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道はすぐに下り坂になる。折角 稼いできた高度を減らしていくのは辛いところがあるし、帰りの登り返しを思うと少々憂鬱になる。
実際は精々下っても 150m程なのだが、精神的にはもっと下っている気がする。
途中、左側の樹林の向こうに霞沢岳らしき山が見えてきた。写真に収めるべく、ちょっとルートを外れて、斜面の縁まで行ってみる。
右に K2、K1 らしきピークを有しており、やはり霞沢岳のようだ。しかし、上高地を出発してから3時間超経過してようやく姿を見せるとは、
何と言う山だろう。しかも、その頂に到達するまで、右手から大きく回り込まねばならず、まだまだかなりの距離がある。
ちょっと 軽いショックを受ける。 |
霞沢岳からさらに左に目を向ければ、
乗鞍岳らしき山も見える。
しかし、残念ながらその山頂は雲に覆われていて全く見えない。
また、乗鞍岳の左後方にも雲に覆われた山が見える。
その山麓部分の大きさから 恐らく御嶽と思うが、
こちらも頂上の形は確認することができない。 | |
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道はドンドン下っていく。足下はぬかるんで滑りやすい所もあり要注意。
最低鞍部に到達したかと思ったら、少し進むと、また下ることになる。最終的には、湿地帯が最低鞍部だったような気がする。
最低鞍部を過ぎると、小ピークの登下降が始まる。最初に登り着いたピークには写真のような P2 の文字。この後、P3、P4、P5 と続くのだが、
P5 の文字だけは見落としてしまった。
P2 到着は 9時45分、P3 は 9時51分、P4 は 9時57分であった。P5 は、P5 の文字を見落としたので、到達時間不明。 |
P3 から P4 の間では、
南側の展望が開け、写真の通り中央アルプスの姿を見ることができた (写真 中央 右奥)。
中央アルプスの真ん中に見えるピークが木曽駒ヶ岳、
そしてその右はもしかしたら三ノ沢岳と宝剣岳等々の山々、
そしてさらに右は空木岳と思われる。
また、中央アルプスの手前 左に2つ連なる山が見えるが、左側の方のピークは鉢盛山のようである。 | |
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P4 を過ぎると、再び 霞沢岳の姿がよく見える様になる。しかし、まだまだ、遠い。
また、右手を見れば、木々の上方に前穂高岳の鋭鋒だけがニョキッと顔を出している。
こうして、前穂の左にある 奥穂高岳が隠れ、前穂のみをクローズアップしてみると、
ソリストとして十分にやっていける山であることが分かる。
穂高連峰として、そばに奥穂、北穂もあることから、この山のみ登られることは少ないと思うが、
まさに主役を張れる山であり、そういう意味では少々不遇なのかもしれない。 |
やがて、
道はガレ場の横を通る。
崩壊地というと、南アルプスの方の印象が強いが、こちらもやはり厳しい箇所がそれぞれあるようだ。
ここも斜面がかなり崩壊しており、浸食が進んでいるようである。
やがて、道は 草付きの斜面を登るようになる。
恐らくここはお花畑となる場所なのであろう。今は、もう花はほとんど見ることができないものの、
もう少し早い時期ならこの斜面は花で一杯になる気がする。 | |
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恐らく P5 と思われるピークを過ぎると (木に書かれた P5 の文字を見落とした)、再び 前穂、
奥穂、そしてその間を繋ぐ吊尾根がよく見える様になってきた。
できるだけ早い内にこの 2つのピークに登りたいものである。
また、少し振り返れば、
樹林越しに常念岳の姿もよく見えるようになってきた。
この日の常念岳は、前常念への尾根が雲で隠れ、三角錐をして美しい。また、
その下方を流れる梓川の河原の白さが緑の中にアクセントを加えていて魅入られてしまう。 |