一人で突っ走る。
放っておいたら、ドコに行くか分からない。
最初の印象はおとなしめなはずなのに、後から知った性格は猪突猛進だと気づき、そうなったときにはもう後悔先に立たずの状態だった。
ボーッとした頭で彼女の背中を見つめる。
俺の朝も早いけれど、彼女の朝も早い。
携帯が鳴らないから大した事はない。
こんな日は休んでいたい。
俺の職業は事件記者と呼ばれるモノで、出来うるならば、大した事件のない日はこうやって惰眠をむさぼっていたい。
それぐらいは許されるはずだ。
日々、いろんな事件の捜査の結果を確認するために警察内部に入り込む身としては穏やかな時間は必要だ。
これで彼女がいるんだから、もう少し彼女を巻込んで眠っても良いだろう。
「っ、琢さん、起きてください」
「もう少し寝るんだ」
「じゃあ、私の手、放してください」
「幸も一緒に」
「もう、私は仕事なんですっ」
仕事なのは知ってる。
彼女は俺が勤めている新聞社の出版部で雑誌の編集者として働いているから、彼女の出勤時間を大体は把握している。
「琢さんは仕事じゃないんですか?」
「俺は休み」
というか、午後からだ。
昨日、追っていた事件の仕上げの記事を書き、午前中の休みをもぎ取った。
仕上げの記事は今日の朝刊に載っているはずだ。
他に差し替えがない限り。
政治部の方でも動きはあまりないようだから間違いなく載るだろう。
「私は仕事です。遅刻するわけにはいかないんですよ?」
「幸、お前の言い分は分かるが、働き過ぎじゃないか?」
「そんなことないです。このところ、礼さんの分の引き継ぎとかがうまくいってなかっただけです」
礼さんというのは幸が出版社に入ったときから彼女が世話になっていた先輩だ。
元々は、生活面の記者をしていたが出版部で雑誌を創刊すると言うことでそちらに引き抜かれた人材だ。
幸が入社と同時にその能力を示したのでやめても大丈夫だろうと思いやめたのだと、幸から聞いた。
「で、休みは?」
「明日……」
俺と1日違いかよ。
「何か問題でもあるんですか?」
「別にって言うか、時間平気なのか」
ちらりと見た時計は幸が出勤する時間ぎりぎりの時間だ。
「へ?っっあああああああああ〜〜〜。遅刻しちゃう〜〜〜!!!!」
俺の手を振り払い、幸はマンションの部屋中をかけずり回る。
それを横目で見ながら俺はのんびりと起きて身支度を調え、玄関まで到達した幸を迎える。
「琢さん?どうしたんですか」
「送る……って言うか、俺も行くわ。本当は休み(あくまでも午前中だけ)だけど、警視庁の知り合いに会う用事を思い出したから」
別に急用ではないけれど、幸を送る口実と、二度寝する気がなくなったのと、丁度良いしって事だ。
「琢さん、ありがとうございます」
律儀に礼儀正しく幸は頭を下げる。
「別に気にするな。行くぞ」
「はい」
笑顔で頷く幸を見て、一緒に起きて、朝食食べて(今回は食べてないけれど)、玄関を一緒にでて、仕事に向かうなんて言うのもそうは、悪くないなんて思った。
もっとも、朝が合うなんて滅多にないけれど。
こうやって、これからも過ごしていくことが出来るのならば……などと漠然と思った。
琢:山下琢:藤成新聞社事件部の記者(声・中井和哉)
などと書きましたが、とある平日な休日の昼下がり、暇をもてあましてというか何気なしにテレビを付けていたらドラマがやっていました2時間ドラマ。
今年は松本清張氏の生誕100年だそうで……、黒い樹海を再放送でやっていました。
別に熱心に見てたわけじゃないです。
豊原功補が犯人だと思っていました。
ところが……犯人じゃない!!!
しかも、とってつけたようなエンディングでもしかしてカップル化?
にビックリしました。
が、ちょっと良いかもしれない。
年の差、菊川怜が25ぐらいで豊原功補が…………。でもいくつの設定なんだろう……。
今悩んだ!!!
まぁ、編集部の3年目ってどんな仕事なんだろう……??
琢はまぁ、35とかでもいいかな?
えぇまぁいいか。
そこはほら、フィクションだし。
以上です。