著作権

2013(平成25)年2月26日
2013(平成25)年12月10日改訂
2018(平成30)年4月4日改訂
2020年(令和2)年12月8日改訂
2021年(令和3)年4月1日改訂

 

 著作権法により保護される著作権は,登録により権利が付与される,特許権,実用新案権,意匠権,商標権と異なり,登録手続などを必要とせず創作したことにより当然に著作権が発生する方式(無方式主義)をとっています。

 著作権によって保護される「著作物」とは,「思想または感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術,または音楽の範囲に属するもの」を言います。(著作権法2条1号)

 著作物を創作した者を著作者といい,著作権は著作者に帰属します。 (同法17条)

 そして,著作者には著作者人格権も付与されます。 (同法17条)

 著作者は著作権に基づいて自己の著作物を自由に使用,収益,処分して財産的利益を得ることが出来ます。

 また,著作者は,正当な権限のない他人によって自己の著作物が無断で利用された場合,裁判所に著作権侵害行為の差止請求訴訟と損害賠償請求訴訟を提起出来ます。 (同法112条,113条,114条等)

 著作権の効力が及ぶ利用行為(個別の「支分権」)は,①複製権(同法21条),②上演・演奏権(同法22条),③上映権(同法22条の2),④公衆送信権(同法23条1項),⑤伝達権(同法23条2項),⑥口述権(同法24条),⑦展示権(同法25条),⑧頒布権(同法26条),⑨譲渡権(同法26条の2),⑩貸与権(同法26条の3),⑪翻案権等(同法27条)の二次的著作物の作成権,⑫原著作物の著作権者の二次的著作物の利用権(同法28条)があります。

 一般の著作物の場合,著作権の存続期間は,個人の場合は,創作時に始まりその後著作者の死後70年を経過するまでです。(同法51条)

 法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権の場合は,創作時に始まりその著作物の公表後70年を経過するまでです。(同法51条1項,53条)

 著作者人格権には,公表権,氏名表示権,同一性保持権があります。(同法18条,19条,20条)

 著作者人格権は人格権なので,著作者に一身専属的に帰属します。(同法59条)

 著作者人格権は,その著作者が死亡すれば消滅しますが,著作者の死後であっても仮にその著作者が生存していたとすれば著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならないことになっています。(同法60条本文)

  ただし,その行為の性質及び程度,社会的事情の変化等によって社会通念上,著作者の意を害しないと認められる場合には,この限りではありません。(同法60条但書)


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