一関市で乳児の死亡U
     たくさんの意見が寄せられました
                  2003/1/15  new


2002/11/13号の「一関市での乳児死亡」の話題についてたくさんのご意見が寄せられました。
少しご紹介いたします。
                           60代女性 、元小学校教師
 先日の「今月の話題」読ませていただきました。小児科の中味がわかりました。
今までどの科も同じだと思っていましたが、一番大事な小児科をもっと優遇す
べきだと思います。そして小児科を目指す医師を充分に確保すべきです。
今の少子化時代にあっては真剣に取り組まなければなりませんね。


                           30代女性、保健師
 ホームページ拝見させていただきました。
一関の乳児死亡は本当に胸が痛くなる出来事でした。先生のホームページを
読んで、深い共感を覚えます。詠む人の心に響くメッセージでした。
今後このような悲しい出来事が二度とおきないよう、願うとともに、私たちにでき
ることは、啓蒙活動や個別の相談を通じて、お母さんたちにかかりつけ医の
必要性や、日ごろの健康観察、等など伝えていく事だと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
                           30代女性、保健師
 一関の件はホームページで拝見しました。職場でも話題になっております。
宮古の小児科の先生方の熱意は日ごろ感じておりましたが、9月12日に宮古
病院にて他科のお医者様方を対象に小児科初期救急医師研究会開かれた
事をお聞きしまして、ますます、小児科の先生方の熱意と連携の素晴らしさに
感動いたしました。一母としても、宮古にこれだけの熱心なお医者様がいらっ
しゃると言う事は、励みと安心を与えてくださいます。先生のこのホームページ
が、できるだけ多くの方々の目に触れるよう、願っております。




                           40代男性、自営業
 小児科の厳しい現状を知りびっくりいたしました。
私の業種も瀕死の重傷なのですが、小児科も恐ろしく大変な事になってい
るんですね。 私がもっと若くて頭脳が優秀であれば、よし!小児科医になる
ぞ!と言いたい所なのですが、現実はすべての面で可能性0です。
何故小児科医がすくないのでしょうか?やはり子供の減少が原因で、パイ数
が少なくなり、取り合いになり儲からない、さらに子供は手間がかかると言うの
が原因でしょうか? どちらにせよ、子供の命も心配ですが、小児科医の先生
の命も心配です。
                           30代女性 、自営業
 早速覗いてみましたが、小児科医のヘビーな内容に、子供の無い私にとって
は全く知らない世界だったので驚いています。大変なお仕事をなさっている
んだな−と、頭が下がります。


                            60代男性、小児科医師
診療報酬でも、診療の手間や心身の疲労の上からも、小児科医の犠牲で
なりたっているように思いました。
これからの小児医療はどうなるのでしょう。心配です。
                            30代女性、看護師
 悲しい出来事が起こってしまいましたね。子供のいない私たちも、あのニュ
ースにはすごくショックを受けました。
県内に小児科医が少ない現実を見直し、早急に何らかの解決策を見出して
欲しいと思います。少子化が問題視されているのに、数少ない子供を守る機
関の機能が不十分とは悲しい現実ですね。このような事件が起こり、なおかつ、
署名運動などの働きかけをしなければ、現状を変えられない今の世の中の仕
組みに不安を感じます。
県内にも、内田先生のように地元に根ざして頑張っておられる先生方がいらっ
しゃると思います。悲しい出来事ではありました。しかし病院や先生方による医
療ネットワークの拡大、充実を考える機会になったのではないでしょうか。
うまく気持ちを伝える事ができたかどうか不安ですが、内田先生、宮古市と近
郊の、子供たちとお母様方のためにこれからも頑張っていただきたいです。
それでは又。お身体をご自愛ください。




                              40代女性、保育師
 一関の事件は、とても悲しくショッキングな事でした。
小児科医が不足していると言うニュースは、以前から知っていましたが、こんな
身近に事件となって突きつけられるほど、差し迫っているとは思ってもいません
でした。
仕事をもつ母親は、子供の健康状態の変化に気づくのが遅れがちです。保育
所で仕事をしていて気づくのは、熱があっても、具合が悪くても、そうそう休んで
病院に連れて行くことができない という場合がしばしばあることです。そのため
ついつい病状が悪化してしまうのではないでしょうか。.......................。
病院事情には詳しくありませんでしたが、ホームページを見て何故小児科医が
不足しているのか理解できました。私たち母親にとって小児科医はなくてはなら
ない頼みの綱です。どうにかして小児科医にとっての補助制度を充実させていく
べきだと思います。 微力ではありますが、何か私にできることがありましたら、
ご連絡ください。   子供たちをよろしくお願いいたします。

                                         60代男性、自営業
 お医者さんは全て同じ診療報酬と思っていましが、小児科医に対する国、
県の対応は納得できません。何故なのでしょうか。小児科医の全体数が足
りない原因が分かりました。極端な表現ですが、小児の健康は老人のソレ
より重視しなければなりません。小児科医療現場で「物言えぬ乳幼児」の
診断、クモの糸のように細い血管からの採血、大人と違って「ぐずる」幼児。
小児科医は、まさに神業というほかありません。
すべての医師が小児科医療の「いろは」の必須はマスターして欲しいもの
です。

                             70代男性、中学時代の恩師
一関市で起きた夜間小児科診療問題は、新聞報道以外にも原因があることを、
知りました。平成11年度のデータで、岩手県は全国に比し、レセプト1件あたり
平均点と称する数値が、産婦人科では高値であるが、精神.神経科では低く、
小児科もご多分に漏れません。さらにその具体的な説明により、小児科診療に
手間のかかる事、なるほどと考えます。小児は図体が大人と違い、小型ではあ
るけれども、主訴を自発的に述べるわけではなし、精密機械のごとくなるがゆえ
に、具合が悪くなるのも早いわけです。脱水症状など、近親は気づかなくても、
適切な処置でまた元気になるのも早い。
 祖父母との同居が少ない世代構成は、いろんなところに影響を及ぼしている
ものだと思います。
 宮古市では、18才で高校を卒業すると、進学.就職で、他所に出てしまい、再び
帰ってくる率が低いです。重茂地区は、生計の関係で、残留率が高い。宮古市
の少子化対策は保育園関係で登場する程度。根本的な対策が立てられた事が
あるでしょうか。「人材養成」(俗に言う「人づくり」)対策が、市全体の構造計画とな
っていないのが、きわめて遺憾です。
 小児科外のお医者さんに、小児科のアピール.研修をされたとのこと。 大変に
意義のあることだと思います。お医者さんのこのような連携があってこそ、信頼性
の高い医療行為が確立できるものと思います。
 片々たる感想に過ぎませんが、以上で終わります。




      おわりに                              内田 記

 12月28日NHKラジオ22:15〜22:50放送「一関市での乳児死亡に関連して
   小児救急の問題点」 ゲストは元岩手県高次救急センター長の 谷口繁先生。
1月7日19:30〜NHK.TV「クローズアップ現代」ゲストは国立保健医療科学
  院の 田中哲郎先生。
1月19日NHK BS1 インターネットディベート リポート1  「小児救急
 医療の厳しい現状」ゲストは 東邦大学付属病院第一小児科 佐地勉教授
  ぜひご覧になってください。

  ここ10年、小児科を持つ病院は減りつづけ、小児科医の数は年々減少し、
  危機的な状態に陥っています。  それぞれの放送でも取り上げていますが、
  結論は 下記と言えましょう。

   @  研修期間に、すべての医師は小児科を必修科目とする。

   A  最大の小児科医不足の原因は、他科に比しあまりにも診療報酬
     が低いこと。    参照 2002/11/13 内田瑛子ホームページ「一関市で乳児死亡」
      レセプト平均点が、内科並あるいはそれ以上になるように、診療報酬
    体系を改善すべきでしょう。
     これが実現すれば小児科医は自動的に増加するでしょう。

   B  Aが改善されるのは途方も無い努力と時間がかかるでしょう。
     都市以外においては、各市町村が奨学金をだして、地元に住んで
     くれる小児科医を育成しなければならないのではないでしょうか。

   C  地域の小児科医は、病院、診療所の別無く連携をとって、
     勉強会を持つ。 他科の医師ともよく連携をとる。
             参照 2002/9/22内田瑛子ホームページ「小児科初期救急講習会」
   D  子育て中のご家族、保育園、幼稚園、学校の先生方へ
     朝食時、昼食時、午後3時ごろ、子どもさんをよく観察してください。
     信頼できるかかりつけ医を持って、よく相談しましょう。
     夜間や休日の対処の仕方を聞いておきましょう。

厚生労働省がしきりに 「今いる人材で輪番制を」 と唱えていますが、100年の計画を
たて、小児科医を増やさない事にはどうにもならないのではないでしょうか。
「少子化対策」の具体策として、困難でリスクの高い仕事に対してそれに相当する
診療報酬対策を ぜひ早急に実行していただきたいと思います。
 子ども達の笑顔や、泣き声や、大声やささやき声、オッパイやオシッコのにおいなど
生命の素晴らしさに 直接触れることのできる小児科医の仕事に 感謝しています。
子ども達やご家族の応援の声が聞こえているかぎり、小児科医を続けていきたいと
思っております。

   ご意見をお待ちいたします。