隣人が,越境してブロック塀を造り始めたときの対処法
(土地所有権確認訴訟と妨害排除請求訴訟(妨害物収去土地明渡訴訟)そして工事禁止の仮処分)

2009(平成21年)8月26日
2013(平成25)年8月23日改訂

 私の隣地の所有者が,自分の土地の範囲であると主張して私の土地にはみ出してブロック塀を設置する工事を最近始めました。工事を止めさせて土地につくられたブロック塀を撤去させる方法を教えて下さい。

 土地と土地の境界を確定させる訴訟としては境界確定訴訟がありますが,これは土地の筆界を確定するためのもので,所有権を確認するものではありません。この訴訟だけではブロック塀を撤去させることが出来ません。すなわち,境界確定訴訟をしてその判決が出たとしても,筆界(公法上のその土地の境界)が裁判上確定するだけで,所有権界(所有権の範囲)が確定するわけではありません。

 あなたの土地に隣人が勝手にブロック塀を立てたことは,隣人があなたの土地の所有権を侵害することになるので,そのブロック塀を撤去させるには,ブロック塀のある土地の範囲についてあなたが所有していることの所有権確認と所有権に基づき占有妨害物であるブロック塀の収去土地明渡の訴訟を起こす必要があります。

 また,工事を止めさせるには,工事途中であるとすれば,土地の所有権に基づいてその工事を差し止めるよう工事禁止の仮処分を裁判所に申し立てることが必要です。

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