刑事事件における、検察官の「不起訴処分」と「起訴(公判請求・略式命令請求を含む。)」

2017(平成29)年1月22日

 

 刑事事件に関し、刑事訴訟法上「起訴」は検察官だけが行うこととされています。(国家訴追主義、起訴独占主義・刑訴法247条)

 そして、検察官は、被疑者について被疑事実が十分に証明できるだけの証拠を収集していても、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」(刑訴法248条)とされています。

 これを「起訴便宜主義」といいます。

 すなわち、検察官は、捜査が終了した段階で、起訴、不起訴の処分を行います。

 検察官は、十分な証拠を収集し、犯罪の立証ができると判断した場合に被疑者を起訴します。

 その起訴の中には、公開した法廷における審理を求める起訴である「公判請求」と、100万円以下の罰金又は科料を科すための「略式命令請求」(刑訴法461条)があります。

 検察官がそのような判断が出来ない場合には、「嫌疑なし」又は「嫌疑不十分」により「不起訴処分」をします。

 一方、公判において犯罪の立証ができ、刑が免除されるべきでないと判断した場合にも、上記の「起訴便宜主義」(刑訴法248条)により、上記の事情等から総合判断して起訴しないことが相当であると判断した場合には、「起訴猶予」として「不起訴処分」を行うことがあります。

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