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はじめはふきのとうから | 杉林の宝石 | ||
木の芽を採る | 「きのこ博士」 | ||
山菜眼 | 雪消えを追う | ||
熊の気配 | |||
熊よけ | |||
熊より怖いモノ | |||
巣立ち | |||
山菜の探し方 | |||
山菜採りの分類 | |||
× | ごみを捨てるヒトビト | ||
道遠し | |||
× | ともすけダマされる 〜塩蔵わらび編2003年初夏〜 |
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たけのこ採りの恐怖 | |||
× | ずりぃわらしだ |
杉林の宝石 | |
個人的に杉林の中を歩くのは好きではありません。まず第一に、薄暗い。私は日向の生物なのでできればお天道様の照る開けたところを歩きたいのです。とはいえ山菜の多くは日陰にあるので、この理由は「理由としては弱い」。現に春の木の芽探しのときなど、暑いときにはしょっちゅう杉林に非難したりしていますし・・・。 第2に、歩きづらい。杉林では季節を問わず日光がさえぎられる為、下草が少なく一見あるきやすそうに見えるのですが実はさにあらず。湾曲した長い枝などがそこかしこに落ちていて、片側を踏むともう片方が起き上がります。それで眼をつきそうになったり、踏み出した足をとられたり・・・・さらに切り株につまずいたり。しかしよくよく自分の行動を思い出すと、ショートカットするときによく杉林を利用するので、やっぱり他のところよりは歩きやすい・・・のでしょう。ということはこの「嫌いな理由」として弱い。 私が杉林をあまり好きではない最大の原因は生きものの少なさにあるのでしょう。私にとって、フィールドを歩いていての一番の楽しみは、たくさんの植物があって、虫をはじめ鳥や小動物がいて(大型哺乳類にはあまりお目にかかれないから・・・)、それらの存在を見ることができるし感じることができることです。杉だけの単植というのはやっぱり不自然なのでしょうか、杉林は植物も虫も鳥もほとんどいません。杉林の中は、「涼しい」というよりは「寒々しい」という表現のほうがぴったりです。 生物・植物の層の薄さはもちろん山菜にも当てはまります。全くないとは言えませんが、杉林には山菜はまずありません。あっても質は悪いようです(杉林のミズは美味いと言われていますが)。枯れた杉の茶色一色で薄暗い杉林の中、秋にだけ白く輝く宝石を見ることができます。その名は「すぎひらたけ」。杉の古い切り株に重なり合うように群生する、肉質の薄いきのこです。美しい白色をしているので薄暗い杉林のなかで一際目立ちます。見つけやすく、量も多いので、初心者でも簡単に見つけることができます。きのこ採りを始めようと思っている方は、まず杉林に目をつけましょう。時期さえ間違わなければ確実に採れるはずです。 |
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「きのこ博士」 | ||
ある秋の日の、私が地元の小さな温泉に入っている時のお話。 そこは地元の人しか知らないような小さな温泉。温泉というより銭湯といったほうがイメージとしては適切です。きのこ採りを早々に切り上げ、ゆっくりと湯に浸かっていると、数人の団体さんが入ってきました。見たところ50歳から60歳、聞こえてくる話やなまり具合からして、地元の人ではなく都市部の人のようでした(後に秋田市の人々であると判明)。私は一人っきりで話し相手もいませんでしたし、自然、その人たちの会話を脇で聞く(聞かされる)ことなりました。 「いや〜、まさか天然のなめこをあんなに採れるとは思わなかったな〜」その中の一人が言いました。私は心のなかで「!!」と思いました。「地元の人間でさえ滅多にお目にかかれないものなのにすごいな」と思ったのです。「んだな〜、きのこ博士のおかげだな〜」と別のおじさん。他のおじさんたちも口々にきのこ博士を讃えています。私は山菜採りを始めて1年目の時でしたし、毎日きのこを探しに行っても空振りばかりを繰り返していましたので、その茸博士を尊敬の眼差しで「ちら見」していたのですが、次の茸博士の言葉を聞いて「本気か〜?」と思いました。 「ああやって木を切って並べてあるところに、天然のなめこは生えるんだ」 ・・・それって露地栽培されている原木なめこでは・・・ 結論!「きのこ博士」は本当にコレを天然のなめこと思っている。 「明らかに栽培されているものとわかる」と書きましたが、それは私の思い込みかもしれません。知っているから「わかる」のであって、知らないならわからない、ということも考えられます。私自身、別の地域やコミュニティで「非常識」「無知」とされる行為を知らず知らずのうちにやっているはずです。この「きのこ博士」は”切って並べてある木に天然なめこが生える”とホンキで思っていたのでしょう。近年、栽培されているなめこが盗難されることが多くなっています。その中には「きのこ博士」とその愉快な仲間達のように、悪意のない窃盗団も少なからずいるのかもしれません。 |
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雪消えを追う | |||
本格的に山菜採りを始めて2年目を迎えた2004年。たらの芽の穂木獲り(あえて”採り”とは書かない)をしない私にとって最初の山菜採りは「ふきのとう」です。 雪が消えるなりふきのとうは姿を現します。雪の中ですでに地面から出ているものも多いです。なかには雪が降る前から「ふきのとう」状態になっている「ふき」もあります。これは「秋ふきのとう」「秋ばっけ(ばっけは地方名)」と呼ばれています。このふきのとうは春のふきのとうとは比較にならないほど固くしまっており、高額で取引されています。 雪の下から現れたふきのとうはやがて花を咲かせてしまいます。その頃になると苦味が強くなってきてしまい味が劣るようになるので、下の左画像のようにしまった状態のものが上質とされています。 右の画像はやや開いた状態。加工用に採るふきのとうは、この状態のものでもいいです。花の部分(正確に言うと違うのですが)が固くしまっているうえ雄花なので、加工用ふきのとう用に採られるふきのとうの中では良質の部類に入ります。この状態から少しすると、茎が伸び始めます。それにつれて”花”の部分がだらりと開き始めます。茎が数十センチになると花も終わりかけ。雌花はタンポポのように綿毛をつけます。 ただし、山菜加工所への販売目的の山菜採りの多くは雌花だろうと茎の長さが数十センチになろうと、採りまくる人が多いです。良いものだけを採る人は1割もいません。残念ながら・・・。 雪の消え際のふきのとうは、雪の下になって太陽に当たる時間が少ないので、スーパーなどで販売されている促成栽培モノと比べて緑色が薄いものになっています。私はこのふきのとうを探して雪の消え際を毎日見回ります。日一日雪が後退していく林道を少しずつ奥に入っていき、林道も完全に雪が消えてしまう4月中旬になると、遠出をすることになります。目的地はスキー場への道。スキー場が建設されるだけあってそういう場所は、大抵高地で雪量が多く遅くまで雪が残っています。その道の脇、林道を探します。そうやって数日かけて奥に奥に行きますが、ゲレンデは日当たりが良くて雪が溶けるのが早いので、真っ先に行かなければなりません。時々早く顔を出したやまうどに出逢えることもあり、ゲレンデはけっこういいポイントです。(スキー場は私有地ですので、管理者に許可をとりましょうね。) 採取にはナイフや鎌を使います。そしてちょっと持ち上げておいて土すれすれの部分を、時には土を少し掘って、切り取ります。葉がばらばらになってしまいますので茎は少し長めにつけておきましょう。 |
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