目次に戻る  次のページ  他のページへのジャンプ

マイちゃんオランダ滞在記  Vol.001
 皆さん、はじめまして!
 こんにちわ☆私は、白戸麻衣といいます。マイちゃんと覚えてください。
 札幌で、現代美術(だと思っている)の活動をしていた25歳の女の子です。
 私は今、7月〜9月の3ヶ月ほどオランダのロッテルダムという街にあるArtists initiative‘Duende’(デュエンデ)というアーティスト・イニシアティブ*1の組織が運営しているスタジオで、アーティスト・イン・レジデンス*2(以下:“AIR”と略します)をしています。アーティストの滞在記となると難しい専門用語が飛び交うのでは…と、構えている人、安心してください。逆を期待している人、ゴメンなさい。この滞在記は、私に起こる日々のたわいない出来事や感じたことを書き連ねた私的な日記のような文章となってしまうことを先にお知らせしておきます。それから、稚拙な文章や言葉、文法表現になってしまうであろうことをお許しください。。。m(v_v)m

 (たぶん)月に2回ほどお便りできると思いますので、気が向いた時など読んでいただける嬉しいです☆それでは。。。はじまりはじまり。。。
*1=アーティスト自身が非営利団体を立ち上げて、芸術をサポートする環境をつくり、作品発表や展覧会等の企画・運営を行う活動のこと。(詳しく知りたい人は→にアクセスするといいデス。)

*2=アーティストが自分の住んでいるところと違った文化や環境の中に滞在して、創作活動をする。そして、一緒に滞在している他のアーティストとか地元のアート関係者や住民との関わりを通じて、刺激を受け合って文化交流の場を生み出すというようなシステム。(詳しく知りたい人は→にアクセスすると解りやす〜い文章が載っています。
☆Date:2004.7.1→2

旅立ちの日。出だしからハプニングで、搭乗手続きの荷物制限が8kgの超過!(ちなみに料金50,000円くらい)当たり前に、払うのはヤので拷問なみの手荷物を持って機内へ…。
マイちゃんが今回利用したのは、キャセイパシフィック航空。千歳から香港経由でアムステルダム(以下:アムスと略)までなので、北海道人にはリーズナブルで楽ちんなのです。(この会社は、JALが代行なので制限が厳しい)

ここでワンポイントアドバイス☆航空券の下の方に重量制限のkg数が書いてあるので、そこんとこ参考に荷造りしましょう。(もしかして、ふつーの人は知っているの?私だけ??)

10何時間飛行機に乗ってオランダに到着。オランダの交通手段は、主にトラム(路面電車)、バス、地下鉄です。今回はバスに乗ってデュエンデに到着。中に入ると、昨年11月に来た時お世話になったヘルトさん(建築のコンセプトをベースに作品をつくっている男性のアーティスト。デュエンデHPのプログラマー)に会ったけど、メールでやりとりを担当していたマルレーンがいないの。

なんと!マイちゃんは、時差の計算を間違えて、3日の朝に着くと伝えていたぁ〜!アホです。

とりあえず案内された部屋は奥の棟の2Fでまだ誰かが使ったままだったけど、昼過ぎに担当のマルレーン、マーティン(この人も昨年会いました。彼は、私の解読不可能な英語をなんとか聞き取ってくれて、審査の仕組みを図解で説明してくれた親切な男性。 
ゲストスタジオの運営は、基本的に5人の主要メンバーで管理して、マルレーンもマーティンもそのうちの1人)がきれいにお掃除をしてくれて、結局その部屋が私の場所になりました。
アトリエはなんと日本の学校の教室の2倍ほどの広さ。(もっとあるかな…)寝るところは別で、オレンジのカーテンがかかっていてァw)・tトにベッドがある細長い部屋。天井が高いのがオランダの建物の特徴(7〜8mはある)で、どちらも本当に素敵な部屋なの!これから3ヶ月こんな有意義なところで創作活動だけをして生活できるなんて、アーティストにはすごく魅力的な環境です! アトリエにはLANのケーブルがのびているから、ノートパソコンを持っていればネット環境もバッチリ。(もちろん、持っていなくても1Fの共同のキッチンスペースの奥の部屋がライブラリーになっていて、そこのPCは誰でも使える。)
1Fに洗面所と洗濯場が一緒にあって、各自きれいに使用する。掃除は当番制で、洗剤などは主要メンバーが運営費で買いそろえているみたい。トイレは、自分が利用するところに自分でトイレットペーパーをセットするという仕組み。(う〜ん☆合理的ですね)
建物の案内がひと通り終わると、最後に自転車を1台提供してくれました。街の移動は、自転車を利用するのがベター。
買い物に行った後、旅の疲れで打ち上げられたマグロのように眠り、気づくともう夜更け。でも10時を過ぎても外はまだ薄明るいのです。(日本との時差は7時間だけど、緯度がちょっと違うのだ!)
少し元気になって、シャワーに入ったはいいけどくるぶしまで浸かるほど水の流れが悪い!マルレーンが、きれい好きなようで、Keep cleaning!と念を押していたので、明日の買い物リストにキュッポン(トイレがつまった時のヤツ)とゴム手袋が追加されました。そんな感じで、3ヶ月のAIRが幕を開けたのです。



☆Date:2004.7.4

時差ぼけで朝早くに目が覚めて図書室で本を読んでいたら、玄関で非常ベルのような呼び鈴(近くで聞くと避難しようかと思うほどの)。もう一人のレジデンスアーティストの磯崎さん(S-AIR*3の1期目の招聘アーティストでもある。今回は、偶然にも一緒の時期に同じ滞在場所でのレジデンスとなった)が到着しました。彼の部屋はアトリエに入り口があり、その右奥に居住する部屋が位置します。

部屋には何故か卓球台があるけど、テーブルの代わりらしい。ロフトのさらに奥にもうひとつ部屋があって、どういう訳かコンセントがいっぱい。(それはもう何10個と!秘密基地だったのか??) マリアン(彼女もS-AIRの招聘アーティストの1人)の部屋のお向かい



*3=札幌にあるAIR事業。文化庁の5年計画で今年で終了の予定だったけど、今も存続しているらしい。
詳しく知りたい人は→にアクセス!)
Date:2004.7.6

今日は日本から荷物が届きました。そして、記念すべき第1の事件が待ち受けていたのです。待ちに待ったミシンが、着いて早々「パンッッッ!!」という音を立ててショートしたぁ…!!が〜〜〜ん(取りつく島もないカンジで呆然)………変圧器のさし込むタイミングが悪かったのか、よりによってミシン…………ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”〜〜〜〜〜〜〜、もうヴォケ!!とりあえず、修理できるか聞いてみよう…はぁぁぁぁ〜〜〜。気を取り直して、マーケットに素材を探しに行ってはみたものの、もう時間も遅くて片づけをしてるブースもチラホラ。今日はそんなこんなで、1日中海の底より深いブラック…こんな時は何をしてもムダなんだよね。現実逃避してふて寝。
☆Date:2004.7.8

今夜は9:00頃からTENT*4でロッテルダムの美大の卒業制作展のオープニングがありました。昼から雨が降ったりやんだりしていたのですが、やっぱり自転車で移動。行きは小降り程度だったのですが、会場について観ている間に、新たに来る人はほとんどベショベショ。オランダの人は、濡れても平気なの!?(確かに、天候が変わりやすくて昼間も傘を持ってる人はあんまりいない。)
TENTに行く前に、マルレーンが私たちにディナーをごちそうしてくれました。シンプルだけど、おいしいイタリアンスタイルな料理。(ガーリックの利いたパスタに、ルッコラとチーズのオリーブオイルソースを絡めたものと、レタスのドレッシング和え。)あ、オランダ料理じゃないんだ、と思ったけど歓迎してくれる気持ちが嬉しいのデス。大事です、そーいうの。マイちゃんは、日本のおみやげに温泉名所の入浴剤を持ってきたけど、こっちの人は自宅に湯船がない人がほとんどみたい。お風呂に入らないのって、つらくないのかな〜。アロマなバスタイムとかできないんだよ?1日の疲れはどこで取るの??雨で濡れるのも、お風呂で暖を取らないのも平気とは…そこら辺にやっぱり文化の違いを感じた1面でした。う〜ん、温泉が恋しい今日この頃。



*4=ロッテルダムの見せる場所といったらココ!というギャラリーでもなく美術館でもない、間の子なスペース。一応、普段は入場料を取る。(詳しく知りたい人は→にアクセス!)
☆Date:2004.7.13

マーケットは火曜日と土曜日に街の中心部で開かれます。人が溢れていて、とても賑やかです。そこで起きましたよ。第2の事件が!!ハイ。まんまとやられました。こつ然と姿を消した私のお財布。よりによって珍しく少しお金が入っている時に!!!(普段は15ユーロくらい。70ユーロは入っていたので痛い!毎日節約生活のAIR中にはデカすぎる額!!)もぉ〜〜〜、こんなんならもっと使っておけば良かった!せめて、最後の買い物が終わってからにしてくれよバカヤロ〜〜〜〜!!(バカはあんただよ…)ここでひとつ、戒めの語録を刻みます。『お金は極力持つな!!』『財布は腹に入れておけ!』コレ、もう絶対。カッコ悪くても、なくなるよりは全然いいデス。覚えとけよ!私!
(そして財布を手にしたラッキーなヤツめ!)いつまでもクヨクヨしていても仕方ないのでやるべきことをやろう。しかし、買い物する人々を見る度にフラッシュバックする記憶…(ホントにもー誰よ
!ヤツか?それとも…思い出してまた唇を噛み締める。)警察に盗難届を出しに行ったはいいけど、うまく説明できません。I…I lost my wallet! I want to write form! $!
B!J;d$O!":bI[$r$J$/$7$^$7$?!*=qN`$r=q$-$?$$$G$9!*!K$d$C$H8@$($?$N$O$3$l$@$1!D!#%3%l$8

$c!"$?$@$N%^%L%1$J$*$C$A$g$3$A$g$$$@$h!#$i$A$,$"$+$J$/$F!"0lEY%G%e%(%s%G$KLa$j0k:j$5

$s$H6&$K$b$&0lEY=PF,!#L5;v!"EpFqFO$N=qN`$r$$$?$@$-$^$7$?!#$3$3$G$R$H$D1Q8l%l%C%9%s!

y$r0k:j$5$s$+$i65$($F$b$i$$$^$7$?!#:bI[$rEp$^$l$?;~$N7h$^$jJ86g!#$=$7

$F!":G=i4V0c$($F3P$($F$7$^$$$^$7$?!#I had my wallet steal!(私は財布盗みを行っていました!

)捕まるっちゅーの。正しい文章はこっち→I had my wallet stolen!(私は財布を盗まれました!)

×steal→○stolen 同じようだけど、ここんトコ大きく違います。4649。
☆Date:2004.7.14

磯崎さんが、東京から来た学芸員の方をつれてアトリエに来ました。武智子さん(アムス在住の手広くいろんな活動をしているパワフルな女性アーティスト。昨年アムスに行った時にライクスアカデミー*5を案内してもらったので私も知っていた。)に会いにきたらしい。はぁ〜、やっぱり美術ってどこかでみんなつながっているんだなぁ。(なんだか上手にお話はできなかったけど…)社会的にどんなことが提示できるかを持っているアーティストは、やっぱり必要とされているなとこの頃思います。それが、現代美術という分野の役目なのかな。コレ!という明確な感動とか感じ方は決まっていないけど、日常にある要素や本当は毎日見てるんだけど普通に生活してると気づかないことを違う角度から見せたり、形にして掲示することで受け手に気づかせるみたいな。その“きっかけづくり”が私の表現活動の軸となっていると思っています。間違ってないと思うんだけど…。
*5=アムスにあるオランダ国営のアーティストインレジデンス。基本は2年で、毎年30人(半分はオランダ国内で半分は外国人)が選ばれる。 毎年12月にアーティストがそれぞれのスタジオで作品を展示して、公開するオープンスタジオが行われます。去年、コレを見たの。学校とはちょっと違うけど、アーティストが創作活動する場所としてはすごく良い環境。展示していた作品も結構面白かった。学校は迷路のようになっていて、とても広い。アーティストの年齢層も幅広い。(詳しく知りたい人は→にアクセス!)

目次 . 掲示板 つれづれ日録 あーとだいありー 展覧会の紹介 ギャラリーマップ
リンク集 スケジュール ギャラリー日程 道内美術館の日程 アート本情報 その他のテキスト