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1. 少々食べ物を口にした後、8時49分に小屋を出発する。    小屋の前を登り、先程渡ってきたガレ場の上部を再び渡り返し    左岸に取り付く。上部を見れば、万年雪が見える。そして、その    上部は相変わらずガスである。    ガレ場を渡ると、道はキャンプ場の中を通り、さらには灌木帯の    中を登って行くようになる。 |
2. やがて、途中で雪が舞い始める。嘘だろ と思いつつも、量は少な    いのでそのまま登って行くと、徐々に雪は量を増し始め、周囲が    白くなり始める。    撤退を決めて下山してくる人も現れだし、小生も迷うが、前穂高岳    まではと思い先に進む。    高度を稼いで振り返れば、岳沢小屋がかなり下方に見える。 |
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3. 周囲は草付きの斜面から、ダケカンバ、岩が多くなる。狭い岩の    間を、身体を捩るようにして抜けると、すぐに目の前に金属製の    梯子が現れた。かなり長く、八ヶ岳の権現岳を思い出す。    梯子自体は長いだけでさして問題は感じないが、踏み板部分に    雪が積もりつつあるので注意が必要である。 |
4. 長い階段を登り切った後も、岩場の急登が続く。    雪は相変わらず降り続く。と言うか、雪というよりはあられといった    感じで、それが周囲の葉に当たってパラパラという音だけが響く。    やがてテラス状の場所に到着。上を見上げれば、ガスの中に    次の高みが見える。時刻は 9時36分。 |
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5. ここで一休みしてどうするか考える。雪あられの方はパラパラと    いう音がさらに大きくなり、周囲の岩は白くなっている。    この後、道はさらに厳しくなり、スリップする危険性が増すこと、    そして稜線上は風が強いことが予想されることから、残念では    あるものの撤退を決める。 |
6. 時刻は 9時40分。登ってきた道を戻る。    なお、後程、この引き返した場所が カモシカ立場と知る。それを    示す岩に書かれた文字は雪の下だったので、この時は全く気づ    かなかったのだ。ただ、折角登り着いたのに何も無いので、少々    ガッカリした印象が強く残っている。 |