親権の喪失,親権の停止,管理権の喪失
2012(平成24)年9月10日
平成23年法律第61号により子どもに対する親権の喪失制度が改正されました。主な改正点は(1)親権の喪失の要件の明確化,(2)申立権者に未成年子などを加えたこと,(3)親権の停止の制度を設けたことです。
- 1 親権喪失の審判(民法834条)
父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは,家庭裁判所は,子,その親族,未成年後見人,未成年後見監督人又は検察官の請求により,その父又は母について,親権喪失の審判をすることが出来る。
ただし,2年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは,この限りでない。
この場合は,親権停止制度を活用することになります。
- 2 親権停止の審判(民法834条の2)
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは,家庭裁判所は,子,その親族,未成年後見人,未成年後見監督人又は検察官の請求により,その父又は母について,親権停止の審判をすることが出来る。
家庭裁判所は,親権停止の審判をするときは,その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間,子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して,2年を超えない範囲内で,親権を停止する期間を定める。
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3 管理権喪失の審判(民法835条)
父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは,家庭裁判所は,子,その親族,未成年後見人,未成年後見監督人又は検察官の請求により,その父又は母について,管理権喪失の審判をすることが出来る。