJCBカードを持っていなかった(VISAカードだった)ので入れてもらえるのか心配だったが、入れてくれた。
中に入ると、日本茶を出してくれ、日本語の新聞や雑誌を読むことができた。
すっかりリラックスしてしまいあまり動きたくなかったのだが、いつまでもここにいるわけにもいかないので外へ出た。
▼ドン=キホーテの像(スペイン広場)
またまた行く場所がない。
適当に街中をぶらついて、再び宿のあるプエルタ・デル・ソルに戻ってきた。
その頃には、昨日ほとんど寝ていない私はフラフラだったので、友人とは別行動ということにして宿に戻って一眠りした。
私が一眠りしている間に友人がどこに行っていたかは知らない。
6:30に合流しようということになっていたので、待ち合わせ場所で予定通り合流した。
そして、夕食でも食うかということで、宿の近くの安そうなレストランに入った。
料理は味・ボリューム・値段(セットで1,500pts.ぐらいだったと思う。)ともに最高だった。
私はメインディシュとして魚のグリルを注文したのだが、5種類もの脂ののった魚が出てきてびっくりした。
大満足で宿に戻った。
12日目/天気:くもりのち晴れ/「古都トレド」
マドリードにはあまりにも行く場所がないので、昨夜のうちにトレドに行くことに決めていた。
ということで早めに朝起きると、すぐに荷物をまとめてチェックアウトした。
で、日本から予約してあったホテルに移動して荷物を預け、地下鉄に乗って南バスターミナルに向かった。
ところが駅を降りてみると、バスターミナルらしきものが見あたらない。
それどころか、ホームレスの人がいたり壁に落書きがあったりと、なんかヤバそうなところだった。
地下鉄の路線図を見てみると、ガイドブックが間違えていることが判明した。
しょうがないので、もう一度改札をくぐって地下鉄に乗り、今度はちゃんと正しい駅で降りた。
バスターミナルは非常に大きく鉄道の駅よりも立派だった。
いろんなショップが立ち並び、チケットの販売窓口も70ぐらいずらっと並んでいた。
電光掲示板でトレド行きの窓口を確認したのち、窓口の列に並び無事チケットをゲット。
エスカレーターを降りると2台つながったバスが止まっていたので乗り込んだ。
▼問題となったバスチケット
真ん中ぐらいの席に座って出発を待っていると、ひとりの女性にスペイン語で話しかけられた。
何を言っているのかわからず、(日本人のじょうずな)とりあえず笑ってごまかした。
何じゃこのおばさんと思ったのだが、なんか様子がおかしい。
なんと、指定席だったのだ。
チケット(といってもレシートみたいな小さい紙切れ)を見てみると、座席番号が書いてあった。
おばさんに謝って、自分の席に着いた。
バスが走り始めた。景色は次第に殺風景になり、一面に野原が広がっていた。
ところで、バスは高速道路を走ってトレドへ向かったのだが、右側通行であること以外に一つ気になることがあった。
それは、高速道路のインターチェンジがなんか変なのである。
日本だと走行している側から見ると、まず出口があって入口があるのだが、スペインの高速は入口がまずあって出口がありその合流車線がつながっているのである。
出る車と入る車がぐちゃぐちゃになってけっこう恐かった。
まぁそんなことはさて置き、バスは約1時間後トレドのバスターミナルに到着した。
▼古都トレドの全景
トレドは、タホ川と城壁に周りを囲まれた高台にそびえる小さな街で、ローマ時代から重要地として繁栄したそうである。
6世紀に西ゴート王国の宮廷が置かれて以来、長い間首都としてその役割を果たした街である。
バスターターミナルは城壁の外側にあり、坂道を約10分を歩いて上ると街への入口ビサグラ門が見えてきた。
▼城壁に沿って続く坂道
門をくぐり城壁に沿って蛇行した坂道を上ること更に10分、街の中心であるソコドベル広場に到着した。
日々の運動不足がたたり、広場でしばし休憩を取ることを余儀なくされた。
広場で休憩していると、1人のスペイン人の高校生が英語と日本語で声をかけてきた。
「何でトレドの高校生が日本語を知ってんねん」って感じでかなり警戒したが、話によるとその高校生は独学で日本語を勉強してるとのことだった。
終いには、手紙書くから住所を教えてほしいと私の友人に言ってきた。
友人もかなり警戒して教えるかどうか迷っていたが、高校生の人柄の良さに賭けて結局教えることにした。
(日本に帰ってから数週間後、本当に彼からの手紙が届いたと友人は言っていた。今回はたまたま賭けが当たったが、もし何か危ないものでも送り付けられていたらヤバかったことも確かである。)
▼路地の多いトレドの街並み
高校生に別れを告げた後、あてもなくトレドの街を歩きまわった。
トレドの街は文字どおり迷路のように細い路地で構成されており、非常に趣があった。
細い路地を歩いていると、何世紀も前にタイムスリップしたかのようで、すごくいい気分だった。
しばらくすると、立派なん建物が見えてきた
カテドラルだ。でも、もう見飽きていたので中には入らなかった。
さらに細い路地をうろうろした後、昼食をとることになった。 路地裏にある1件のレストランに入り、900pts.(当時約\800/現在のレートで約\600)のセットメニューを注文した。 この値段で、食前ワイン・(10種類からできる選択できる)ボリューム満点の前菜・(これまた10種類から選択できる)メインディッシュ・パン・サラダ・コーヒー・デザートが出てきた。 味も美味しくて大満足だった。
▼レストランの案内
つづいて向かったのはアルカサル。
アルカサルは13世紀に築かれた城塞で、20世紀の内戦で半分破壊されたものの、最近復元されたのだそうだった。
建物の中には、中世の戦争で騎士が使っていた槍や縦などの武器が数多く展示されていた。
身近に見る歴史上の数々の武器につい見入ってしまった。
アルカサルを出たあとは土産物屋をいろいろと見てまわった。
そのうち次第に日が傾いてきたので、トレドを後にすることにした。
バスターミナルに戻り、さっさと切符を購入してバスに乗りこんだ。
マドリードに到着する頃には外は暗くなっていた。
マヨール広場のバル(スペイン風居酒屋)で夕食をとってホテルへ戻り、
歩き疲れていたせいもあってそのまま眠りに陥った。
13日目/天気:晴れ時々くもり/「意外と何もない?マドリード」
今朝はゆっくりと目を覚ます。朝食をとり、まず向かったのは王宮。
ホテルから徒歩で約10分ほど歩いていくとその姿が見えてきた。
正面には白馬に乗った警備兵がいたのでそれをバックに写真を撮り、それからチケットを買って中に入った。
さすが王宮というだけあって中はすごかったが、バッキンガム宮殿には及ばないような気がする。
スペインの王政は1931年まで続いたが現在はは共和制であるのに対し、イギリスは立憲君主制で依然女王が存在しているというその差なのだろう。
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一通り王宮を見てまわった後、地下鉄に乗って向かったのはソフィア王妃芸術センター。
なんでそんなところに行ったかというと、あの有名なピカソの『ゲルニカ』を見るためである。
実際、生の『ゲルニカ』はすごかった。
想像してたよりもはるかに大きな絵で、壁一面が絵という感じだった。
それ以外の作品も色々あったがよく覚えていない。
▼ソフィア王妃芸術センター
時間は昼をかなりすぎていたので、芸術センター近くに見つけたマクドに入った。
メニューを見てみると、「BIG MAC」以外すべてスペイン語で書かれていて何が何やらわからない。
とりあえず、写真のセットメニューがあったので(ダブルチーズバーガーぽいやつを)番号で注文してみた。
すると、すかさずスペイン語で何か聞かれた。
たぶん「飲み物は何にしますか?」と聞いているのだろうと勝手に解釈して、「FANTA NARANJA」というのがあったのでそれを注文した。
ちゃんと通じたらしく、無事ダブルチーズバーガーセットが出てきた。
「FANTA NARANJA」というのは、ファンタオレンジのことだった。
スペインのマクドの味はイギリスと比べて美味しかったし、値段も安かった。
腹ごしらえを終えて、次に向かったのは・・・と言いたいところだが、どこにも向かわなかった。
適当にブラブラと街を歩き回っただけ。
というのも、マドリードにはあまり観光スポットといわれるような場所が少なく、別に行きたい場所もなかったからである。
だから、その後どこに行ったのかはあまり思い出せない。
実際、今回の旅行で訪れた街の中で、「もう1回行ってみたい」と思わなかった唯一の街がマドリードだったような気がする。
▼マドリードの一場面
ただ、その日の夕食(つまりスペインで最後の夕食)を マヨール広場に面したバルで食べ、ちょっとばかりボラれてしまったことだけはよく覚えている。
日本語の案内文が店の入口に書いてあったのでそのバルに入ったのだが、日本語は全然通じなかった。
まぁ日本語が通じないのしゃーないかと思いつつ、アラカルトで料理とビールを注文し、味もけっこう美味しかった。
で、いい気分になって会計をしてホテルに帰ろうかという時に落とし穴が待っていた。
なんと1人約3,500pts.も取られてしまったのだ。
いままでなら満腹になるまで飲んで食べても、2,000pst.を超えたことはなかった。
なのに・・・まぁ、今までがうまく行き過ぎてたといわれればそれまでなのだが。
せっかくいい思い出ばかりでスペインを離れたいと思っていたのに、最後の最後にいやな気分を味わってしまった。
14日目/天気:くもり/「スペイン発15時間空の旅」
いよいよスペインを立つ朝になった。
思えばあっという間の日々だった。
飛行機の時間が10:50と早かったので、急いで朝食をとったあと、荷物をまとめて空港へ向かった。
普通なら空港へ向かう場合、地下鉄コロン駅近くのバスターミナルから空港バスに乗るのだが、コロン広場には強盗やスリがいっぱいいると聞いていたので、別の場所から空港バスに乗ることにした。
アベニーダ・アメリカ駅で地下鉄をおり外へ出てみると、バス停がどこにあるのか全然わからない。
で、、大きな荷物を持ったまま途方に暮れていると、キャリアウーマンぽいスペイン人のオバチャンが声をかけてくれた。
そして、私達が持っている荷物を見て空港へ行きたがっていることがわかったのだろうか、(スペイン語でたぶん)「空港行きのバス停はあそこやで。」と親切に教えてくれた。
お礼を言ってバス停に行くと、運良くすぐにバスが来た。
バスに乗りこみ運転手に「dos(2)」(∵友人Pesetaを使い切ってしまって持ち合わせがなかったので私が2人分払うことになっていた。)と言って1,000Pts.札を渡そうとすると、なぜか受け取ってくれない。
「なんで受けとらへんねん。」と思いながらよくよく考えてみると、スペインのバスはコインしか受けつけてくれないのを思い出した。
「うわぁー!ピンチ」と思ったが、英語で「Please.」と言いながら粘っていると、しぶしぶ運転手は受け取ってくれた。
助かった。
約30分後バスはバラハス国際空港に無事到着し、シンガポール航空のカウンターでチェックインをする。
そのあと、友人はロンドンで買ったヴィトンのVAT(付加価値税)の払い戻し手続きをして、出国審査をあっけなく通過した。
「これでスペインともお別れかぁー」と思うとなんかみょーにブルーになった。
と同時に、「またいつかスペインに来てやる」と決意を新たにした。
SQ343便(チューリッヒ経由シンガポール行き)は定刻より約1時間遅れでマドリードを離陸した。
機内はアジア系の乗客が多かったので、何となくホッとした。
機内食は合計3回も出され満腹になった。パーソナルモニターで『ゴジラ』をはじめ映画を何本か見たりしながら、眠れないままのながーいながーい15時間の空の旅だった。