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展覧会の紹介
―素―そのやわらかなもの 15のかたち | 2003年5月31日−6月22日 江別市陶芸の里セラミックアートセンター (江別市西野幌114の5) |
(文中敬称略) 陶芸の充実したコレクションで知られる江別市のセラミックアートセンターが(たぶん)毎年ひらいている、道央を中心とした若手工芸作家のグループ展。 1964年−78年生まれの15人(ひとりだけ生年を明かしていない人がいますが(^_^;))が、陶芸、ガラス、金属の作品を発表しています。 「硬い素材でやわらかさを表現する」 というのがテーマだそうです。個人的には、「音楽」を感じさせる作品が多かったなーっていう気がしますけど。 まず、田中菜摘(1965−、伊達)「波のLIVE」。ただの壺を横向きにおいたように見えますが、じつは打楽器にもなるんですね。会場に、ポン、ポンという独特の音がながれています。 勝部有二代目(1970−、札幌)は9点も出品していますが、そのうち3点が、月琴やバイオリン、琵琶をかたどった花器。やや寸詰まりのフォルムが、素朴な味わいをかもし出しています。 ガラスの松林恵子(1965−、同) の「Ethnomusicology T」は、ギターに似たふしぎな七絃楽器のようです。球体に似た表面がきれい。ただ、どの絃も、長さや太さが同じなので、実用性はなさそうです。松林は「Coral Reef」「Five-element Bug 五行の虫」も出品。前者は、七匹の昆虫のような組作品で、ひょろひょろと長くのびた触角のようなかたちがなんとも楽しいです。 後にご本人からメールがとどきました。楽器は、弦の太さが違い、チューニングもできる、実用性をかねそなえたものだそうです。ごめんなさい。訂正しておきます。北広島に工房「グラスノチウ」をひらいている星まゆこ(1968−)の、ガラスとアルミをもちいた立体「それぞれの命」は、じょうごのようなかたちが7つ並びます。まるで太古の海底でゆらゆらと揺れているサンゴか海藻のよう。生命の原形質みたいなものを表現しているのでしょうか。これは楽器ではありませんが、たたくといい音がしそう(たたいてはイケマセン)。やはりガラスと金属を組み合わせた「空に向かう」「地に向かう」は、くぼんだなかに水がたまっていて、これも生命のかがやきを感じさせます。 個展や日本伝統工芸展入選など精力的に活動している札幌の西村和は、青海波という伝統的な文様の扁壺。波を抽象化した文様と、ゆるやかな曲線のフォルムが、かっちりしたリズムを生んでいます。 だんだん苦しくなってきたので(^_^;)音楽の話はここまで。 このほか、ほわーんとしたフォルムで目を引いたのが、松田幸佳(1974−、札幌)の陶芸の組作品「心のかたち」と、工藤和彦(1970−、旭川)の「タ・マ・シ・イ」。 前者は、信楽で、あちこちにあいた穴が、深刻さにおちいるのから救っているよう。後者は、人魂のようなかたちがユニーク。正面のふたつあいた穴が、笑った顔に見えます。 青木かおり(1965−、石狩管内厚田村)の「椅子」シリーズは、高さ14.5センチのチェアですから、もちろんすわれないのですが、丸っこいかたちと色のバリエーションがたのしい作品だと思いました。 気になったのは、前田育子(1968−、胆振管内白老町)の「廃陶−壺」です。題に反して、花瓶のような形をしており、しかも口はふさがっているために実用には適しません。長石や砂などを練り固めてつくったようにも見えます。いろいろな素材を利用しているので、表面はでこぼこしており、もし口があいていたとしても水が漏れてつかえないでしょう。いったいどんな製法で制作したのか、気になるのです。 ほかに、鍛金の上杉愛(1972−、空知管内長沼町)、陶芸の黒羽じゅん(1970−、札幌)、清水しおり(1967−、石狩管内当別町)、津島千春(1978−、札幌)、七尾佳洋(1967−、凾館)、武者千夏子(1964−、伊達)が出品しています。 |
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