1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + 1/(4^2+1) + ・・・=-1/2 + (π/2)・(e^2π+1)/(e^2π-1)
1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + ・・・
=-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2
すなわち、(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^kのk=1,2の場合を出したわけである。
では、k=3はどうなるのだろうか?
今回その導出に成功したので報告したい。結果から示すと、
(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^3=1/(1^2+1)^3 + 1/(2^2+1)^3 + 1/(3^2+1)^3 + 1/(4^2+1)^3 + ・・・
は、次のようになる。
(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^3
=-1/2 + (π/4){e^(2π)+1}/(e^(2π)-1) + (π^2/4){3e^(2π)-1}/(e^(2π)-1)^2
+ π^3・e^(2π)/(e^(2π)-1)^3 + (π/16){8π^2・e^(2π)-e^(4π)+4π+1}/(e^(2π)-1)^2
この導出方法を次に示す。
では、(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^3の値を求めよう。
これまでの小島彗星、ルーリン彗星でやった作用素∫(0〜p) e^(-x)を用いる方法と本質的に同じなので概略だけ記す。
ただし「その2」の最後で述べたように、作用素は∫(0〜p) e^(-x)でやっても∫(0〜p) e^xでやっても同じなので、より簡単な
後者のほうを用いることにする。
[導出方法]
ルーリン彗星の「その1」でやったように、フーリエ級数の公式
(π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・} ----@
( 0 < x < 2π)
を出発点とする。左右両辺に作用素∫(0〜p) e^xを適用するわけである。
大雑把にいえば、上式の両辺に作用素∫(0〜p) e^xを2回作用させれば、本頁冒頭の式が求まることになる。
まず1回目はpをxとした作用素∫(0〜x) e^xを@両辺に作用させる。作用させた結果だけ書くことにする。
(π/4){e^(-x)/(e^(2π)-1)}{2e^(2π)・x - e^(2x) + 1}
={1sinx/(1^2+1)^2 + 2sin2x/(2^2+1)^2 + 3sin3x/(3^2+1)^2 + ・・}
- {1^2cosx/(1^2+1)^2 + 2^2cos2x/(2^2+1)^2 + 3^2cos3x/(3^2+1)^2 + ・・}+ e^(-x)(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^2
さらにこの両辺に作用素∫(0〜p) e^xを作用させて(2回目の作用!)、p=2πとすると次となる。
(π/8){8π^2・e^(2π)-e^(4π)+4π+1}/(e^(2π)-1)=2(1-e^(2π))A + 2π(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^2 ----A
ここで、A=1^2/(1^2+1)^3 + 2^2/(2^2+1)^3 + 3^2/(3^2+1)^3 + ・・・=(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^3
である。
A右辺の(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^2は
(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^2
=1^2/(1^2+1)^2 + 2^2/(2^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + ・・・
=(1^2+1-1)/(1^2+1)^2 + (2^2+1-1)/(2^2+1)^2 + (3^2+1-1)/(3^2+1)^2 + ・・・
={1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + ・・・}
- {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}
と変形できるから、本頁冒頭の2式より、結局、
(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^2=(π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2
となる。これをAに代入すると、Aは次のようになる。
A=(π^2/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)^2 - π^3・e^(2π)/(e^(2π)-1)^3
- (π/16){8π^2・e^(2π)-e^(4π)+4π+1}/(e^(2π)-1)^2
すなわち、
(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^3=(π^2/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)^2 - π^3・e^(2π)/(e^(2π)-1)^3
- (π/16){8π^2・e^(2π)-e^(4π)+4π+1}/(e^(2π)-1)^2 ----B
である。
さて、左辺(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^3は、次のように変形できる。
(n=1〜∞) n^2/(n^2+1)^3
=1^2/(1^2+1)^3 + 2^2/(2^2+1)^3 + 3^2/(3^2+1)^3 + ・・
=(1^2+1-1)/(1^2+1)^3 + (2^2+1-1)/(2^2+1)^3 + (3^2+1-1)/(3^2+1)^3 + ・・
={1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・} - {1/(1^2+1)^3 + 1/(2^2+1)^3 + 1/(3^2+1)^3 + ・・}
={-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2}
- {1/(1^2+1)^3 + 1/(2^2+1)^3 + 1/(3^2+1)^3 + ・・} ----C
最後で本頁冒頭の
1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + ・・・
=-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2
を用いた。最後で青字の目的の級数が顔を覗かせたことに注目。あと一息である。
BとCより、
1/(1^2+1)^3 + 1/(2^2+1)^3 + 1/(3^2+1)^3 + ・・
=-1/2 + (π/4){e^(2π)+1}/(e^(2π)-1) + (π^2/4){3e^(2π)-1}/(e^(2π)-1)^2
+ π^3・e^(2π)/(e^(2π)-1)^3 + (π/16){8π^2・e^(2π)-e^(4π)+4π+1}/(e^(2π)-1)^2 ----D
と目的の(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^3が求まった。
[終わり]
念のため、Excelを用いてDの数値検証も行ったがOKであった。
計算が複雑になるのでやっていないが、今回の方法をさらに続けて@のフーリエ級数の公式に作用素∫(0〜p) e^xを
3回作用させれば(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^4が求まる、
4回作用させれば(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^5が求まる、
5回作用させれば(n=1〜∞) 1/(n^2+1)^6が求まる、
・・・・・・・・・・・
となっていくはずである。
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