交通事故と交通事故紛争処理センターについて

• 第1 　交通事故において，それほど重大な後遺障害ではない後遺障害を被った場合には（重大な後遺障害や死亡事故の場合は訴訟で解決すべきとのアドバイスは別項にあります。），損害保険会社と示談するよりも以下の方法が有利です。
  　最初から訴訟をするという方法の外に，財団法人交通事故紛争処理センターを利用するという方法もあります。

財団法人交通事故紛争処理センターを利用するメリットは３つあります。

• １　損害賠償額の算定基準が基準として一番高い算定となる弁護士算定基準ないし裁判における判断基準が採用されていることです。
• 損害賠償額の算定基準は
• （イ）自賠責保険の基準
• （ロ）任意保険の基準
• （ハ）弁護士算定基準ないし裁判における判決の基準
• と３つあります。

　自賠責保険の基準が一番額が低く，任意保険による算定基準がそれよりも多いですが，それよりも裁判所が判断する基準ないし弁護士が算定する基準が一番高額です。
　従って任意保険会社と示談してそれにより受領する損害賠償額は訴訟を提起して裁判所が判断する判決の基準の額よりも低額になってしまうことになります。

• ２　紛争の解決が早いことです。

　交通事故紛争処理センターの担当弁護士が弁護士算定基準ないし裁判における判断基準により裁定（判決のようなものです。）をした損害賠償金額について被害者の方が了解すれば，加害者が契約している保険会社の方はその裁定に関して不服を申し立てることが出来ませんので，その裁定が確定して損害額の支払が保険会社から確実になされます。
　もし仮に，交通事故紛争処理センターの担当弁護士がなした裁定に対し不服であるとすれば，被害者の方は別に訴訟をなすことが出来ます。
　以上のとおり，交通事故紛争処理センターの裁定について保険会社に片面的拘束力がありますので，紛争の解決が早く出来るメリットがあります。

なお，東北地区の交通事故紛争処理センターは仙台にあります。

仙台支部
電話番号０２２－２６３－７２３１
〒９８０－００２１仙台市青葉区中央２－２－１仙台三菱ビル４階です。

• ３　申立費用が無料であることです。

交通事故紛争処理センターへの申込には，申込費用がいりません。

• 第２　物損事故でも交通事故紛争処理センターを利用することが出来ます。
• １　自動車事故の被害者と加害者加入の保険会社又は共済組合との間の物損に関する紛争が対象となります。
• ２　但し，加害者が任意保険(共済)に加入していない場合や，既に調停又は訴訟手続が係属中である場合等の一定の場合は利用出来ません。