公道に至るための他の土地の通行権(囲繞地(いにょうち)通行権)
2012(平成24)年7月25日
土地を利用するためには,その土地から道路(公道)まで行き来できなければなりません。
その土地が,道路に接していれば問題がありません。
しかし,その土地が,道路に接しておらず,他人の土地等に囲まれているいわゆる袋地(ふくろじ)の場合,その袋地を囲んでいる土地(囲繞地(いにょうち))を,民法の法律上当然に通行する事が出来ます。
これを,公道に至るための他の土地の通行権(囲繞地通行権)といいます。
「袋地」とは,上記のように他人の土地等に囲まれて公道に通じていないことが必要です。
この場合,公道とは,いわゆる「公道」だけでなく,誰でも自由に通行できる私道も含まれます。
「公道に至るための他の土地の通行権(囲繞地通行権)」の内容である通行の場所及び方法は,通行権を有する者のために必要であり,かつ,囲繞地のために損害が最も少ない方法と規定されています。
「公道に至るための他の土地の通行権(囲繞地通行権)」の幅ですが,建築基準法の接道義務である2mの幅の通行権を囲繞地通行権として全面的に認めることは,法律の趣旨・目的が違うことから難しいと思います。
また,自動車が進入できる幅の通行権が当然に認められることも難しいと思います。
「公道に至るための他の土地の通行権(囲繞地通行権)」が無償になるか有償になるかは,袋地の形成経緯等により個別的に判断されます。