ナショナルコロニー。
 それは、かつて地球上に存在していた旧国家元に造られた国々。
 旧国家にしがみついた人間がコロニーという新たな居住空間を得て、作り出した形態。
 そして、そこに住む者は、かつてその国に住んでいた者、その国民。

 それを、ナショナルコロニーと言います。

 彼らは、旧国家の姿を持ち、驚くべき事に、地球連邦政府、その後の統一連邦政府より、独立していたのでありました。  あのジオン公国ですら為しえなかったことを彼らはいとも簡単にやってのけたのであります。

 そう、彼らがこの話『スーパーロボット大戦〜星達が伝えたいこと〜』に大きく関わってくる組織なのです。
 それではみなさまご一緒に、ガンダムファイト、レディー、ゴーっ!

第15話 張五飛 vs サイサイシー

「兄貴っ!」

 小柄の拳法着を身にまとった少年は先を歩くマントを身につけた青年…ドモン・カッシュに声を掛ける。

「どこに行くんだよ」
「お前には関係ない
「関係ないって……。まぁ、そうだけどさぁ。やっぱ、気に何じゃん、兄貴達がどこに行くかって。普通、ガンダムファイターって自分たちの国が合った場所にいるはずじゃん。でも、ドモンの兄貴達は違った。オレの国が合ったところに来た。何で?」

 少年は、堅く拒むドモンにしつこく問いただす。

「……サイ・サイシー。お前には、関係のないことだ!!」

 少しだけ、声の調子を荒げてドモンは少年…サイ・サイシーに答え、足早に先に向かう。

「…お前は知らない方がいいんだ…」

 隣を歩くレインにしか聞こえない声でドモンはサイ・サイシーに向けつぶやく。

「……ドモン……。サイ・サイシー、ごめんなさいね」

 そのドモンのつぶやきを聞き、レインは後ろを振り向き、サイ・サイシーに謝ると、先を行くドモンを追い掛けた。

「……サイシー、コレで分かったはずじゃ。おぬしも、ドモン殿を追い掛けるのをやめ、己の技に磨きを掛けるべく、精進したらどうじゃ?」

 サイ・サイシーの背後にいた僧服を身にまとった男性がサイ・サイシーに言う。

「けどさ、どうしても気になるんだよ。ドモンの兄貴とレイン姉ちゃんの態度がさ」
「ならば、こうしたらいかがですかな?」

 もう一人の同じく僧服に身をまとった男性がサイ・サイシーに言った。

「ドモン・カッシュだがセニア・ビルセイアと面会したい」

 ドモンはD・Cの受付にてそう告げる。

「ドモン・カッシュ様でいらっしゃいますね。少々お待ちください」

 受付の女性はそう言いドモンに、その後ろのレインに目を向けた後、手元に視線を落とす。

「大変申し訳ございません。ただいま、セニア・ビルセイアは同ビル内にございますプリベンター極東支部に行っておりますので、そちらにお行きください」

 と、受付の女性。

「ドモン、どうする?」
「プリベンターの受付はどこだ」

 レインの言葉を受け、ドモンは受付の女性に聞く。

「そちらでございます」

 と女性が指し示した方に、プリベンターの制服を着た人物達が忙しそうに行き来していた。
 その場は、このDCの受付より、見えづらい位置にあった。

「セニアを呼び出すことは出来ないのか?同じ建物内なのに」
「申し訳ございません。当社は一企業であり、政府直結の情報機関でもあるプリベンターに関して、密に関わってはおりません。そのため、当社ではプリベンターでどのようなことが行われているかと言うことおよび、関する人物についても、プリベンターに出向という形になっておりますので、当社ビル内におりましても、プリベンターに関して居る場合、こちらは干渉できないことになっております。そのため、ドモン・カッシュ様のご質問であります『セニア・ビルセイア』の呼び出しは、まことに申し訳ありませんが、取り次ぐことは出来ません。その代わりと言っては何ですが、セニア・ビルセイアのスケジュールをドモン・カッシュ様用に明けることは出来ます。いかが致しますか?」
「もういい」

 長々と説明された事柄に参ったのか、ドモンは足早に受付を去る。

「ドモンっっ。親切にお答えいただきありがとうございました」

 先にビルを出ようとするドモンを追い掛けるように、レインはD・Cの社員に礼を言い、ビルを出ていく。

「ドモン、セニアさんに会うんじゃなかったの?」
「気が変わった」
「気が変わった…って…。でも、DCの社員がプリベンターの事に答えられないって言うのは仕方のないこと何じゃないの?」
「分かってる」

 怒気を強めて、ドモンはレインの言葉にそう吐き捨てる。

「…でも、どうするの?このままセニアさんを待つ?」
「…他の手がかりを探す。セニア・ビルセイアが今このビル内にいるかも分からんからな。だったら、先に他の場所にいって手がかりを探した方がいい」
「そうね」
「…他の手がかりって何だよ。兄貴」

 不意に背後から聞こえる声。
 後ろを振り向くと拳法着を身にまとった少年。

「さ、サイ・サイシー!何故、お前がここにいる」
「そりゃあ、兄貴の様子が気になったからに決まってんじゃん」

 サイ・サイシーは得意げにドモンに言う。

「ここって、機械工学が専門の会社…ディバイン・クルセイダーズだろ?何の用があるんだ?」
「サイ・サイシー。オレが前に言ったことを忘れたのか?お前には関係のないことだと」

 サイ・サイシーを振り切り、ドモンはもう一度、DCのビルに向かったのだった。

「ドモン!?」

 プリベンターのブリーフィーリングからDCのシュウの部屋(現在あたしの私室)に向かうときに、見覚えのある二人をエントランスで見かけた。
 間違いなく、ドモン・カッシュとレイン・ミカムラの二人。

 ……って事は…ちょっと待って??
 …なんでいるんだろうって考える前に、一瞬目の前が真っ暗になった。

 あぁ、クリストフの事聞きに来たんだぁ!!!
 前に、聞いておくって…言っちゃったんだよねぇ。

 はぁ、どうしよう。
 どうやって説明しよう。
 何で、前よりも悪化してるのよぉ?

 ともかく、隠れるのも何なので、二人の目の前に向かう。

「セニア、シラカワ博士は連絡が取れたか?」
「ドモン、いきなりそれはないんじゃないの?」
「良いのよレイン」

 ドモンの口調をとがめたレインをなだめる。
 前にふと思った疑問がはっきりとする。

 ドモンは、怒っているのではなく、焦っているんだって言うことに。

 でも、何をそんなに焦っているんだろう。
 きっと、それはキョウジ・カッシュと言う人に関することなんだろう。

 実は、クリストフのデータベースの中にはアリとあらゆる人物のデータがあって。
 そこには、名も知らない一般人から、連邦果てはナショナル・コロニーの人物に付いてもあった。
 そして、写真の男(名前聞いてなかったんだよね)を見つけたのだ。

 彼の名前はキョウジ・カッシュ。

 ネオ・ジャパンの科学者。
 細胞学に従事し環境学に傾倒。
 父親は世界十大頭脳と呼ばれる(ここら辺はコロニーも地球も関係ないらしい。ちなみにクリストフ…シュウ・シラカワも世界十大頭脳の一人)ライゾウ・カッシュ機械工学博士。
 他に母親と弟がおり4人家族。

 となっていた。

 ドモンはキョウジ・カッシュの弟と言うことは間違いない。
 写真の状態から見て、彼は当時…10年前の事だから…、17、8ぐらい。
 ドモンは現在多分20ぐらいだから…。

 兄弟…と考える方が無難だろう。

「…セニア、ごめんなさいね。突然押し掛けちゃって」
「そんなこと気にしないで良いわ。クリストフ…じゃない…シュウの事よね。…聞いておくって言っておいて…なんだけど…今、シュウとは連絡が取れない状況になっているの。誰に聞いても、どこにいるのか全く分かってないのよ」

 そう、前よりも悪化している状況。
 それが、コレ。

 クリストフが、ラングランから姿をくらましたって事。
 グランゾンも一緒に。
 それだけなら良いんだけど。
 捜索隊を出すから(マサキね。方向音痴で頼りないけど)。

 問題は、その捜索隊のメインであるマサキまでもが行方不明って事なんだよねぇ。
 ラングランの状況はそれほど逼迫していない。
 クリストフとマサキが居なくなったことに関して、それほど重要視していないのだ。
 テリウスにいたっては

「セニア姉様がシュウとマサキを呼んだんじゃないの?」

 なんてのんきに言ってる。
 別にあたしは呼んでなんていないわよぉ!!!
 そして、ついでにマサキが持ってるはずのエーテル通信機に反応がないのよ。

 絶対おかしいわ。

 エーテル通信機は空気中にあるエーテルという透過分子(物質を透過する分子)を使用しているので、どこでも使える優れものなのだ。
 その通信機が反応を示さないって事は、1,壊れた(あり得ない)2,通信機の電源を切っている…。
 通信機の電源を切っている……、あり得そう…、けど何で?

 何で切ってるの?
 …理由が分からないわ…。
 ……地上に向かってる……。
 …なんてあり得ない話よぉ。
 もぉ。

「どうする、ドモン?」
「…だったら、長居は無用だ。行くぞ、レイン」
「えぇ…そうね」

 その時、いきなり誰かが殴られる音がすぐ側で聞こえた。
 驚いて、その方を見てみると式服を着た老人二人に押さえられている拳法着を来た少年と、サリィに支えられた五飛。

「落ち着きなされ、サイ・サイシー。ここをどこだかお忘れか」
「プリベンターに手を出してはならぬ。ガンダムファイト協会より、失格を受けるぞ」
「んな事、知るか。答えろ、張五飛。何故、妹蘭を殺した」
「…貴様には関係ないっ」
「五飛、落ち着いて」
「オレは、落ち着いている」

 殴られた所をぬぐって、五飛は立ち上がる。
 そうしてにらみ合う、五飛と少年。

「五飛様、お久しゅうございます。かのコロニーの一件を聞き及び、この恵雲そして瑞山、共々、五飛様の身を案じておりました」
「…オレは、敬われる存在にない」

 僧服を着た二人の老人と拳法着を来た少年と五飛は、どうやら知り合いらしい。

「答えろ、張五飛。じゃあ、どうしてナタクに乗っている!!あれは、お姉ちゃんの…いや、ナタクのガンダムだろ!!」
「…それを、サイ・サイシー、貴様に答える理由はない!!!!」

 冷たく、五飛は少年、サイ・サイシーに言い放つ。

「何を!!!!」
「サイ・サイシー!!!ヤメロっっ」

 ドモンがサイ・サイシーに一喝する。

「兄貴……。ワリィ、兄貴。コレは、兄貴には関係ないんだっっっ!!!!」
「サイ・サイシー、あなたの気持ちも分かるわ。でも、ここはプリベンターの支部があるビルなのよ、ネオ・チャイナの事もちゃんと考えて」
「…レイン姉ちゃん」

 レインの言葉でサイ・サイシーは俯く。

 話の筋から言って、彼らはナショナル・コロニーの人物らしい。

「…サリィさん、ナタクのガンダムって?」
「私も詳しくは知らないんだけど、五飛の居たコロニーに連邦が責めてきたことがあったらしいの。そこで、ある少女が、連邦の進行をくい止めようとして、モビルスーツに乗り込んだそうよ…でも…、攻撃を受けて、なくなったそうよ。その子が乗り込むはずだったのが五飛が乗っているガンダム…だそうよ」
「その少女は妹蘭…、竜妹蘭ともうします。妹蘭様は、そのコロニーを統べる竜家の次期跡取り、妹蘭様は五飛様の婚姻者であられました」

 ……はい?
 結婚してたって事?
 初めて聞いた!!!!

「竜家および、張家と言えば、ネオ・チャイナを有する、L5コロニー群の中でも最上の勢力を持つ一族でありました…。そのうちで、竜家と張家が結びつくのは今後の時代を乗り切るための最前の策として採用されたのです」

 と僧服をきた一人の人が言う。
 その結びつく為の人物が五飛と、『妹蘭』さんって訳だったんだ…。

 …?ってネオ・チャイナって…?

「…ナショナル・コロニー…説明した方がいい?」

 サリィが困った顔をして、あたしを見る。

「出来れば、して欲しいんだけど」
「ナショナル・コロニーって言うのは、この地球上に、過去に存在していた国々の名前を持ったコロニーの事よ。各ラグランジュポイントに散開しているわ。過去の国家にしがみついた人間がコロニーという新たな居住空間を得て、作り出したコロニーで、そこに住む者は、かつてその国に住んでいた者、その国民と言うことになるの。彼らは、旧国家形態を作り出し、早々と各国家コロニー間で交流し、連邦政府の介入を拒否した。それと引き替えに、地球圏に関する全ての事に干渉しないで居る。そして、旧国家政府はナショナル・コロニーとつながってるわ。統一連合内のでもそう。前、私達(統一連合政府)としてはナショナル・コロニーに関わりたくないと言った意味、分かったでしょ」

 苦笑いで、サリィは言う。

「サリィ殿、申し訳ありません。サイ・サイシーの件、五飛様には深くお詫び申し上げます」
「別に、気にしていない」
「…ふざけるな。気にしてない?どうして、そうな風に言えるんだよっ。…、我、少林寺次代当主サイ・サイシー、張五飛に勝負を申し込む!!!」

 サイ・サイシーは五飛の何も答えない態度に納得がいかないようで、五飛に突っかかった。

「よせ、サイ・サイシー。お前は、自分が何をやろうとしてるのか分かってるのか?」
「兄貴、兄貴には関係ないって言っただろう」
「サイ・サイシー、お前がガンダムファイトに参加したのは何が理由だ。少林寺再興の為じゃなかったのか?。妹蘭という少女の敵を取るのがお前の夢だったのか?」
「違う、違うけど、それでも、納得がいかないんだよっっ。コレは、ネオ・チャイナ代表のガンダムファイターとして聞いてるんじゃない。サイ・サイシー、一個人として聞いてるんだ。答えろ、張五飛」

 サイ・サイシーは五飛に詰め寄る。

「……良いだろう、サイ・サイシー。オレはその申し出を受ける。」
「よし、五飛、表へ出ろ、ガンダムで、勝負だ!!!」

 五飛の言葉を受けてサイ・サイシーはそう言って表に出ていく。
 そして、五飛も。
 で、でも受けちゃって良いの?
 まずいんじゃないの?

「待って、五飛」
「何だ、サリィ」

 呼び止めたのはサリィさんだった。

「五飛、この勝負、プリベンターとして認めるわけには行かないわ。プリベンターは各組織の諜報をそして、調停役も担っているのよ。何をしようとしているのか分かっているの?ナショナル・コロニーに関わってはいけない。忘れたわけではないでしょう?」
「…関係はある…。L5コロニー群はナショナル・コロニーの『ネオ・チャイナ』が中心となって出来たコロニー群だ。関係ないとは言い切れない。それに…オレはあの戦いで、ナタク…いや、妹蘭の事をようやく納得することが出来た。だが、納得できていない人間が居るとするならば、オレは教えなくてはならない。あのコロニーの末路をこの目でみた人間として」
「五飛…」

 表に飛び出していく五飛とそれを見送ってしまったサリィさん。
 いつだったか、五飛が言ったことがある。

『もう、自分には帰るべき所がない。あるとするならば、ここなのだろう』

 そう言って五飛は静かにプリベンターの事務所を見ていた。

『もう、自分には帰るべき所がない』というのは、今五飛がいった『あのコロニー』と言うことになる。

「…五飛が居たコロニーね…。バルマー戦役の時に、自爆をしたの。五飛をOZの手から守るために」

 そう言ってサリィさんは俯いた。

「この勝負、我々には…止められませんな」
「しかし、そうなれば、少林寺再興の夢は…」
「やはり止めなくてはならぬのか。およよよよ」

 そう、恵雲さんと瑞山さんは嘆く。

「もう……。そんな事、そうよ、そんなこと言っている場合じゃないでしょう。ナショナル・コロニーと連邦政府の調停をあの二人に破らせるつもり?セニア、止めるのを手伝ってくれる」
「えぇ、良いわ」

 サリィさんと一緒に外に向かう。

「…待って」

 と、声が挙がる。

「わたし達も、手伝うわ」

 そう言って、レインとドモンも来る。

「ありがとう、二人とも」
「オレも、サイ・サイシーの気持ちは分かる。が…、コロニーに関することは別問題だからな。見ているわけにもいかない」
「ありがとう、ドモン」

 五飛とサイ・サイシーを追い掛けるように外に出ると、そこには五飛のアルトロンガンダムとサイ・サイシーのガンダムが出ていた。

「張五飛。お前が、ナタクのガンダムにふさわしいか、オレが、確かめてやるよっ」
「それは、こっちの台詞だ。お前が、ネオ・チャイナのガンダムファイターにふさわしいか、オレが確かめてやるっっ」

 アルトロンガンダムとドラゴンガンダム(サイ・サイシーのガンダムだって)が組み合い始める。

「五飛っっ。いくら、五飛のガンダムが格闘仕様って言ったって、ガンダムファイト用のガンダムに敵う訳ないじゃない。分かってるの?」
「ガンダムファイトって?」

 そう言えば、この前もそんな話聞いたわね。

「セニア、あなたは知らないの?」

 レインが驚いた顔であたしを見る。
 ラ・ギアス人だし…残念ながら知らないのよね。

「まぁ、地球に住む人の間では知らない人もいるって言う話だから…、説明するわ。ガンダムファイトって言うのは、ナショナル・コロニー間で行われる格闘技の事よ。生身で格闘する訳じゃなくって、ガンダムを模した格闘用モビルスーツ、モビルファイターに乗って戦うのね。それでナショナル・コロニーの覇権が争われるの。ちなみに、現在の代表はネオ・ホンコンのウォン・ユンファ大統領よ。ガンダムファイトは4年に一度、地球をリングに行っているわ。人が死なない戦争。国家間での血で血を洗う様な戦争を避ける為ね。旧西暦時代は本当にそう言う戦争が多かったらしいから………。今も、あまり変わらないみたいだけれど」

 そう言ってレインは五飛とサイ・サイシーの戦いを見つめる。

「耳が痛いわね」
「皮肉を言っている訳じゃ…」
「えぇ、分かってるわ。それが、事実だもの。ある意味、理想なのかもね。ガンダムファイトって…」

 人が死なない戦争。
 ガンダムファイトという格闘技によって国家間の覇権を争う。
 理想…か…。
 確かにそうかもしれない。

 でも、ドラゴンガンダムって良いなぁ。
 ドモンのシャイニングに負けずとも劣らない、ディテール。
 ヒイロのウィングガンダムゼロも良いんだけどねぇ。

 格闘専用って言うのが心をひかれるわ。
 コクピットはどうなってるのかしら。
 気になる〜。

『極東支部緊急通信をお送りします』

 突然、アナウンスが流れる。

「何事?」
『メカザウルスと思われる機体が、極東支部に接近。識別信号より恐竜帝国のゼン2号と判明。全員、第一級戦闘配置についてください』

 海上よりゼン2号がゆっくりと極東支部のある湾上都市に向かっているのが分かる。

「セニア博士、至急管制内に行ってください」

 プリベンターの職員が呼びに来る。

「なんで?」
「ダブラスM2と同様の反応を検知したそうです」

 え…。

「じゃあ、あのゼン2号も?」
「おそらくは…。急いで、戻ってください」
「……ここで連絡を取り合うわ。通信機はあるし、コンピュータもあるからデータのやりとりも出来るわ」
「分かりました。管制室に連絡します」

 そう言ってプリベンターの職員の人は伝達に向かう。

「サリィさん、五飛にゼン2号には手を出すなと伝えて」

 キーボードを操作し、管制室とつなぐ。

『セニアっ』

 管制室のせっぱ詰まった、ヴィレッタの声。

「ヴィレッタ、ダブラスM2と同じ反応があったって本当?」
『本当よ。ゼン2号の頭頂部。おおよそ、あのドリルがあるあたりに、あの『金属反応』があるわ。DCの方でデータを分析している最中だけれど、以前と同じ反応はまだないようね」

 とヴィレッタ。
 プリベンターとDCの管制室から送られてくるデータを確認する。

 確かに、この前あった活発な電波は確認されていない。
 どういう事だろう。
 金属反応はある。
 でも、電波が確認出来ない。

 あの『金属』は…どういう者なんだろう。
 電気反応を掛けても何も起こらなかった。

 …単体では何も起こらないと言うこと?
 何かに組み込むことで反応を起こす?
 じゃあ、どうやってその反応が起きる?

 ……前の時は…甲児君のブレストファイアーの攻撃を受けてから、変化(進化)が始まった…。

『何だよ、あのロボット放っておくのかよっ。いいのかよ。ビル壊れちまっても』
『サイシー、お前は、あのロボットに何も感じないのか?』
『何だよ、それ。五飛、もしかして怖じ気づいたのかよ。フン、張家の戦士って言ってるけど、本当はどうだか?よし、オレが、あのロボットを倒してやるよ。五飛との勝負はその後でも問題ないからなっ。くらえ、ドラゴン・クロー』

 突然、ドラゴンガンダムがゼン2号に攻撃を仕掛ける。
 両腕から繰り出された、龍は猛然とゼン2号にかみつき、超高熱(1000度以上!!)の火炎をはきだした。

 止める間すらなく…。

 龍の口に噛み砕かれたゼン2号は超高熱の火炎にとどめを刺されたかに見えた。

『セニアっっ』
「分かってる」

 ゼン2号にある『金属』が反応した。

「…っっドモンっっあれはっ」
「……DG細胞……っっクソっっ」
「ドモンっっ」

 レインの止める間もなくドモンは走り出していく。

「出ろー、ガンダムっっ!!!」

 そう叫んだドモンに呼応するかのように、ガンダムが現れる。

「レイン、今、ドモンはDG細胞って言ったわよね。レイン、あれはなんだか知ってるの?ゼン2号がああいう風になった原因をあなたは知ってるのね?」

 ゼン2号の両腕がドラゴンガンダムのドラゴン・クローや、アルトロンガンダムのドラゴンハングの様に延びて、

『な、何だよっ。コレはっ』

 ドラゴンガンダムを翻弄する。

「レイン、知っているのなら、言って。プリベンターはメカザウルスを、それを操っている恐竜帝国を倒さなくっちゃならないのよっ。前にだって現れたわ。ダブラスM2が、ゼン2号と同じように変形した。ダブラスM2はミケーネ帝国のロボット。レイン、お願い、教えてっっ」

 レインとドモンはあれの原因を知ってる。

「ダブラスM2に組み込まれたのはコレなのよっ。コレを知っているんでしょう?」

 シャーレに入れた金属片をレインに見せる。

「…コレは、捨てなさい、セニア」
「そう言うわけにはいかないわよっ。今も言ったでしょう?恐竜帝国のメカザウルスに、ミケーネ帝国の戦闘獣(ダブラスM2は機械獣)にこれが組み込まれているっ。放っておく訳にはいかないわっ」
「……」

 レインはあたしの顔を見てうつむき、そしてドモンが乗り込んだガンダムに目を向けた。

「ごめんなさい。これは、わたしの判断だけで言うことは出来ないの。…少しだけ待って…欲しいの…」

 そうレインは言った。
 ドモンの乗ったガンダム(シャイニングガンダム)はゼン2号の目の前に立ちふさがる。

『兄貴、何をするつもりだ?』
『サイ・サイシー、もう、オレには関わるな』
『何言っているんだよ、ドモンの兄貴っ』
『もう一度言う。オレには関わるな』
『何をするつもりだ』

 ドモンがサイ・サイシーを拒絶した後、五飛が問いかける。

『張五飛と言ったな。…オレは、あのロボットを倒さなくちゃならない』

 ……??
 今、あのロボットを倒さなくちゃならないって言ったわよね。

「……それが、ドモンの宿命なの」

 聞こえてくる会話に、何をドモンがしようとしているのか、あたし達はおろか、プリベンターのメンバーですら見守っていた。

『無茶だ』
『…無茶ではない。張五飛、コロニーの人間ならば知ってるはずだ。モビルファイターの一撃の威力を』

 ドモンはそう言う。

『俺のこの手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶ!必殺、シャイニングフィンガー!!』

 シャイニングガンダムの右手が光り、轟音をたてて、ゼン2号に向かっていき、貫く。

『フンっ』

 腕が引き抜かれると、ゼン2号は動力を一気に破壊されたらしく、爆発、炎上した。

「…すご…」
「聞いてはいたけれど、噂以上ね。前にヒイロがネオ・ジャパンに忍び込んだことがあるのよ。ガンダム・ファイトの件はやっぱり統一政府としても無視は出来ないものだしね」

 と苦笑い。
 さすが、ヒイロ。

「はぁ、ネオ・ジャパンのセキュリティーも安心出来ないわね。シャイニング・ガンダムの事は国家機密なのに」
「一応、特殊任務の為に訓練を受けたエージェントだしね」

 レインのため息にあたしが答える。
 やっぱり、サリィさんは苦笑いを浮かべたままだ。

「…それより、聞きたいことあるんだけど」
「何?」

 あたしの言いたいことが分かっているはずなのに、レインは聞いてくる。

「DG細胞…って言ったわよね。どうして、シャイニング・ガンダムは一撃で倒せたの?」

 前は、最強クラスの攻撃力をもつマジンカイザーでさえ、一撃では無理だったのに。

「……DG細胞、核を破壊すれば、ユニット自体の破壊は可能よ。DG細胞の特性は自分の身に起こった事を還元させる…つまり進化させることが出来るの…。その進化を上回る攻撃を行えば可能だけれど、…一度耐性を付けてしまったら、生半可な攻撃では無理だわ」

 …つまり、一撃で倒せなかったのは、耐性が付いてしまったからって事?

「詳しいのね」

 サリィさんは静かにレインに言う。

「…そうね。私と、ドモンはあれをおっている様なものだから」
「そのことに、『キョウジ・カッシュ』が関係しているの?」
「……」

 あたしの問いに黙り込むレイン。

「沈黙は肯定ととるわよ」
「別に…構わないわ…」

 そうレインが言ったときだった。

「なるほど。あれは、キョウジ・カッシュ博士が開発していたものでありましたか」

 妙に間延びした声が聞こえた。

君たちに最新情報を公開しよう!!!

突然現れたバイオネットの幹部『ギムレット』。
奴のねらいはセニアがもつ『DG細胞』だ!!!
『ギムレット』をおってきたシャッセールの二人組+α。
そして今こそ降臨するのが我らが勇者王!!
スーパーロボット大戦『〜星達が伝えたいこと〜』ネクスト16話「勇者王降臨」
次回もこのチャンネルで、ファイナルフュージョン承認!

勝利の鍵はコレだ!!!『ジェネシックガオガイガー』