たとえ、離ればなれになったとしても、必ず巡り会えると信じている。
そんなの信じられないって言う人もいる。
あたしもそうだった。
でもね……。
天鵞絨の様な夜空にスパンコールのような星が瞬き、甘い蜜のような月が浮かぶ。
夜がただ楽しいとか眠〜いとかだけじゃないって気がついたのはつい最近の事。
甘い甘いココアのような夜だって有ること気がついた。
逢ってはいけない。
誰にか言われるかのように自分の中に言い聞かせていた。
でも逢ってしまったの。
彼に。
「眠れない?」
「眠りたくないの…どうしよう」
夜も深い時間。
彼の隣であたしは彼をただただ見つめていた。
最初は喧嘩したり、言い合ったりしていたけど。
でも、自分の気持ちに気付いてからは側にいるだけで心臓が止まりそうになった。
想いだけがふくらんで、彼の前で泣いてしまったことだってある。
困らせちゃってるって分かってるんだけど、涙止まらない時って有るよね。
彼はあたしの気持ち知らないんだもん。
困るって分かっていながら泣いちゃったり。
でも、優しく抱きしめてくれたとき、同じ気持ちを持ってるって気がついた。
想いが通じ合って、側にいられるようになって、いっぱいいっぱい「好きだ」って言えるはずなのに、どうしてかあたしは言えない。
恥ずかしいとかそう言うんじゃなくって。
もう、側にいるだけでいいってあたし欲がないのかなぁ?
「そんなことないと思うけど?世の中には一緒にいたくてもいることが出来ない恋人同士はたくさんいるし」
言われてみればそうだ。
遠距離恋愛してたり、秘密の恋愛してたり。
そう言う恋人同士は合う時間とか場所とかが決まってしまう。
あたし達は違う。
ちゃんと側にいて、抱き合う事だって出来る。
「あのね、あたし絶対もう一度あなたに逢えるって思ってたの」
そんなことが思わず言葉に出る。
「離ればなれになっても、二度と会うことが出来なくなっても、それでも、もう一度逢えるって思ったの」
「……運命の恋人みたいに?」
あたしの言葉に彼は笑顔で聞いてくる。
なんか本気で聞いてない。
「茶化さないで聞いて、あたしまじめに言ってるんだよ」
「分かってるよ……俺も……同じ事思ってた」
あたしを抱きしめて顔を近づけて彼は言う。
「ホントに?」
「あぁ」
彼の持つ瞳はとても澄んでいて、あたしはその中に映っていて。
とても視線は暖かかくて、嘘を言ってるような声色でもなくて、ただただ甘くて。
「きっと、何処かで出会ってた。記憶になくてもこの銀河の何処かで。そしてもう一度逢って、何度も出会って、そうやって俺は君に恋をする」
そう言ってあたしに口づけをする。
あたしはその口づけを黙って受けて、何度も何度もかわして、このままでも良いって思えるぐらいにあたし達は時間を過ごす。
朝焼けのラベンダー色が綺麗に響く。
虹色が輝いて、そうしてまた一日が始まる。
また離れてもあたしは彼に会える。
「お休み、−−−良い夢を」
彼の声が静かにあたしの中に沈みあたしは目を閉じる。
目が覚めても最初に逢えるのが彼であることを願いながら。
な感じです。
こんな少女チックなのはほら、BGMがタキシード・ミラージュだし。
甘々なのですよ。