旅行日記#1 ロンドン&スペイン+シンガポール16日間(2)

旅の舞台は太陽と情熱の国スペインへ


メ ニ ュ ーコ メ ン ト
★ロンドン編歴史と伝統の街ロンドン。そこがこの旅の始まり・・・
★スペイン編@バルセロナ地中海の風に吹かれながらバルセロナの街を歩く。
★スペイン編Aアンダルシアアラブの香り漂う情熱の世界アンダルシアを満喫。
★スペイン編Bマドリード・トレド新旧の都対決は旧都に軍配?
★シンガポール編+おまけ旅のクライマックスは"獅子の都"で。

★スペイン編@〜バルセロナ〜


5日目/ 天気:くもり時々晴れ/「空路スペインへ〜"オラ!"〜」

ついにロンドンを出発する朝を迎えた。何かあっという間の3日間だったような気がする。結構朝早かったので朝食をとる間もなく、荷物をまとめる。 ホテルをチェックアウトし、地下鉄の駅へ。ピカデリーラインの車内は通勤時間と重なって混み合っており、ヒースロー空港まで約50分ほぼ立ちっぱなしだった。
スイスエアーのカウンターでチェックインを無事済ませ、出国審査へ。出国審査は質問もされずはんこを押すだけで、入国審査の厳しさとはえらい違いだった。飛行機が少し遅れていたので、 免税店をゆっくり見てまわった。とはいうものの、今買っても荷物になるだけなので大した買い物はしなかった。

▼スイス・エアー
SR803便は定刻より約30分遅れで搭乗が始まった。 機内はほぼ満席で、着席と同時にお絞りとスイス製のチョコレートが配られた。
少しすると、驚いたことに、英語・ドイツ語・フランス語のアナウンスに続いて聞きなれた日本語が聞こえてきた。 10人ぐらい日本人のツアー客がいたのがその理由らしいが、ロンドン→チューリッヒの機内で日本語アナウンスとは、なかなかきめ細やかなサービスだと感心した。
離陸後しばらくして機内食が配られ、食べ終わる頃には着陸態勢に入っていた。無事着陸し、降りる時にクルーから日本語で「サヨナラ」と言われた。 何で日本人ってわかったんやろう?

チューリッヒ・クローテン空港で、バルセロナ行きのフライトまで3時間ほど時間をつぶさなくてはならなかった。 シンガポール・チャンギ空港やロンドン・ヒースロー空港と比べて、規模も小さく免税店も少なかったので、時間をつぶすのに苦労した。

3時間後。バルセロナ行きSR662便の機内は、先ほどのフライトと違ってラテン系の乗客が多く、あちこちから大きな話し声と笑いが聞こえてきた。 これがスペインかぁーと思い、なんかこっちも明るい気分になってきた。
チューリッヒから約1時間半、窓から地中海を望みながら飛行機はバルセロナ空港に無事着陸。オリンピックがあったせいか、 空港はすごい新しかった。入国審査も簡単に通過し、外に出ると太陽の光が眩しかった。ついにスペインに来たぞー!

▼はじめてのスペイン語で買った切符

空港からホテルまでは一番安上がりの国鉄に乗って行くことにした。切符売場で初めてスペイン語を話す機会が訪れる。"Placa de Catalunya"と言ってスペイン・ペセタを渡すと、 通じたらしく、切符とお釣が帰ってきた。ちょっとうれしかった。
これまで見たことのない素晴らしい街並みを眺めながら、30分ほど電車に揺られた。改札を出てしばらく迷った末、なんとかホテルを発見しチェックイン。

8時を過ぎているのに外はまだかなり明るかった。
時間も時間だったので、夕食を食べる場所を探し歩いた。目に付いたのは、最近は日本でもちょこちょこ見かけるようになったが、道路や広場に面した店のほとんどが、 屋外にテーブルとイスを構えたいわゆるオープンカフェスタイルだったことだ。
いろんな店を見てまわったが、結局グラシア通りのオープンカフェスタイルのこじゃれた店で食べることにした。 ビールと料理を何品かアラカルトで注文したが、どれも絶品だった。大満足。 食べ終わる頃には9時をまわっていたので、少しぶらぶらしてからホテル戻った。

"オラ(Hola)"・・・スペイン語のあいさつで、いつでも誰にでも気軽に使える便利な言葉。


6日目/天気:くもり一時雨/「列車の切符とテレフォンカード」

バルセロナの朝はさわやかだった。昨夜のうちに行程をある程度決めておいたので、それに従ってまず明日のセビリア行きの夜行列車の切符を確保することにした。

▼メトロ(地下鉄)の回数券
地下鉄でレンフェ(スペインの国鉄)のサンツ駅に向かった。バルセロナの地下鉄はけっこう新しかったが、車内アナウンスや案内板にはスペイン語とカタルーニャ語が併存していた。

約15分でサンツ駅に到着した。ここはスイス・イタリア方面の国際列車やスペイン各地への列車が発着する駅なので、切符売場の窓口は人でごった返していた。
案内板や構内アナウンスがすべてスペイン語(とカタルーニャ語)だったので、どーやって切符をとったらいいのか全然わからずしばらく途方に暮れた。

で、インフォメーションがあったので、とりあえず時刻表をもらうことにしたのだが、まず日本の銀行みたいに整理券をとらなければならなかった。 何で時刻表をもらうだけでこんな待たなあかんねんと思いながら、約30分待ってようやく順番が回ってきた。待ちくたびれた。
まず英語で"time table,please. I'd like to go to Sevilla."と言ってみたが通じなかった。少しあせったが、スペイン語の会話本を持っていっていたので、 そこに載っていた例文を見せてようやく通じた。やれやれ。

時刻表を見て乗る列車を決めた後、今度は切符窓口の整理券を取って更に待つこと約40分、ようやく順番が回ってきた。
時刻表を見せて指を差し、"tomorrow""tres(トレス=3)"と英語とスペイン語ごちゃ混ぜ言ってみる。 今度はちゃんと通じたらしい。
が、窓口の人がスペイン語で何かを言ってきた。全然わからない。 かなり焦った。
3人でわからないと言うような顔をしていると、窓口の人が英単語を交えて言ってくれた。 どうやら、「寝台車ではなくシートでいいのか?」「禁煙席でいいのか?」と聞いていたらしい。
質問に"Yes""Yes"と答え料金を支払うと、切符が出てきた。 サンツ駅に着いてから約2時間かけてようやく手にした切符が妙にうれしかった。


▲やっとのことで手にしたチケット

このように切符をとるだけでかなり苦労したのだが、更にちょっと困った事態が生じた。帰国便のリコンファームをしようと言うことになり、テレフォンカードを買ったのだが使い方が分からない。 電話機を相手にいろいろ格闘してみたのだが、どーやってみてもかからない。
しょうがないので、誰かに使い方を聞くことにした。売店らしき店の30歳ぐらいの女性が暇そうにしていたので、その店に入った。 こっちが片言の英語でテレフォンカードの使い方を質問すると、通じない。 彼女はスペイン語(かカタルーニャ語)でいろいろ言ってくるのだが、こっちがわからない。 テレフォンカードを見せて、身振り手振りでさらに質問する。

ようやく状況がつかめたらしく、一生懸命身振り手振りで教えてくれるのだが理解不能。
そんな状況が数分続いたあげく、彼女は店の電話をとって"これを使ってみたら"というようなしぐさをした。 その好意に甘えて使わせてもらうことにしたのだが、全然違うところにかかってしまう。 何度かチャレンジしたがだめだった。あぁーもー最悪!。
どーしようもないので、非常に親切にしてくれた彼女に"Gracias."とお礼を何度も言って、店を出た。 結局、テレフォンカードは使われずじまいになった。

時間はもう昼をかなりすぎていたので、サンツ駅構内のカフェテリアで昼食をとった。 何を食べたかは思い出せないが、美味しかったのは覚えている。

▼ピカソ美術館
昼食後向かった先はピカソ美術館。表通りから少し中に入った趣のある路地に入口があり、国際学生証を見せて入場料金を支払い中に入った。
美術館の中は非常に広く無数の作品があったが、ピカソだけにすんなり理解できる作品は少なかった。 でも、どこがと言われれば困るけれど、凄かったことは確かだ。美術館を出る頃にはもう夕方になっていた。

▼カテドラル(バルセロナ)

次に向かったのはゴシック地区にあるカテドラル。中世の面影を残す古い街並みを歩いていくと、一際目立つ建物が目に入ってきた。 これがカテドラルかぁー。その大きさと建築デザインにはかなり驚いた。
カテドラルはスペインの大きな街に行けば必ず1つあるすごい教会のだが、スケール以外で普通の教会とどう違うのか勉強不足でよく分からなかった。

しばらく歩いていくと、バルセロナの目抜き通りランブラス通りに出た。 双方向の車道に挟まれる形で広い歩道があり、両側にはたくさんの露店が出ていた。
それにしても、スペインの人たちは陽気だ。みんな顔がニコニコしていて、そこら中から笑い声が聞こえてきた。 何かいい感じ。

しばらくぶらぶらした後、腹がグーッっとなったのでちょっと変わったメニューのレストランで夕食をとり、その日の行程を終えた。


7日目/天気:晴れ時々くもり/「バルセロナを満喫!!」

セビリア行きの夜行列車の出発時刻は22:00。それまで十分に楽しめそうだ。 朝起きて朝食を済ませると、まずバルセロナに来てここを訪れない者はいないと言われるサグラダ=ファミリア聖堂へ向かった。
地下鉄を乗り継ぎ出口から外へ出ると、言葉では言い表せないようなすごい建築物が目に飛び込んできた。その美しさと大きさにしばらく見とれた。 ガウディの作品として有名なこのサグラダ=ファミリア聖堂は、1892年に着工以来現在も工事が続き、その完成は100年後とも200年後とも言われている巨大建築物である。

▼サグラダ=ファミリア聖堂
入場料を支払って敷地内に入り、間近に建築物を眺めてみると、無数の彫刻によって建物が成り立っているのがよく分かった。
4本からなる高さ107メートルの鐘楼の1本にエレベータで登ると、そこから見える景色に一瞬言葉を失った。 青い地中海と緑の山々に挟まれ、レンガ色の屋根に覆われたバルセロナの街はまさに絶景だった。

と、そこまでは言うことなしだったのだが、ここでちょっとしたハプニングが・・・。 鐘楼の展望ポイントから1階までループ状の石の階段を降りていくと、なんと行き止まり。外に出られなかったのである。やってしまったー!。

▼サグラダ=ファミリアからの絶景

元の場所まで階段を上るしかなかった。一段一段上った。
途中、私達と同じように階段を降りてきた白人の中年夫婦やその他何組かの観光客と出会ったので、 "No.""Stop."などと言って行き止まりであることを教えてあげ、みんなしぶしぶもと来た階段を上っていった。
ようやくエレベーターの乗り場に到着し、そのまま1Fまで降りた。足はガクガク、膝はピクピクしていた。
思わぬところで体力を消耗してしまった。

次に向かったのは、オリンピック・スタジアムなどがあるモンジュイックの丘。 地下鉄→フニクラ(登山ケーブルカー)→ゴンドラと乗り継いで、丘の頂上へ到着。 そこには360°の絶景が広がっていた。太陽の光が眩しい。大砲と地中海をバックに写真撮影をした。

▼地中海をバックに・・・
しばらく風景を堪能した後、徒歩で丘を下ることにした。 坂道の途中に現代美術の巨匠ミロの美術館があったので、涼みがてら入ってみた。
なんと入口には日本語のパンフレットが置いてあった。 こんな所まで日本人観光客が進出しているのかとちょっとびっくりした。
ミロの作品自体はほとんど理解不能。まぁ芸術ってそんなもんでしょうか。 もう昼をだいぶ過ぎていたので、ミロ美術館のカフェで昼食をとった。

昼食後さらに丘を下っていくと、立派な建物が見えてきた。カタルーニャ国会の建物だった。
バルセロナ市内の案内板にすべてスペイン語とカタルーニャ語が併記されていることからもわかるように、 ここバルセロナはスペインであってスペインでない事を改めて実感した。
国会の建物から見下ろす景色もまた素晴らしかった。 まっすぐのびる道の向こうにはスペイン広場が広がっていた。 また、国会の中には美術館が併設されており、ついでに入った。

▼カタルーニャ国会

美術館を出る頃には、太陽もだいぶ傾いていた。 国会前の階段を下り、スペイン広場地下のエスパーニャ駅から地下鉄に乗って、再びカタルーニャ広場〜ランブラス通り界隈へ。
ストリート・パフォーマンスを見たりしながら、しばらくあてもなくうろうろした。

腹が減ってきたので、一件のバル(スペイン風居酒屋)に入りセットメニューを注文。 ボリューム満点で美味しい上に安かった。スペインへ来てはや3日、まだハズレの食べ物に遭遇していないのはまぐれなのか。
夕食後サンツ駅へ向かい、22:00発セビリア行きの夜行列車に乗り込んだ。 大変満足のいく1日だった。

スペイン編Aへ続く


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