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クモイコザクラのある岩場は駒岩から下った鞍部にあり、この岩場から展望台への登りが始まる。
足元が悪い場所もあり、また登りには木の根を掴まねばならない場所もあるが、ガスに後れを取らぬよう 息を切らせつつ登り続ける。
登り切ったところからは緩やかな道が続く。道は逆Uの字のように曲がっていく。
樹林越しに鋸岳が見える。 |
シャクナゲの群落を過ぎると、
ようやく鞍掛山の頂上に到着。時刻は 9時59分。
しかし全くつまらない頂上だ。周囲は樹林に囲まれ、頂上といっても細長いただの高みに過ぎない。
すぐに左に下って、展望台を目指す。
甲斐駒ヶ岳に上がってくるガスとの競争である。
一旦 鞍部に下ったら、そこからテープの目印に従って目の前の斜面を登る。この辺はやや道が分かりにくい。
道らしいものが幾筋もあり、少々迷う。事実、下側を進んでしまい、
途中で斜面を登り返して正式な道に戻った。 | |
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やがて、先の方に岩場が見えてきた。
そこからの展望が良いことは間違いないようだ。問題は
甲斐駒ヶ岳
がガスに覆われていないか である。
コイワカガミ (と思う) の咲く場所を過ぎ、岩場の上に飛び出した。時間は 10時6分。
展望台はこの少し先になる。 |
展望台に登り着いて右を見れば、
ガスがかなり出始めているものの、
甲斐駒ヶ岳はまだ大丈夫。
辛うじて間に合ったというところである。
ここからの甲斐駒ヶ岳
は本当に素晴らしい。
このページより前のページで色々な表現をしたので、今更 敢えて書くことはしないが、その迫力は素晴らしいの一言。
また、坊主山の岸壁も凄い。ここを登る人がいるとは !
大したものである。 | |
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この展望台には、壊れてしまった祠の他、石碑や石像が置かれている。
それらのものが、この場所のステータスを上げているようで何か嬉しい。
石碑を見ると、『 鞍掛山二代開山三十年記念 』 と彫られている。また、不動明王らしき石像もあり、
立像ではあるものの、右手に剣、左手に羂索 (五色の縄) を持っている。
さらに、公家装束のような人物の石像もあり、右側に 大正九年八月・・・とある。左側に 『 開山 大菩薩 』 という文字が彫られていたので、
もしかしたら甲斐に縁の深い新羅三郎義光像なのかもしれない。 |
甲斐駒ヶ岳の右には、
鋸岳のギザギザした稜線が続く。
地図を見ながら山座同定を行う。まずは甲斐駒ヶ岳の右にある山はその形からして烏帽子岳と思う。
烏帽子岳から右に派生する尾根が八丁尾根であろう。
烏帽子岳の右後ろに見える平らな尾根は、右側の落ち込む先が八丁尾根の高みに隠れてしまっているが、
その部分に中ノ川乗越があるのかもしれない。その後、再び尾根は盛り上がるが、最初の高みが第二高点、
その後 大ギャップを経て第三高点へと至り、そこから小ギャップ、第一高点へと続くと見たがどうであろう。
いずれにしても厳しそうな縦走路である。 | |