浅間温泉


 松本の奥座敷と呼ばれ、長い歴史のある浅間温泉は、松本市郊外にあります。松本駅や松本城から車で15分足らずの場所でありながら、老舗旅館が立ち並ぶ温泉街は、昔ながらの佇まいであり、温泉情緒満点です。

【菊之湯】[2023年11月更新]

玄関・古民家    ロビー 
廊下 朝霧の間  紅風呂 菊風呂

 浅間温泉の入口に近い、下浅間バス停近くのバス通り沿いにある菊之湯は、明治24年(1891年)創業の老舗旅館です。信州独特の伝統的な民家形式である本棟造りの木造建築は昔ながらの雰囲気です。玄関を入ると古民家民芸調の重厚かつ風情あるロビーとフロントがあります。玄関や食事処のある古民家と松竹梅の3つの建物がありますが、滞在した客室は、奥の梅の棟2朝霧の間です。和室10畳+次の間5畳にバストイレ付の広い客室になります。
 お風呂は、菊風呂と紅風呂の2つがあり、男女朝夕時間交代制です。紅風呂は、御影石と伊豆石の内湯と檜の露天風呂があります。菊風呂は、内湯と庭園のみで、内湯はひょうたん型の湯舟にイタリー産大理石の菊が大小2つ配置されたお風呂です。お湯は透明マイルドで心地よい香りがあり、よく温まります。
 夕食は、
1階玄関すぐの昔ながらの雰囲気の宴会場老松で美味しい懐石料理を頂きました。夏野菜等の前菜やサーモン刺身、岩魚塩焼き、黒毛和牛ステーキ、季節野菜天麩羅、とうもろこしご飯に信州果物等、美味しくヘルシーな料理を味わいました。朝食も1階老松で豆腐や玉子焼き、夏野菜等ヘルシーで多彩なメニューを頂きました。
 日曜夜ということもあり、宿泊客は他ひと組のみで、館内は静寂な雰囲気に包まれており、食事も入浴もほぼ貸切状態でゆっくり静かに寛ぐことができました。老舗旅館ではありますが、敷居はとても低く、アットホームなおもてなしでリラックスして過ごすことができました。なお、松本城入場券付きの宿泊プランで滞在したため、旅館チェックイン時に松本城入場券をいただき、翌朝久しぶりに松本城へも入場しました。


[2018年6月更新]

 松本出張のおり、松本駅からバスで約25分の浅間温泉を十数年ぶりに訪れました。なかでも松本城主の湯殿として400年の歴史を持つ日帰り温泉施設である、湯々庵 枇杷の湯を長野市在住時代以来、約20年ぶりに訪ねました。
 浅間温泉バス停から徒歩で一番奥の山際へ歩いたところに、この温泉はあります。夜は真っ暗で人通りの少ない道をしばらく歩くと、枇杷の湯の駐車場があり、その奥に建物があります。昔ながらの情緒溢れる民芸調の建物です。
 玄関を入り、右手に受付、左手に休憩コーナーがあり、左手奥に大浴場があります。お風呂は、タイルの四角い内湯と、屋根付きの半露天の檜風呂があります。お湯は透明マイルドで、とても柔らかく、ほのかな香りが心地よい入りやすいものです。気持ちよく寛ぐことができます。

 帰りは浅間温泉発のバスがない時間帯のため、徒歩10分の浅間橋東にある浅間温泉入口バス停まで歩き、循環バスで松本市内へ戻りました。


【目之湯旅館】

目之湯旅館・表札

目之湯旅館・玄関

目之湯旅館・廊下

目之湯旅館 目之湯旅館・内湯

目之湯旅館・客室

目之湯旅館・露天風呂

目之湯旅館
 浅間温泉の中心部に近い場所に、長い歴史をもつ目の湯旅館があります。目に傷を負った一羽の小鳥が噴泉で傷を癒したという言い伝えから「目之湯」という名前が付いたそうです。重厚で歴史を感じる門構えの門をくぐり、長い道を辿ると、そこに昔ながらの木造の建物と蔵があります。玄関にかかる大きな木の表札や、黒光りの玄関、階段、白熱灯の並ぶ廊下等、いたるところに歴史が感じられ、レトロな風情を醸し出しています。忘れかけていた日本の姿に出会ったような、何とも言えない懐かしい気持ちになります。案内された客室は、1階右手の一番奥にある「櫻の六番」の客室です。部屋名を記載した木札にも歴史が感じられます。客室は12畳+次の間と広く、天井や窓枠、板の間等、1つ1つに重厚感があります。鍵も洗面もトイレもエアコンもない部屋ですが、それでもひんやりとして快適に過ごすことができます。

 お風呂は、男女別に四角い檜の内湯と、丸い檜の露天風呂があります。内風呂は女性用のほうが2倍大きい湯船です。平日で他に宿泊客がいなかったため、広い女性用の風呂を家族風呂として貸し切ることができ、家族でゆったり過ごすことができました。いずれのお風呂も檜の温もりが良質の源泉とマッチして、とても体にやさしく心地よい感じになります。
 お湯は透明・マイルドですが、100%源泉のかけ流しでかなり熱く、熱湯が苦手な私には、内湯は長時間入ることが困難でした。湯上りはさっぱりとしており、檜のぬくもりが体にやさしく、極めて良質なお湯と感じました。日中は、日帰り入浴も受け付けているようで、外来入浴のお客様も少し見受けられました。

 夕食は部屋食で、信州産の豚しゃぶと毛がに、刺身、信州の美味しいそば、というヘルシーなメニューでした。朝食は、玄関前のロビーを個室として使用し、そばを中心としたヘルシーなメニューでした。特にそばの美味しさは格別であり、これを味わうためだけでも訪れる価値があると感じました。
 素晴らしいお湯と昔ながらの重厚で懐かしい建物、素朴な雰囲気に大変満足し、久しぶりに訪れた信州を後にしました。平日の素泊まりや朝食のみのプランもあり、松本市内からも近いロケーションのため、出張途中に立ち寄ることもできそうです。源泉かけ流しの昔ながらの素朴な温泉宿を訪ねてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

【ホットプラザ・浅間】
 ホットプラザ・浅間は温泉街の中心に近い場所にあります。一見こじんまりとした民芸調の建物ですが、館内は内湯、露天風呂、打たせ湯、圧注湯を始めとして様々な種類の温泉があり、十分に楽しむことができます。お湯はいずれのお風呂も透明でマイルドな感じです。施設は新しく清潔感がありました。また、私が訪れたときは土曜日ということで館内は大変混雑していました。外国人の方も多く、国際色豊かという印象を持ちました。

【枇杷の湯】
 枇杷の湯は温泉街から細い道を上った一番奥まった場所にあるため、ホットプラザより静かな雰囲気でした。ここは松本城主により造られた400年の歴史を持つ温泉であり、建物は歴史ある民芸調の和風建築です。元高級旅館を改装してオープンしただけあって、お風呂は、普通の日帰り温泉とは違う1ランク上の優雅さがありました。美しい庭園と伝統旅館の雰囲気をそのまま残している玄関、館内の歴史的陳列品等、建物に入った時から温泉への期待が高まります。広くて清潔感のある木造屋根の内湯や、檜造りの露天風呂は、温泉旅館の雰囲気そのものであり、静寂な湯舟に体を休ませると、時の経つのを忘れて何とも幸せな(お殿様の)気分になります。お湯はやはり透明でマイルドな感じです。また、美しい庭の奥には、お殿様の野天風呂と呼ばれる露天風呂があり、かつてのお殿様の気分を味わえる風情満点のお風呂です。 
 松本城、開智学校、古い町並み等、見どころ一杯の美しい城下町、松本市には、この浅間温泉を始め、美ヶ原温泉、扉温泉等、風情ある温泉地があります。少し足を伸ばして、温泉情緒を味わってはいかがでしょうか。  

 

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