後妻と先妻の子との相続関係の調整

2009(平成21)年5月20日

 先妻との間に幼い子供がいて先妻と死別し,後妻がいて後妻との間に子供がいないとき,幼い子供に出来るだけ多く遺産を残したい場合どうするか。

 遺言書を活用して先妻との間の子供にできるだけ多くの財産を相続させることができます。あなたが死亡した場合,遺言書がなければ法定相続分として後妻の方が2分の1,幼い子供さんが残りの2分の1を相続することになります。しかし,子供さんが幼いことを考えてできるだけ多くの財産を相続させたいと考えられる場合は,遺言書を作成して子供さんにすべての遺産を相続させるという文言を書く方法もあります。ただこの場合は,後妻の方が遺留分減殺請求権として法定相続分である2分の1の半分の4分の1の遺留分がありますので争いになる可能性があります。遺言書であなたの遺産の内4分の3に相当する遺産をあなたの子供さんに相続させ,あとの4分の1分を後妻の方に相続させるという,遺産分割方法と相続分の指定を行うことが,後妻の方と先妻の子供さんとの間での遺産相続をめぐる争いを防ぐやり方だと思います。

 また,あなたが亡くなられた場合,後妻の方があなたの先妻との間の子供の親権者にはなりませんので,あなたが亡くなれば幼い子供さんについて未成年後見人を定める必要があります。その場合遺言書により,幼い子供さんに対する未成年後見人を指定することができます。

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