親権者の変更
2009(平成21)年2月16日
協議離婚をして,「親権者の変更はしません」との念書まで書いて親権者を別れた配偶者したが,後で親権者を変更し子供を取り戻したいという相談があります。
この場合,親権者の変更を求めることは可能です。
離婚する場合は,必ずどちらか一方の親権に服するものとされています。協議離婚の場合は,離婚届に未成年者の親権者をどちらにするかを必ず記載することになっております。
しかし,一旦決めた親権者を離婚後に変更することは可能です。
また,親権者を変更しないという約束を協議離婚の時にしたとしても,その約束は法律的に無効です。
ただ,親権者の変更は,離婚した配偶者の間での協議だけで行うことは許されず,その変更手続きは法律の定めに従ってなすことが必要になります。
親権者の変更の手続きを家庭裁判所に申し立てることが必要です。
親権者の変更は,家庭裁判所の審判により決定されます。
また,当事者間の合意を前提とした家庭裁判所による調停による変更も許されます。 この場合,家庭裁判所が親権者の変更を認めるのは,「子の利益のため必要がある」場合に認めるものでありますので,父母双方の子供の監護環境等の事情を比較した上で,父母の一方による実際の監護の実績を踏まえて,親権者を変更すべきかどうかを家庭裁判所は判断することになります。