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9時44分、オキノ耳に到着。こちらは比較的空いていたので、岩に腰掛けて腹ごしらえをする。
握り飯を食いながら周囲の景色を楽しむ。南を見れば、トマノ耳。そしてその左には、トマノ耳に至るまでに登ってきた稜線が見える。
北には巻機山、
越後駒ヶ岳、
中岳、
そしてようやく朝日岳の姿が見えるようになってきた。
ただ、その手前の大小の烏帽子の方が立派に見える。
朝日岳の右には、うっすらと
平ヶ岳の姿。
あとは霞んでしまって識別が難しい。 |
10時2分、オキノ耳を出発。
やはり身体は重いが、もうこの時点では、万太郎山へと向かうことを決めていた。
ユックリでも進んでいけば、何とかなるだろうとの気持ちである。電車の時間も 18時過ぎ、そんなに焦ることはない。
まずは肩の小屋を目指す。途中、オキノ耳を振り返れば、その左後ろに一ノ倉岳、茂倉岳といった
前回、
前々回
に歩いた山々の稜線が見える。 |  |
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10時15分、肩の小屋の裏手に立つ。
ここからは万太郎山までの行程が見渡せるが、かなり遠い。しかも、万太郎山に至るためには、まずオジカ沢ノ頭が大きく立ちはだかっている。
さらにオジカ沢ノ頭から先にもいくつかのピークが待っていて少々怯む。しかし、ここまで来たら進むしかない。
ところで、オジカ沢ノ頭を越えて道はさらにまっすぐ進むことになるのだが、
オジカ沢ノ頭から南に延びる稜線が大変魅力的に見える。
俎ー (マナイタグラ) 山稜というのであろうか、俎ーへと続く円弧が美しい。 |
肩の小屋の裏手から下る。
こちらに進む人はあまりいないはずで、事実 登山道の先には誰も見えない。
従って、自意識過剰かもしれないが、肩の小屋に憩う大勢の人たちに見られているようで少々恥ずかしい。
右を見れば、一ノ倉岳から茂倉岳へと続く稜線がよく見える。
そう言えば、一ノ倉岳への登りは結構辛かったのを思い出した。
しかし、その後は結構平らな道が続き楽しかったはず。こちらの道はどうであろう。
足元に目をやれば、黄色い花が沢山咲いている。花には詳しくないが、ミヤマキンポウゲだろうか。 |  |
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10分程下って振り返れば、谷川岳の稜線が見える。
肩の小屋は、まるで草原の丘に立つ一軒家のようだ。また、谷川岳はこの角度だと
トマノ耳、オキノ耳の高みがあまり目立たない。
それにしても谷川岳に登る度に感じるのだが、東側斜面 (マチガ沢等のある側)と西側斜面
(今居るところ) では趣が 180度違ってビックリさせられる。
こちら側は緑に覆われた優しい山という感じが強い。 |
前を向けば、
オジカ沢ノ頭に向かって延びる稜線上に道がつけられているのが見える。
周囲に木々はなく、まるで 3,000m級の山を縦走しているような錯覚に陥る。
それにしても、何度も言って恐縮だが、オジカ沢ノ頭から南に延びる俎ー (マナイタグラ) 山稜は一度は通ってみたいと思わせる、
魅力に溢れる稜線を持っている。
万太郎山への縦走路も含め、2,000mに満たない山で、これほどシェイプアップされた山や尾根というのも珍しい気がする。
豪雪のなせる技であろうか。 |  |