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道は尾根の北側と南側を交互に進む。
やがて北側をかなり長く進むようになり、ジグザグに尾根に向かって登っていくこととなる。
今まで樹林越しにしか見えなかった
奥白根山であるが、
ようやく完全に見渡せる場所に登りついた。
ここからの展望は素晴らしい。
奥白根山が金精山の後ろに大きく見え、これまでの主役であった金精山が完全に主役の座を奪われてしまっている。 |
右を見れば、菅沼が見える。
当初、手前が菅沼、後方が丸沼かと思ったのだが、地図で確認すると、どちらも菅沼のようである。
また、菅沼の右手 奥、四郎岳の向こうには
至仏山が見えるらしいのだが、
この日は霞んでいて遠くがあまりハッキリ見えず、確認することができなかった。
暫し景色を堪能し、先を急ぐ。道は暫く登りが続いた後、樹林帯の中の平地へと入る。
周囲はシラビソやコメツガなどの木々が生い茂っており、足下はササ原である。
かなり高度が上がっているのに、このような平地が続くのが不思議である。
木々を通して日が差し込み、周囲は明るい。 | |
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ほぼ平坦に近い道を暫く進むと、温泉ヶ岳頂上への分岐が現れた。時刻は 8時9分。
当然、温泉ヶ岳の頂上を目指し、左に道を取る。
途中、ササが煩いところもあるが、道は明瞭。暫く登ると樹林が切れ、振り向けば樹林の上に
奥白根山が浮かんでいる。
そして、8時17分、温泉ヶ岳頂上に到着。
当然、誰もいない。本日 一番乗りである。 |
写真のように温泉ヶ岳の頂上は狭い。
真ん中には三角点が立てられている。面白いのはその奥にも三角点があることである。
奥の三角点には 『御料局三角點』 という文字が刻まれている。
明治時代、国有林の中でも皇室の財産であった森林は、
宮内庁御料局が管理しており (その他の国有林は農商務省山林局が主に管轄)、
定期的に管轄林の面積を測量していたが、その測量の基準点として、この 『御料局三角點』 が設置されたのだそうである。
さすが日光という気がする。 | |
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温泉ヶ岳は北と東が開けている。
北側の斜面にいってみれば、燧ヶ岳の双耳峰が見える。
その燧ヶ岳の右手前にズングリした山が少し顔を出しているが、
もしかしたらあれがこれから目指す根名草山かもしれない。
また、燧ヶ岳、根名草山の手前には大きな山容の山が見える。地図で見ても名前が無いというか、
根名草山の一部のようである。斜面には縞枯現象と思しき枯れた木々が見られる。
そして、目を右にやれば、山の稜線に近いところに白い家が見える。
恐らくあれが移設され、立て替えられた念仏平避難小屋であろう。
根名草山も避難小屋も、かなり遠い。 |
温泉ヶ岳の東側を見やれば、下方に刈込湖、
切込湖が見える。
その後ろにうっすらと見える三角形の山は恐らく
山王帽子山であろう。
その山王帽子山を覆うようにしている富士型の山は
太郎山、
そしてその太郎山の後方に三角形の頂を見せているのが
女峰山であろう。
女峰山の右には、小真名子山、大真名子山も見え、
奥白根山と
男体山を除く日光の主立った山が揃い踏みである。
素晴らしい。 | |