m=4n+1の2次体Q(√m)の場合の予想L-3を確認する途中に気付いた点を報告します。具体的に、qπ/5代入の
場合を詳細に調べました(分子の方に注目しています)。
m=4n+1の2次体Q(√m)の場合の予想L-3を確めているうちに、ちょっとした面白い現象をみつけましたので、
お伝えします。
それは、(2q+1)π/5 と 2qπ/5 の場合で、若干途中の式変形のし方が違ってくる現象です
すなわち、π/5,3π/5,7π/5,9π/5代入の場合と、2π/5,4π/5,6π/5,8π/5代入の場合とで、途中の式変形
が異なるということですが、一寸興味深い事実と思いますので、以下で具体的に説明します。
もちろん、どちらでも、予想は成立しています。
また当然ながら、今回の考察は、予想L-3Bにも本質的に同じように適用できます。
念のため、予想L-3を書いておきます。
まず「天王星 その1」の<cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x +・・ )の重回積分-重回微分にπ/5を代入>で、
予想L-3を確認すべくπ/5代入を調べました。関係する部分を復習してみましょう。
[復習]
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[π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、π/5を代入した場合は次のようになったのでした。
3回積分
E・(1 - 1/4^3 - 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 + 1/19^3 +・・・)
+ F・(1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/18^3 +・・・)
- (1-1/2^2)ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜π/5)∫log(2sin(x/2))
ここで、E=cos(π/5)、F=cos(2π/5) です。
さて、上のπ/5代入の場合で、予想L-3が成り立つか否かを見ましょう。
まず、いまπ/5代入ですから、もちろん、k=5となります。よって、導手NがN=5で且つ5=|m|である実2次体Q(√5)に 対応するL(χ,s)が出現してくるはずだということになります。 いま実2次体Q(√5)が考察の対象になっているから、予想L−3の後半から、Q(√5)に対応するL(χ,s)は奇数回の
微分・積分の所に現れているはずだとなり、よって、3回積分の箇所に注目したのです。
さて、上の二つの青字の級数たちがLN(s)の分身とよべる存在であることを示します。
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=1 - 1/4^3 - 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 + 1/19^3 +・・・
F1=1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/18^3 +・・・
さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=1 + 1/2^3 - 1/3^3 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/17^3 + 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
+ (2/2^3 - 2/4^3 - 2/6^3 + 2/8^3 + 2/12^3 - 2/14^3 - 2/16^3 + 2/18^3 +・・・)
=LN(3) + 2/2^3・(1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3 +・・・)
=LN(3) + 1/2^2・LN(3)
=(1 + 1/2^2)・LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくるのです!
E1とF1を「E1+ F1」のように組み合わせれば、このようにLN(s)を構成することができるのである。
これで、E1とF1はLN(s)の分身とよべる存在であることがわかった。
終わり。
上で出たLN(s)とは次で定義されるディリクレのL関数L(χ,s)の一種です。
LN(s)=(1/1^s - 1/2^s - 1/3^s + 1/4^s) + (1/6^s - 1/7^s - 1/8^s + 1/9^s)・・・・
(注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されます。)
上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになる。
LN(s)は、mod 5に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 4 mod 5-->χ(a)=1、
a≡2 or 3 mod 5 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=5です。
そして、じつは、LN(s)が実2次体Q(√5)に対応するL(χ,s)になっていることを、平方剰余の相互法則その他を用いて
示すことができる!のです。
以上より、π/5代入でも、予想L-3は成立していることがわかりました。
[復習終わり]
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さて、復習したわけですが、注目したいのは、[分身であることを示す]の式変形の部分です。
複雑なやや気付きにくい変形になっていることがわかるでしょう。事実、私は、この変形を発見するまでに時間が
かかってしまいました。
最後はかならず(1 + 1/2^2)・LN(3)などと、ある有理数係数がゼータの前にかかった形となり落ちつきます。
そして、3π/5,7π/5,そして9π/5を研究すると、そこでも上のπ/5の場合とまったく同じ式変形となっている
ことがわかりました。同じような変形を経由して、そして最後は(1 + 1/2^2)・LN(3)に落ちつくのです。
(簡単ですので、みなさんも確認してください)
(2q+1)π/5代入の場合は、必ずこうなるとわかった。
では 2qπ/5代入の場合も同じようになるのではないか?と誰しも思いますが、ちょっと違ってくるのです。
それを次に示します。
2qπ/5ですので、いま2π/5の例をとり調べましょう。
予想L-3に対して、2π/5代入の場合を以下に示します。これは今回がはじめての計算です。
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[2π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、2π/5を代入した場合は次のようになります。
3回積分
F・(1 + 1/4^3 + 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 + 1/19^3 +・・・)
+ E・(-1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 -・・・)
+ ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜2π/5)∫log(2sin(x/2))
ここで、E=cos(π/5)、F=cos(2π/5) です。
さて、上の2π/5代入の場合で、予想L-3が成り立つか否かを見ましょう。
まず、いま2π/5代入ですから、もちろん、k=5となります。よって、導手NがN=5で且つ5=|m|である実2次体Q(√5)に 対応するL(χ,s)が出現してくるはずだということになります。 いま実2次体Q(√5)が考察の対象になっているから、予想L−3の後半から、Q(√5)に対応するL(χ,s)は奇数回の
微分・積分の所に現れているはずだとなり、よって、3回積分の箇所に注目したのです。
さて、上の二つの青字の級数たちがLN(s)の分身とよべる存在であることを示します。
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 -・・・
F1=1 + 1/4^3 + 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 + 1/19^3 +・・・
さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくるのです!この計算の簡潔さ!
E1とF1を「E1+ F1」のように組み合わせれば、このようにLN(s)を構成することができるのである。
これで、E1とF1はLN(s)の分身とよべる存在であることがわかった。
終わり。
上で出たLN(s)とは次で定義されるディリクレのL関数L(χ,s)の一種です。
LN(s)=(1/1^s - 1/2^s - 1/3^s + 1/4^s) + (1/6^s - 1/7^s - 1/8^s + 1/9^s)・・・・
(注意: + - はこの()の単位で延々とくり返されます。)
上をディリクレ指標χ(a)を用いて表現すると、次のようになる。
LN(s)は、mod 5に対応したχ(a)をもち、
「 a≡1 or 4 mod 5-->χ(a)=1、
a≡2 or 3 mod 5 -->χ(a)=-1、
それ以外のaではχ(a)=0」
というχ(a)に対応したL(χ,s)となります。そして、このχ(a)の導手はN=5です。
そして、じつは、LN(s)が実2次体Q(√5)に対応するL(χ,s)になっていることを、平方剰余の相互法則その他を用いて
示すことができます。以上より、2π/5代入でも、予想L-3は成立していることがわかりました。
[終わり]
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さて、やはり注目してほしいのは、[分身であることを示す]の式変形の部分です。
この2π/5の場合は、一つ上の(2q+1)π/5の場合と比べて格段に計算が簡単になっていることがわかるでしょう!
そして、2π/5のみならず、4π/5でも6π/5でも8π/5でも(すなわち、2qπ/5の場合)、すべて同じような簡単な計算
で目的のゼータが出ます。
(2q+1)π/5の場合 ----> やや複雑な計算
2qπ/5の場合 -------> 簡単な計算
ということです。
このようにqπ/k の q が偶数か奇数かで計算のし方がきれいに分かれている。
予想L-3(予想L-3B)でのm=4n+1の2次体Q(√m)の考察において、qπ/kの分子の形によって、分身たち
からゼータ関数を構成する際の計算のし方が変るようです。
今後の考察に必要となる可能性もあり、2qπ/5代入と (2q+1)π/5代入のすべての場合を次に書いておきます。
一つ上の継続で、2π/5、4π/5、6π/5、8π/5代入の場合と、π/5、3π/5、7π/5、9π/5代入の場合をすべて
載せておきます。
分子によって「ゼータの分身たちからゼータを構成するし方」に注目する形で、その計算のエッセンスの部分だけを見る
ことにします。
まず簡単な2qπ/5代入の方(2π/5、4π/5、6π/5、8π/5)から見ることにしましょう。
LN(3)は一つ上を参照ください。
●2qπ/5代入の場合
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[2π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、2π/5を代入した場合は次のようになります。
3回積分
F・(1 + 1/4^3 + 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 + 1/19^3 +・・・)
+ E・(-1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 -・・・)
+ ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜2π/5)∫log(2sin(x/2))
ここで、E=cos(π/5)、F=cos(2π/5) です。
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 -・・・
F1=1 + 1/4^3 + 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 + 1/19^3 +・・・
さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)のLN(s)が出てくる。
終わり。
*************************************************************************************
[4π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、4π/5を代入した場合は次のようになります。
3回積分
E・(-1 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/19^3 +・・・)
+ F・(1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 + 1/18^3 +・・・)
+ ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜4π/5)∫log(2sin(x/2))
ここでE=cos(π/5)、F=cos(2π/5) です。(以下の4π/5、6π/5、8π/5代入でも同じ)
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/19^3 +・・・
F1=1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 + 1/18^3 +・・・
さて、-E1- F1を計算すると、
-E1- F1
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくる。
終わり。
*************************************************************************************
[6π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、6π/5を代入した場合は次のようになります。
3回積分
E・(-1 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/19^3 +・・・)
+ F・(1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 + 1/18^3 +・・・)
+ ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜6π/5)∫log(2sin(x/2))
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/19^3 +・・・
F1=1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 + 1/18^3 +・・・
さて、-E1- F1を計算すると、
-E1- F1
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくる。
終わり。
*************************************************************************************
[8π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、8π/5を代入した場合は次のようになります。
3回積分
F・(1 + 1/4^3 + 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 + 1/19^3 +・・・)
+ E・(-1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 -・・・)
+ ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜8π/5)∫log(2sin(x/2))
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 - 1/18^3 -・・・
F1=1 + 1/4^3 + 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 + 1/19^3 +・・・
さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)のLN(s)が出てくる。
終わり。
*************************************************************************************
以上のようになります。
すべての場合で、簡単にLN(s)が出てくることがわかります。
2π/5と8π/5の場合が本質的に同じであり、4π/5と6π/5の場合が同じであることも興味深いことです。
さて、次にやや複雑な(2q+1)π/5代入の場合を見てみましょう。
π/5、3π/5、7π/5、9π/5代入の場合すべてを並べます。
●(2q+1)π/5代入の場合
*************************************************************************************
[π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、π/5を代入した場合は次のようになったのでした。
3回積分
E・(1 - 1/4^3 - 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 + 1/19^3 +・・・)
+ F・(1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/18^3 +・・・)
- (1-1/2^2)ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜π/5)∫log(2sin(x/2))
ここで、E=cos(π/5)、F=cos(2π/5) です。(以下の3π/5、7π/5、9π/5代入の場合も同じ)
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=1 - 1/4^3 - 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 + 1/19^3 +・・・
F1=1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/18^3 +・・・
さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=1 + 1/2^3 - 1/3^3 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/17^3 + 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
+ (2/2^3 - 2/4^3 - 2/6^3 + 2/8^3 + 2/12^3 - 2/14^3 - 2/16^3 + 2/18^3 +・・・)
=LN(3) + 2/2^3・(1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3 +・・・)
=LN(3) + 1/2^2・LN(3)
=(1 + 1/2^2)・LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくる。
終わり。
*************************************************************************************
[3π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、3π/5を代入した場合は次のようになったのでした。
3回積分
F・(-1 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/19^3 +・・・)
+ E・(-1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 - 1/18^3 +・・・)
- (1-1/2^2)ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜3π/5)∫log(2sin(x/2))
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 - 1/18^3 +・・・
F1=-1 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/19^3 +・・・
さて、- F1-E1 を計算すると、
- F1-E1
=1 + 1/2^3 - 1/3^3 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/17^3 + 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
+ (2/2^3 - 2/4^3 - 2/6^3 + 2/8^3 + 2/12^3 - 2/14^3 - 2/16^3 + 2/18^3 +・・・)
=LN(3) + 2/2^3・(1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3 +・・・)
=LN(3) + 1/2^2・LN(3)
=(1 + 1/2^2)・LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくる。
終わり。
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[7π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、7π/5を代入した場合は次のようになったのでした。
3回積分
F・(-1 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/19^3 +・・・)
+ E・(-1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 - 1/18^3 +・・・)
- (1-1/2^2)ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜7π/5)∫log(2sin(x/2))
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=-1/2^3 + 1/3^3 + 1/7^3 - 1/8^3 - 1/12^3 + 1/13^3 + 1/17^3 - 1/18^3 +・・・
F1=-1 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/9^3 - 1/11^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/19^3 +・・・
さて、- F1-E1 を計算すると、
- F1-E1
=1 + 1/2^3 - 1/3^3 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/17^3 + 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
+ (2/2^3 - 2/4^3 - 2/6^3 + 2/8^3 + 2/12^3 - 2/14^3 - 2/16^3 + 2/18^3 +・・・)
=LN(3) + 2/2^3・(1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3 +・・・)
=LN(3) + 1/2^2・LN(3)
=(1 + 1/2^2)・LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくる。
終わり。
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[9π/5代入]
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
@の3回積分の結果に、9π/5を代入した場合は次のようになったのでした。
3回積分
E・(1 - 1/4^3 - 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 + 1/19^3 +・・・)
+ F・(1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/18^3 +・・・)
- (1-1/2^2)ζ(3)/5^3 -ζ(3)
=∫(0〜9π/5)∫log(2sin(x/2))
[分身であることを示す]
係数E,Fにかかる級数をそれぞれE1,F1と表すと、次のようになる。
E1=1 - 1/4^3 - 1/6^3 + 1/9^3 + 1/11^3 - 1/14^3 - 1/16^3 + 1/19^3 +・・・
F1=1/2^3 - 1/3^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/17^3 + 1/18^3 +・・・
さて、E1+ F1を計算すると、
E1+ F1
=1 + 1/2^3 - 1/3^3 - 1/4^3 - 1/6^3 - 1/7^3 + 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 + 1/12^3 - 1/13^3 - 1/14^3 - 1/16^3 - 1/17^3 + 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
=1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3
+ 1/11^3 - 1/12^3 - 1/13^3 + 1/14^3 + 1/16^3 - 1/17^3 - 1/18^3 + 1/19^3 + ・・・
+ (2/2^3 - 2/4^3 - 2/6^3 + 2/8^3 + 2/12^3 - 2/14^3 - 2/16^3 + 2/18^3 +・・・)
=LN(3) + 2/2^3・(1 - 1/2^3 - 1/3^3 + 1/4^3 + 1/6^3 - 1/7^3 - 1/8^3 + 1/9^3 +・・・)
=LN(3) + 1/2^2・LN(3)
=(1 + 1/2^2)・LN(3)
となり、ディリクレのL関数L(χ,s)であるLN(s)が出てくる。
終わり。
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(2q+1)π/5代入の場合は、以上のようになります。
2qπ/5代入の場合の簡潔さと比べると、計算がやや複雑で途中に一ひねり加わっていることがわかるでしょう。
またπ/5と9π/5の場合が本質的に同じであり、3π/5と7π/5の場合が同じであることも興味深いことです。
それにしても、こんなところでも厳として秩序が成り立っている。
分身たちからゼータが形成されていく様を見ていると、どこまでもゼータ関数は調和的な性質を維持しようとしているか
に見えます。
美しい秩序と調和を好む生命体、それがゼータであるといえるかもしれません。
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