キャブセッティング
吸気系や排気系に変更を加えた時はキャブレターのセッティングを見直しましょう。セッティングに入る前にキャブの掃除をして詰まりなどのない様にしておきましょう。
原因と調整個所
セッティングが出ていないと言う事は、混合気が適正より濃いか或いは薄いと言う事です。主な症状と原因は下表を参照して下さい。
症状 | 原因 |
---|---|
ノッキングする | 混合気が薄い |
息つきする | 混合気が薄い |
失速する | 混合気が薄い |
スロットルを開けても回転が付いてこない | 混合気が薄い |
トルク感が無い | 混合気が薄い |
ボコボコ(ゴボゴボ)という音がする | 混合気が濃い |
加速が鈍い、もたつく | 混合気が濃い |
スロットル全開でも回転数が低い | 混合気が濃い |
上記の表にあるような症状がどの辺りのスロットル開度で発生しているのかによって、調整すべき個所、交換すべきパーツが判ってきます。大体の目安ですが、下表を参考にして下さい。
スロットル開度 | 対応している調整個所 |
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全閉〜30%程度 | エアスクリュー調整、調整しきれなければスロージェット交換 |
20%程度〜50%程度 | ジェットニードルのクリップ位置を調整 |
40%程度〜全開 | メインジェット交換 |
原因と調整する個所さえ判れば、あとは濃くするか薄くするかするだけです。
例1.スロットル開けはじめの方でノッキングする場合、エアスクリューで調整できる範囲の混合気が薄いと考えられるので、対処としてはスクリューを締めこんで濃くします。
例2.スロットル開度が半分超えたあたりから加速がもたつく場合は、メインジェットで調整する範囲の混合気が濃いと思われるので、メインジェットを番号の小さいものに交換し混合気を薄くします。
ジェット類の交換
ジェット類には85番(#85と表記したりします)とか90番とか番号がついており、番数を上げると混合気が濃くなります。メインジェットなら大体5番違いづつで6〜10個ほどまとめた物がセットになって売っていますのでそれを一つ買っておくとよいでしょう。初めに番手の大きいものを取り合えず付けて、徐々に番手を下げていく・・・というのがセオリーです。
ニードルのクリップ位置の調整
ジェットニードルにはクリップがついており、通常は真ん中の溝にクリップが付いていることと思います。このクリップを先端(尖った方)に近いほうへ付け変えると混合気が濃くなります。先端から遠いほうへ付け替えると薄くなります。
アイドリング調整
アイドリング調整はエンジンが温まった状態で行います。ですので、アイドリングの調整をする前に近所をひとっ走りしてきましょう。
1.まず、アイドルスクリューを締めてアイドリング回転数を少し上げてやります。このあとにエアスクリューを目いっぱい締め込んだ時にエンストしないようにする為です。
2.次にエアスクリューを締まる所まで締めてしまいます。続いて、目いっぱい締めこんだ位置から1回転ほど戻します。目いっぱい締め込むとエンストしそうになると思いますのでエンストしないうちに手早くやって下さい。
3.アイドルスクリューを緩めてアイドリング回転数を規定値(SM参照)まで下げます。といってもスクーターはタコメーター付いてないんで、耳で確認。普段聞いているアイドリング音のする辺りまで下げてください。「トットットットッ・・・」くらいが丁度よいかと思います。
4.ここからが大事。タコメーターがないので耳が頼りです。エアスクリューをゆっくり緩めていきます。するとエンジン音が上がる個所があると思いますのでそこで回すのを止めます。
5.アイドルスクリューを緩めて回転数を戻します。
6.エアスクリューをゆっくり回しエンジン音がこれ以上は上がらないという所で止めます。
7.アイドルスクリューを緩めて回転数を戻します。
以上で大体アイドリング調整は完了します。スクリューは4分の1回転(90度)ずつ回すと判りやすくていいと思います。調整が終わったら試走して見ましょう。