相続について

2008(平成20)年3月31日
2013(平成25)年11月26日改訂
2019(令和元)年6月7日改訂
2019(令和元)年6月18日改訂
2020(令和2)年11月14日改訂

 夫が亡くなった場合,妻は必ず相続人になります。妻以外の相続人は,第1順位は子供(子供が夫が死亡する前に死亡していても,子供に子供(孫)がいる場合は,その子供(孫)が相続人になります。)です。

 子供がいなかったり,子供全員が家庭裁判所で相続放棄の手続をした場合は,第2順位の夫の父母(夫の父母がいないが夫の祖父母がいる場合は夫の祖父母が相続人になります。)が相続人となります。夫の父母(夫の祖父母も含めて)が両方ともいなかったり,両方とも家庭裁判所で相続放棄の手続をした場合は,第3順位の夫の兄弟姉妹が相続人になります。夫の兄弟姉妹の内誰かが夫の死亡する前に死亡していてもその死亡した兄弟姉妹の子供(夫にとっては甥や姪)が相続人になります。
法律が定めた相続分は以下の表の通りです。

 

法定相続分  
 妻の法定相続分

相続人 妻の相続分 その他の相続人の相続分
妻のみ 全部
妻と子 2分の1 2分の1を子供の数で均等に割る
妻と父母 3分の2 3分の1を親の数で均等に割る
妻と兄弟姉妹 4分の3 4分の1を兄弟姉妹の数で均等に割る
ただし,父母とも夫と同じ兄弟は片方のみが同じ兄弟の2倍の相続分

 

 遺産分割の手順
 夫が死亡した場合に,まず夫の遺言書があるかどうか確認します。
 夫の遺言書があれば,その遺言書通りに相続手続が行われ,前記の相続人の順位や法定相続分は無視されます。

 但し,妻や子供や夫の父母(夫の兄弟姉妹には遺留分減殺請求権はありません。)は自分の遺留分を夫の遺言により侵害されたときは,遺留分減殺請求権を行使できます。但し,遺留分を侵害されたことを知ったときから1年以内に行使しなければならないので御注意下さい。

 また,相続人全員で遺言書と違う遺産分割方法を合意した場合はその合意通りに遺産を分割できます。

 但し,遺言書に相続人以外の者に財産を遺贈するなどの遺言の文言があり,相続人以外の受贈者の同意が得られない場合は遺言書通りにするしかありません。

 また,遺言で遺言執行者が指定されている場合は,民法1013条で「遺言執行者がある場合には,相続人は,相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為をすることができない。」と規定されていますので,相続人や受遺者ら全員でなした遺言と異なる内容の遺産分割協議は,民法1013条に抵触し,原則的に無効となります。


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